2-6 表彰と、二つ名と
翌日、ギルドに入ると、やけに人が多かった。
「なんだなんだ?」
「誰か来てるぞ」
ざわつく中、
見慣れないローブ姿の男が前に立っている。
「えー、この度」
男が一歩前に出る。
「魔術師ギルドより参りました」
周囲がざわめく。
「本件につきまして、ご報告があります」
「この度、過去の記録を更新されました」
なんだなんだと人が集まってくる。
「タイチさん」
名前を呼ばれる。
一斉に視線が集まる。
(え、僕?)
「……は?」
周囲もざわつく。
「何が?」
「なんの記録だ?」
男は一拍置いて、言う。
「歴代月間薬草採取最速記録を、更新されました!」
――
「……え?」
(レキダイゲッカンヤク…?)
「なんて?」
いつも薬草採りで見る、子供たちが声を上げる。
「お兄ちゃんすごーい!」
「フォッフォッ」
いつも話しかけてくる老人が笑う。
「わしの教えることはもう無いのう」
いつも冷やかしてくる冒険者が言う。
「まだ登録して一カ月経ってねえだろ!?」
ギルドの冒険者たちが騒ぎ出す。
「これに伴い――」
男が続ける。
「魔術師ギルドより、正式に称号が付与されます」
ざわめきがさらに広がる。
「ジョブ称号…」
一瞬の間が空く。
「――永世薬草採り名人!――」
いつも薬草採りで見る、子供たちが声を上げる。
「お兄ちゃんすごーい!」
「フォッフォッ」
いつも話しかけてくる老人が笑う。
「わしの目に狂いはなかった」
いつも冷やかしてくる冒険者が言う。
「ホントにそんな称号あるんだな…」
(僕も同じこと思ってます)
周りがさらに盛り上がる。
とりあえず、笑っておくしかなかった。




