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2-5 弊害と、巻き添えと


――そのまま、宿の手伝いをすることになった。


台所の方から声が聞こえる。


「ツングルスクに帰ってくるって言ってたのに」


女将の声だ。


「あたしだって帰るつもりだったってば!」


少し尖った声が返る。


「街道にオークが出たとかで、


 馬車が足止めされてたんだからしょうがないじゃない」


「あたしだってツングルスクのお祭り楽しみにしてたのに!」


(……オークのせいか)


「遅れてくるわ、昼まで寝てるわ」


「だって、着いたの昨日の深夜だったじゃない?」


「起きたと思ったらいきなり風呂に飛び込んで」


「だって汗かいてたし!」


「確認くらいしな!」


「男が入ってるなんて思わないし!」


沈黙。


(……完全に巻き込まれただけなんだけどな)


こっちに気づいて女将が言う


「ごめんね、勝ち気な娘で、全く誰に似たんだか…」


(紛れもなくあなただと思います。)


そう思いながら二人を見ていると


「ほら、あんたもボーっと突っ立ってないで手伝いな」


女将がこちらを見る。


「っはい!」


慌てて二人の元へ駆け寄る


言われるまま皿の配膳をする。


「ああ、いいよいいよ、無理しなくて。こっちお願いね」


言われた通りやったつもりだが違ったらしい。


女将が優しく手を添えて、そっと向きを変える。


「っ、はい」


娘はその様子を横目で


「……ほんと使えない」


と吐き捨てる。


「じゃああんた、こっちで皿洗いやっとくれよ」


女将がさらりと言う。


横では娘がこっちを見て睨む。



とても気まずい。

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