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11-3 個別の依頼と、再会と、確定する運命


 昼飯の屋台の男の馬車に乗り、


 薬草採取からギルドに戻る。


 いつも通り納品のチェックをしてもらい、報酬を受け取る。


 そこに別の職員が来て言う。


「タイチさんに個別依頼が来ています」


「僕に?」


「個別依頼なんて初めてだ」


 依頼内容を、読み上げてもらう。


「王都の格闘術協会から格闘術の講師としてとなってますね」


「場所は王城内練習場――」


「日にちは――」


「分かりました」


 一通り聞いて依頼を受けることにする。


 宿に帰り、その話を皆に話す。


「面白そうだオレは行く」


「ウチも行くにゃ」


「あたし学校だからパス」


「わたしは格闘は向いてないので遠慮しますぅ」


「我も……中遠距離型だから……必要ない」


 エルフも不参加かと思いきや、


 王城に行く用があるのでそれが終わり次第見に行くとの返事。


「しかし、講師って何すればいいんですか?」


「じいちゃんの教えとかでいいのかな」


「タイチのジジイってもう亡くなってたんだっけか?」


「ええ、だいぶん前に亡くなりました」


「そうか、生きてる間に手合わせしたかった」


「でもこれはこれで楽しみだ」


「?」


「地獄でお前のジジイと対戦できるかと思うとな」


(じいちゃんが地獄に居るとは限らないじゃないか)


「死ぬ楽しみも増えるってもんだ」


(そして自分も地獄行きは決定してるんだ)


 ――


 格闘術講習の日。


 いつものように朝から薬草採取に行き、


 昼前に宿に戻る。


 剣士はすでに起きて朝食を取っていた。


(こう言う時だけ早いんだよな)


 ロリ猫が、


「獣人は夜型だから……」


 といつものを言いながら、


 エルフは、


「すまん、今起きた」


 と起き出してきた。


 そして、朝食を終え、王城に向かう。


 城の衛兵が、タイチを見て、


「お待ちしておりました」


「今日はよろしくお願いします」


 エルフは、


「ワシは王宮秘書官局に通してくれ」


 待合室に通される。


 そこでエルフと別れ、


 屋内練習場に通される。


「タイチ先生!」「お嬢!」「おチビ!」


 ケセモッサの師範と道場生たちが居た。


 しばらくして、剣姫と騎士団が入ってくる。


「久しぶり……」


 タイチをギュッとして、頭をペタペタ触る。


「え、あの、ちょっと?」


「にゃ!馴れ馴れしいにゃ!」


 剣姫の少し距離感のおかしいスキンシップに、


 ロリ猫が前に出る。


「まあ、気持ちは分からんでもない」


 剣士が笑う。


「弟みたいな、子分みたいな、下っ端みたいだもんな」


(さりげなくディスられてる……)


「そんでぶん投げられたとなりゃあ愛着も湧くってもんよな」


 その一言に騎士団がどよめく。


「やっぱりあの噂は」


「ああ聞くに聞けなかったが」


 口々に言う。


 そうしていると、


 護身術の先生と少し身なりの良い感じの女性の集団が入ってきた。


「本日はわざわざ足を運んでいただきありがとうございます」


「師範もお久しぶりです」


「元気そうで何よりじゃ」


「なんだ知り合いか」


 剣士が言うと護身術の先生が、


「わたくしの教えている護身術のベースはケセモッサ獣術なのですよ」


「なるほど、それでこの面子にも納得がいった」


「主に組み技を中心に教えているのですが――」


「組み技をするには、相手を掴まなきゃならねーからな」


 剣士が察して言う。


「その通りです」


 護身術の先生が頷く。


「その点、タイチのスタイルは、相手と組まなくていい」


「こう言うことだろ?」


 剣士が続ける。


「さすが剣聖殿、今日の主旨はまさにそれです」


 道場生と騎士団の連中はうんうんと頷く。


 しかし、身なりのいい女性の集団は少し懐疑的な目でタイチを見る。


 その様子に剣士が、


「疑う気持ちも分かる、現にオレもこの目で見るまでは信じられなかったからな」


「タイチ――」


「見せておやりにゃさい」


 またロリ猫が割り込む。


「あ、てめ、またオレの言おうと思ったことを」


 ロリ猫はペロッと舌を出す。


「じゃあ誰かタイチの相手を――」


 言うや否や、騎士団、道場生と一斉に手を挙げる。


「あれからまた鍛錬したんだ」


「次はやられない」


 皆、やる気満々で言う。


「さすがにこんなに沢山はいらないな」


 剣士が周りを見渡して言う。


「じゃあ、アレやるにゃ!」


 練習場の大きな石板の前にも走っていき、

 

 石筆で線を引こうとする。


「届かないにゃ」


 その一言で獣人の一人が走り出て、


 ロリ猫を抱え上げる。


「おチビ、これでいいか?」


「うむ、これでいいにゃ」


 全員分の線を引き、それぞれに名前を書かせる。


「これじゃ全部やるのに時間がかかるにゃ」


「確かに結構な人数だからな」


「これ、当たりの方からやると一回で済みますよ」


 タイチが口を挟む。


「にゃんと!そんな裏技があるにゃ?」


「なんですかこれは?」


 皆が口々に問う。


「あみだくじにゃ!」


 そう言ってロリ猫は当たりの印をつけた下側から線をなぞる。


「ジャンジャカジャカジャカ」

「ジャンジャカジャカジャカ」

「ジャンジャカジャカジャカジャーン」


 口ずさむ。


「それ、なんなんだ、おチビ」


「あ!」


 タイチが口を挟むも、


「運命にゃ!このくじのテーマソングにゃ」


「いや、それ――」


「なるほど、運命か」


「確かに運命っぽい」


 皆が納得する。


(あああ、もう修正出来ない……)


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