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1-10 傷と、薬草と


森の出口に向かう。


(……なんだったんだ、今の)


――


知らない女の剣士に出会って、


いきなり切りつけられ、


気がついたら膝枕されていた。


そして、


「君、面白いね」


と、言葉を残し去っていった。


――


何度思い出しても、よく分からない。


(いきなり剣がここに……)


剣が向けられた場所を手で触る。


指先に、うっすらと赤い色がつく。


(……あ、切れてる)


痛みは、ほとんどない。


でも、確かに切れている。


(まぁ……このくらいなら大丈夫か)


そのまま歩きながら、ふと籠を見る。


中には、薬草が入っている。


(そういや薬草って……今使っていいのかな)


いつも通り採ってきたやつだ。


(これって……)


一枚取り出す。


葉っぱ。


ただの葉っぱにしか見えない。


(ポーションの材料、だよな)


そういうのは知っている。


ゲームとかで、よくあるやつだ。


(……でもこれ)


じっと見る。


(どうやって使うんだ?)


そのまま貼るのか。

食べるのか。

すり潰すのか。


(ゲームだと、やくそう▶︎つかう、で一瞬だけど……)


(あれ、あの短時間ですり潰してんのか?)


分からない。


(……いや)


少し考えて、


「タイチはやくそうをつかった!」


と言いながら、


頬の傷に一枚ペタリと貼ってみた。


――


そして、そのまま歩き出した。

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