表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/30

本当のあなたに

「リアナは悪くないよ。」

「……!」


「……レオン様は、お優しいですわね。」

「僕は、優しくなんかないよ――。弱いだけ。前世でも、莉亜のこと助けられなかった。僕が離さなければ莉亜は生きていたかもしれないのに。」

「私は、今生きているから十分です。憧れの悪役令嬢ですよ。それより、優真くんを巻き込んだの本当にごめんなさい。もし会えたら、謝りたいと思ってたんだ。落ちていく時に、優真くんのとこ引っ張ってるのわかった。離したはずなのにね――。」

「それは僕が掴んだ。莉亜は悪くない――。それにね、さっき莉亜のこと止められなかった。本当はもっと早く止めるべきだったのに――。決断が遅くなって、2人とも傷つけることになっちゃった。」

「セレスティアを傷つけたのは私だから。私が傷つくことになったのも私のせい。――優真くんは、自分が守れなかったって言うけど、全部責任私だよ。」

「違う。」

「違くない。全部全部私のせい。やっぱり根が悪役令嬢なんだよ。だから悪役令嬢になった。」

「ねえ、もうやめてよ。莉亜が自分を否定するとこ見たくない。悪役令嬢はプライドが高いんだろ?それなら否定なんかしないよ。」

「……レオン様。本当にずるいお方ですね。」


 そういうリアナの顔はさっきよりも温かみがあった。


「リアナ。君は優しい。だから……」

「私が?優しくなんてないわ。自分のためにセレスティアとレオン様を傷つけた。誰も私を優しいなんて思ってないわよ。私自身もそう。」

「誰も、なんて言わないでくれ。僕は、君が優しいと信じてる。」


 リアナが顔をあげる。その顔は涙が光のように溢れていた。


「……レオン様、ありがとうございます。でも、これは本心なのですけど、私は幸せになってはいけません。」

「……どうしてそういうことを言う。」

「だって――。私はセレスティアを傷つけました。それが本心じゃないとかそういうことは、その事実を覆す理由にはなりません。私が幸せそうに笑っていたら、それだけでセレスティアを悲しませてしまうのです。私は、彼女を傷つけたくありません。」

「セレスティアは傷つかないよ。彼女は聖女で優しい心の持ち主だから――。」

「聖女は聖女でも、1人の人間です。いくら優しくても、自分を傷つけていた人物が笑っている――それに何も思わないわけないでしょう。私は、罪を償いたいです。」

「リアナは優しいな……。」

「優しさとか慈悲じゃなくて、責任なのですよ。」

「責任――。じゃあ僕もとるよ、リアナを処刑させないようにした責任。リアナのこと守る。今度こそ。」

「……レオン様。本当に私なんかを守ってくれるの、……?」

「もちろん。誰にも傷つけさせない。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ