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自殺しようとする同級生を助けたら乙女ゲームの世界の王子になりました  作者: 夜月海歌


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私の中の黒いもの《セレスティア》


 私・セレスティアは、夜花壇を見るのが日課になっていた。

 きっかけは1週間前、花壇のお花がリアナ様によって踏み潰されたこと。もうその日は治癒魔法を使っていたから、明日にしようと思っていた。しかし、翌日の朝には元通り、いや前より花が活き活きとしていた。私以外の誰かが治癒魔法を?今、学園にいる聖女は私だけ。学園外なら何人かいるけど、大人は出入りできないはず。まさか、王妃様?そんなわけないよね。

 それから、毎日見に行くようになっていた。もし、私以外にも聖女がいるんなら私の悩みをわかってくれるかもしれない。聖女は、立派なお仕事。責任があるのもわかる。でも、私には重すぎた。私は侯爵令嬢。レオン様がいないところでは、よく嫌味を言われることもあった。レオン様にあなたは釣り合ってない。――そんなの、分かってる。私が釣り合わないことなんて私が1番知っている。レオン様がいるところで嫌味を言ってくる人はあまりいない。リアナ様ぐらい。他の方も、レオン様の前でも言ってくれたらいいのに……。そう思ってしまう。

 レオン様は優しい。私が強がっても、本当は傷ついていることに気づいてしまう。――だから、これ以上レオン様に心配をかけたくはない。自分で解決しなければ……。最初よりは、言い返せるようになったと思う。やめてください、と。でも、私の言い方が悪いのかあまり真剣に聞いてくださる方はいなかった。

 レオン様には言ってないのだけど、実は少しだけリアナ様には感謝している。リアナ様の悪い噂を聞く度に、否定したくなる。やったのはあの方じゃないと――。1回言ってみたら、“リアナ様に脅されているの!?庇わなくていいのよ”と変な心配をされたから、私が言うのは逆効果だと思って言ってないけど。リアナ様は、レオン様がいる時に嫌味を言う。レオン様がいない時は言わないのだ。全然私に関心ないって顔をしてる、少し不思議な人だ。でも、リアナ様がいなかったらレオン様は私のこと心配しないと思う。だから、表立って私の敵になってくれるリアナ様に少しだけ感謝をしているのだ。まあ、ちょっとは傷つくんだけどね。



 レオン様?レオン様の声が聞こえる。誰かと話しているのかしら?この時は、少し罪悪感を感じつつも、誰と話してるんだろうという好奇心だった。まさか、あんな光景を見るなんて――。



 レオン様と、……リアナ様?なぜ2人が仲良さそうに話しているの?なんで?

 私は、もう少しだけ近づいて話を聞くことにした。


「……りあ。」


 りあ?リアナじゃなくて?レオン様はリアナ様のことをあだ名で読んでいるの?


「……“あくやくれいじょう”なりきれてないって。直接傷つけてなかった……」


 あくやくれいじょう?それはリアナ様が私のことを傷つけてたことを意味するの?なりきれてないってどういうこと……。

 ……!レオン様がリアナ様に命じていた?私を攻撃せよと――。納得がいく。リアナ様がレオン様の前でしか嫌味を言わなかった訳。嘘……。嘘だと思いたい。

 レオン様は私の事嫌いなの……?結婚したくない?いや、そんなのいやよ。


「……セレスティアに一途だったのに。浮気症ね……」


 レオン様は私じゃなくてリアナ様のことが好き?私のことは……?私は愛してる、レオン様のこと。でも、レオン様は違うとしたら……?胸が苦しくなる。違う、違うって誰か言って。


 私の痛みに気づいてくれる人は誰もいなかった――。

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― 新着の感想 ―
10話まで読了 侯爵令嬢+聖女の称号持ちでも王子には相応しく無いのか、公爵の下だから??即処刑できちゃいそうな王子強すぎる笑 もう少しこの世界の常識が知りたいな。ストーリー面白い。先の展開が楽しみ
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