繋がる謎
「リアナ。」
「何ですか、レオン様が呼び出すなんて。」
「最近の様子を観察してたんだ。セレスティアを噴水に突き落としたり、教科書を隠したのはリアナではないな?」
「全部、私ですわ。セレスティアに嫉妬してやったのです。」
「まだとぼけるのか?」
「とぼけてなどおりません。噂もご存知でしょう?全て事実ですわ。」
「そうか、認めないんだな。」
「認めないも何も――。全て私のやったことですから。責任は負う覚悟ですわよ。」
「処刑する……と言ってもか?」
「……!もちろん、覚悟はできております。」
「なぜとぼける!?リアナの罪ではないだろう!全部君の取り巻きがやったことなのは分かってる。それを見た時毎回君が悲しそうな表情をしてるのも!全部分かってるんだ!理由を話せ!!」
「理由って――。セレスティアのことが憎いからじゃないですか。私のこと、処刑してくださいよ。」
「リアナ!!どうして嘘をつく……?まるで悪役になりたがってるみたいだ。」
「嘘じゃないわ……。私のこと処刑しなさい……!」
「無実の人間は処刑できないんだ。リアナは何もしてないだろう?」
「しましたよ。たとえ私の取り巻きがやったことだろうと、彼女たちにそれをさせたのは私の責任です。私だって彼女にたくさん悪口言いましたよ?無罪なわけないわ。」
「それでも、彼女達の罪を自分に被せる意味はないだろう……!まるで、処刑されたがってるみたいじゃないか……。」
「私はそれでいいわ。運命だから。」
「自分から罪を被りにいって運命?馬鹿げたこと言うな。……!莉亜?」
「りあって誰ですか。私の名前はリアナよ。間違えないでちょうだい。」
リアナは否定した。でも、莉亜と言った瞬間リアナが動揺したのを見逃さなかった。
「……莉亜?莉亜なのか?」
「……優真くん?」
そう問いかける彼女の声は、さっきまでと違って暖かかった。
「莉亜!優真だよ……!」
「レオン様が優真くんだったなんて――。こんな偶然ってあるのね。」
「あぁ、莉亜のこと助けられて良かった。」
「……!優真くん、巻き込んじゃってごめんね。」
「いいよ、莉亜1人だったら処刑されてたし。」
「……え?」
「……ん?どうしたの?」
「優真くん、私のこと処刑してくれるよね?」
「は?する訳ないじゃん。悪いことしてないでしょ?」
「待って、私せっかく悪役令嬢になれたんだよ。私の夢壊さないでよ。」
「悪役令嬢なりきれてないって。直接傷つけてなかったじゃん。」
「それは――。セレスティアが可哀想でしょ。」
「そんなこと考える人が悪役令嬢は無理だよ――。」
「むぅー!途中まで騙されてたでしょ?」
「途中まで、な。悪役令嬢が莉亜なら、死なせないから。」
「だから、処刑されるためにきたの!私が処刑されないとセレスティアと王子様は結ばれないよ~?」
「そんなのいいよ、莉亜のことも大事。」
「さっきまでセレスティアに一途だったのに――。浮気症だね、王子様は。」
リアナが莉亜。点と点が線で繋がった。リアナがセレスティアを傷つけなかったのは、セレスティアを嫉妬していたわけじゃなくて悪役になりたかったから。罪を全部背負うとするのは、処刑されたかったから。
でも、気づいたからには処刑させない。絶対に、次こそ莉亜を救う――。




