第25話:韻を踏む神々、あるいは世界の著作権
偏屈な知将ガリウスを仲間に加えたショウたち。
ガリウスが読み解いた「石板」の正体は、想像を絶する古代のオーバーテクノロジーでした。
そこに記されていたのは光と闇の戦いの記録。
「――ぷはぁ! 最高の飯に最高の酒、そしてこの肌に吸い付くような作業着……。ショウよ、これこそが真の文明だ」
ガリウスは満足げに鼻眼鏡を押し上げると、俺が差し出した石板を食い入るように見つめた。その瞬間、彼の目が驚愕に見開かれる。
「……おい、これをどこで手に入れた? これはただの石板じゃない。古代の演算機……情報を引き出すためのアーティファクトだぞ!」
ガリウスが石板に魔力を流すと、石の表面に淡い光の文字が浮かび上がった。まるでタブレットPCのように、情報がスクロールしていく。
「……凄いな。だが、こいつは重すぎて、持ち運びには向かんな。据え置き型としてじっくり解析する必要がある」
「そうでもないぞ。重さは本と変わらん」
怪力ショーベルが、当たり前のように言った。
ガリウスは指先で光を操作しながら、眉間に皺を寄せた。
「貴重なアーティファクトに落書きしやがって。……書かれているのは、複数の異世界の言葉……。古いものだ……。全部は読めんが、この一つは……私の研究している言語だ。読めるぞ。……ふむ、これは光と闇の戦いについての記録だな。だが、記述が妙だ。まるで『歌詞』のように、構成されている」
「歌詞……? 内容はどうなっているんですか?」
ガリウスが低く、朗々と読み上げる。
光は傲慢に天を焼き、正義の名で自由を縛る。
闇は深淵に孤独を飼い、恐怖の枷で心を閉ざす。
そして神々は、その争いを特等席で肴にする
「……おいおい、救いがないな。光と闇の戦いそのものが、上位存在のエンターテインメントだと書かれている」
俺の中で、冷めた怒りが沸き起こった。
この世界の戦争も、人々の悲鳴も、あいつらにとってはただの「歌詞」の一節に過ぎないのか。
「……ガリウスさん。その石板、もっと詳しく調べられますか?」
「ああ、もちろんだ! こんな面白い代物、離してなるものか。ショウ、この石板を貸してくれ。……独立都市エトワールの古代図書館にこの言語についての資料があったはずだ……戦禍でどうなっただろうか」
「俺たちは独立都市エトワールの古代図書館を拠点にしてるんです。これから向かいましょう」
「何、古代図書館だと!? 早く言え! すぐに出発だ!ここの資料も持っていきたい!」
ガリウスは牛丼の空き皿を放り出し、狂ったように荷物をまとめ始めた。
こうして、偏屈な知将ガリウスと膨大な研究資料を仲間に加えた俺たちは、ドワーフの廃村を後にした。
29歳、成人男性。
「光」と「闇」が神々の台本なら、俺はその台本を書き換える「演出家」になってやる。
最強の布陣が揃った俺たちの帰還。そこから、本当の反撃が始まる。
第25話をお読みいただきありがとうございました!
石板の正体は古代の端末。そこに記された「光と闇のプロット」に、ショウの怒りが静かに燃えます。
知将ガリウスを迎え、拠点はさらなる知の要塞へ。
次回、お楽しみに。
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※AIとの共同執筆作品となります。




