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第10話 少年、音痴と断言される
「はっきり言う! オマエに音楽の才能はない! あきらめろ!」
翌朝、再び移動を開始したアニエルとアト。ギターの姿に戻ったアトは、アニエルの背中でそんなふうに声を荒げる。
それは、昨夜の食事後――
アニエルが再び曲を聴かせてほしいと頼むので、アトは一曲披露した。その時に「自分も歌いたい!」と彼が言い出したので、歌詞を教えたのだが――
「オマエほどの音痴は見たことがない!」
――らしい。
「なんだよ。ボクだって練習すれば、そのうち上手くなるって」
「そんな次元ではない! 音感もリズム感も壊滅的だ! あれで、よくも吟遊詩人になりたいなんて言ったな?」
「そうだな。将来は王都の王立ホールで歌えるくらい、有名な吟遊詩人になりたい」
「人の話は聞け」
そんなくだらない会話を続けていた二人が同時に「「はっ!」」と声をあげる。何かの気配を感じたからだ。
それも、一人や二人ではない。かなりの人数である。
なにより――
「ねえ、この気配って――」
「ああ、魔族の気配だ」




