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神の山の民  作者: 夢之中
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短剣

2日後の午後、パインとシェリルは武器商人を探すために、

サラティアの町を探索していた。


広場にくると、辺りを見回した。

パイン:「この辺りだと思うんだがな。」

シェリル:「さっきの人の話しだと、あそこの路地じゃあないか?」

そう言って、路地へと入っていく。

この時、はるか後方に2人を監視するように移動する者の存在には気づいていなかった。


路地を進むと奥に1軒の店があった。

その店の前には木でできた剣と盾が飾られていた。


シェリル:「ここみたいだな。」

パイン:「入ってみるか。」

そして、パインとシェリルは、その店の中へと入って行った。

店は、こじんまりとした小さな店だったが、様々な武器や盾、鎧などが飾られていた。

そして、カウンターの奥に店主が一人ぽつんと座っていた。

パインとシェリルは、店の中を一通り見て回った。

あの短剣と同じ種類の武器を探したが見当たらなかった。


店主の傍に近づくと店主に声をかけられた。

店主:「なにかお探し物でも?」

パイン:「じつは、見てもらいたいものがあるのだが、、、」

店主:「はい、なんでしょうか?」

そう言って、パインは短剣を店主に見せた。


店主:「バルディアの紋章が入っているということは、

   バルディア王国で店を開いていた時に、うちで卸したものですな。

   バルディアの紋章入りの武器防具はうちでしか扱っていませんから。」

パイン、シェリル:「!!」


店主:「しばらくお待ちください。」

そう言うと店主は、棚から紐で閉じられた紙の束を取り出した。

それをペラペラと捲った。

店主:「あー、これですな。やはり、うちで卸したものです。」


シェリル:「これは正規の物とは違うようだが、、、」

店主:「はい、これは特別注文ですね。

   海を越えた先にあるコーラルという島で使われている武器と聞きました。」

パイン:「コーラル島か」

パインもシェリルも、その島の名前を聞いたことが無かった。

シェリル:「で、誰の依頼だったんだ?」


店主は、少し考えると、ニヤニヤ笑いながら口を開いた。

店主:「残念ながら、それはお答えできませんな。うちも商売ですのでね。」

シェリル:「ならば、これならどうだ?」

そう言って、シェリルが何かを渡す。

店主は、それを見ると笑顔になって話し始めた。


店主:「注文したのは、王宮でしたが、ちょっといつもと違ったんですよね。」

シェリル:「どのように?」

店主:「いつもと違う人が依頼をしてきたんですよ。

   それも、現金払いで、、、。

   普通は収めたときに頂くんですがね。

   それに、完成したときに取りに来ると言うんですよ。

   最初はおかしいなとも思ったんですが、サラフィム様の名前の入った書状を

   お持ちだったので、お引き受けしたのですが。」

パイン:(サラフィム、、、)

店主は、そう言って紙の束を開いて見せてくれた。

その紙には、サラフィムの名前と共に、店主が言っていた内容が書かれていた。

店主:「うちも商売ですので、それ以上のことは伺わなかったですが、、、。」

2人は、顔を見合わせ、短剣をしまうと、

「急用を思い出した、また来る」といって店を出て行った。


パイン:「ところで、店主がいきなり話し始めたが、いったい何をやったんだ?」

シェリル:「ああ、金を渡したんだ。あいつ露骨に要求してたからな。

     これ以上の話はここではまずい、場所を変えよう。」

パイン:(なるほど、情報を金で買ったというわけか、、、。)

そして、パインとシェリルは、宿屋へと向かった。


パイン達が店をでた少し後で、黒いフード付きの服装をした男が、

店主と話をしていた。

???:「そうか、そのような事を、、、」

そう言うと、その男は店を後にして、2人の後を追って行った。


宿屋に着くと今夜の宿の交渉を行った。

宿泊するには、かなり早い時間だったが、問題なく部屋を貸してくれた。

部屋に入り椅子に腰掛けると、パインが先に口を開いた。

パイン:「やはり、サラフィムが絡んでいるのは間違いなさそうだ。

    しかし、これだけでは、実際に襲撃の指示したのが、

    サラフィムかどうかはわからないな。

    やはり、サラフィムが指示を出した証拠を見つけないと。」

シェリル:「あの2人にかかっているということだな。」

パイン:「ああ、コーラル島というのも気になる。

    そうだ、王立図書館になにか情報があるかもしれない。

    明日、バルディアへ戻ろう。」

シェリル:「ああ、それがいいだろう。」


その夜、サラフィムの私室で、会話する男達がいた。

???:「・・・ということです。」

サラフィム:「なるほど、あの短剣を調べていたのか、、、。

      さて、どうしたものかな、、、。」

バスラ:「いっそのこと闇に葬りますか?」

サラフィム:「いや、まだ動くのは早い。

      魔法に関する品を手に入れてからだ。

      場合によっては、あやつらが必要になるかもしれない。

      もうしばらく、様子を見るのだ。」

???:「わかりました。」


次の日の朝、パインとシェリルは、バルディアへと戻った。


バルディアへ到着すると、王立図書館へと向かった。

2人は、コーラル島の情報を探した。

しかし、バルディアの南の海を越えた先にある小さな島ということと、

人が住んでいること以外分からなかった。

しかたなく、いつもの宿屋へと向かった。


宿屋に着くと、店主に手紙を預かっていると言われ、

それを受け取ると読みながら部屋へと向かった。

部屋に入るなり、シェリルがパインに近寄り耳打ちした。

シェリル:「黙って聞け、誰かにつけられていたかもしれない。」

パイン:「!!」

パインは、すぐに2人の周囲に空気の振動を抑えるイメージを思い浮かべた。

すると、今まで聞こえていた雑音が聞こえなくなった。

パイン:「もう大丈夫、ここでの会話は外には聞こえない。

    外の音も聞こえなくなるのが欠点だけどな。」

シェリルは、山を越えたときのことを思い出した。


シェリル:「そうか、なら、普通に話すぞ。

     この4日間、黒いフード付きの服装のやつを何回か見たんだが、

     背格好からみて同じ人物の可能性は高い。

     尾行されていたと考えるのが妥当なところだ。

     まあ、襲ってこなかったことから見ると、我々の動向を探っているのだろうがな。

     今後の行動は注意したほうがいいだろう。」

パイン:「わかった、明日の夜ゼットがここに来るのだが、どうするかな?」

シェリル:「もう、ばれているかもしれないが、念のため別の方法を考えるか。」

そして、隣の部屋をゼットの名前で予約すると、私を訪ねて来たものに渡すようにと

手紙を預けた。

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