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神の山の民  作者: 夢之中
28/34

試験

ゼットがバルディアの城門に着くと、門番に止められた。

武器類の持ち込みを禁止しているということだった。

持ち物を調べられると、所持していた短剣を預けなければならないと言われた。

ゼット:(ここは従うしかないな。)

ゼットは仕方なく短剣を預け、預かり書を受け取った。

そして警備兵志願だと伝えると、いくつかの質問をされた。

質問に答えると、それを記入した紙を渡された。

そして、それを持って王宮へ向かうように指示された。


指示された場所に着くと、そこには、50人ほどの人々が集まっていた。

その中にはアマゾネスと思われる者もいた。

ゼット:(どうやら間に合ったようだな。)


しばらくすると、審査官が前に立ち、話し始めた。

審査官:「これより試験を行うが、

    一対一で戦ってもらい、その戦いを見て決定する。

    その際、武器類の使用は一切禁止とする。

    結果は2日後に告知され、それまで、官舎に泊まってもらうことになる。

    なお、警備兵になったものは直ぐに実践配備されるのでそのつもりで。

    腕に自信のないものは今すぐ立ち去れ。」

ゼット:(勝敗ではないということか。)


そして、しばらく間をおく。

誰も帰る者がいないことを確認すると、話し始めた。

審査官:「それでは組合せ抽選を行う。」

そして、組合せ抽選が発表され、試合が始まった。


ゼットの名前が呼ばれた。

審査官は、対戦相手のことをアイラと呼んでいた。

あの、アマゾネスと思われる者だった。

シェリルは、どちらかと言うと目鼻立ちがはっきりした美人系のタイプだったが、

彼女は子供っぽさの残る、かわいらしい顔立ちをしていた。

一礼をして試合が開始される。


先に動いたのはアイラだった。

あっという間に合間をつめられた。

ゼット:(こっこいつ、シェリルより早い。)

フェイントを混ぜた攻撃がゼットを襲う。

なんとかそれを避けたが、ゼットは防戦のみだった。

相手の攻撃が早すぎて、チャンスを見出せなかったのだ。

仕方なく、一旦後方へ下がって、仕切りなおしを狙おうとした。

ゼットが後方へ飛んだ瞬間、狙い済ましたように、アイラは合間をつめてきた。

そして、左肩を強く押される。

ゼット:(くそ、やられた。)

ゼットは、バランスを崩し、転がる。

なんとか受身をとって、直ぐに起き上がったが、審査官の声が響く。

審査官:「そこまで。」


完全な敗北だった。

しかし、それは悔しいというよりも、すがすがしかった。


後ろへ下がると、ゼットはアイラに声をかけてみた。

ゼット:「君、つよいね。」

アイラ:「えっ、あなたも強いと思うよ。

    普通の人だったら、最初の攻撃が避けられないもの。」

ゼット:「ところで、君はアマゾネスかい?」

アイラ:「えぇ、そうよ。アマゾネスのアイラ。」

ゼット:「俺はゼット、修行の旅をしている。アルドの血縁者だ。」

アイラ:「えっ、アルドの、、、アルドにそんな人いたかしら?、、、

    ああ、父方の血縁者って意味ね、、、。

    そうなんだ、あの、アルドの、、、強いわけだ。」


そんな他愛も無い会話が続く中、パインとシェリルの話をした。

アイラ:「優勝者の知り合いだったんだ。シェリル姉さんのことも知ってたなんて。

    シェリル姉さんは、元気にしてる?」

ゼット:「あぁ、パインと仲良くやってるよ。」

アイラ:「そっか、私も誰か見つけないとな、、、。」

しばらく会話を続けていると、審査官が審査は終了だと告げた。

結果は2日後に発表されるとのことだった。


ゼットは、アイラを食事に誘ってみた。

アイラを仲間にできないかと考えたのは、もちろんの事だったが、

もう少し話してみたいという気持ちもあった。

アイラはそれを快く受けてくれた。


そして、その日の夜、2人で酒場にいた。

テーブルを挟んで食事をする2人、その会話は笑顔に満ちていた。

すると、ゼットの背後から突然声をかけられた。


???:「アイラじゃないか?」

ゼットが振り向くとそこには、シェリルがいた。

シェリルは、ゼットに気がついたが、何も言わなかった。

アイラ:「シェリル姉さん、、、。

    うあー、久しぶり。ここに座らない?」

シェリル:「ああ」

そういって空いている席に座った。

ゼット:「シェリル、久しぶりだな。」

シェリルは、それに合わせた。

シェリル:「ん?ゼットか?久しぶりだな。いつ以来だったかな?

    そうだ、連れを待たせている。

    よかったら一緒に飲まないか?」

2人は、承諾して2階へと上がって行った。

ここの店は、一階が飲み屋、二階より上が宿という作りになっており、

各部屋が個室になっているため、静かに食事をしたい者のために解放されていた。


二階にあがり扉を開けると、そこにはパインがいた。

3人は、パインのいるテーブルに座ると、自己紹介が行われ、

雑談の中で、明日もここに泊まることを話した。

そして、最後に明日もここに来ないかと持ちかけ、アイラもそれを承諾した。

2人が官舎へと帰ると、パインとシェリルは密談を始めた。


シェリル:「まさか、アイラがいるとは思わなかった。

     アイラには事情を説明して仲間になってもらうしかないだろうな。」

パイン:「これ以上巻き込むというのか、それはまずくないか?」

シェリル:「いや、接触してしまった。すでに巻き込んでしまったということだ。

    アイラが知っていようがいまいが、接触があった事を知れば、

    仲間だと疑うだろう。

    逆に何も話していなければ、何も判らずに襲われるかもしれない。

    話さないほうが危険だ。」

パイン:「確かにそうだな。で、彼女は仲間になってくれるだろうか?」

シェリル:「アイラの性格からして、たぶん大丈夫だと思うが、、、。

     これは、私の役割だ、なんとかする。」


次の日、パインとシェリルは、元武器商人を探していた。

元というのは、武器の規制が入り、販売が禁止されていたからだった。

捜索は難航したが、その家族と思われる者を見つけることに成功した。

家族の話によると、武器商人はサラティアへ行ったとのことだった。


そして、その日の夜、2人が部屋を訪ねてきた。

シェリルは、大事な話があると切り出した。

そして、今までのことを話した。

アイラ:「へー、裏ではそんなことがあったんだ。

    それにしても、そのサラフィムと言うやつは、とんでもない悪党ね。

    そいつの悪事を暴く正義の味方ってことか、、、。面白そうね。

    で、私は何をすればいいの?」

シェリル:「アマゾネスの意に反することもあるかもしれないぞ。

     それでも、手伝ってくれるか?」

アイラ:「悪事を正すためでしょ、もちろん手伝う。」

シェリル:「そうか、ありがとう。」

パインは、アイラの体格とその話し方がしっくりこないと感じながらも、

黙って聞いていた。


アイラ:「で、何をすればいいの?」

シェリル:「差し当たって、今は特に無いんだ。

     まずは、警備兵として採用されることが目標だ。」

アイラ:「そうだったんだ。んー、とりあえず、私は大丈夫だと思うけど、ゼットがね。」

ゼット:「面目ない。いいところを見せられなかった。」

アイラ:「審査官が強ければ、たぶん大丈夫だと思うんだけど。

    審査官の力量までは、わからないしね。結果を待つしかないか。」

ゼット:「そうだな。」

シェリル:「すまんが、明日もここに来てくれ。

    明後日には、私とパインは、サラティアへと向かう。

    その前に話をしておきたい。」

そして、次の日、警備兵採用の告知があった。


アイラの名前は、一番上にあり班長として採用されていた。

ゼットも名前も真ん中の下辺りにあった。

その後、審査官より様々な説明があり、明日から警備開始と告げられた。


その夜、2人はパインとシェリルの部屋にいた。

シェリル:「なるほど、警備は2人1組で行われるのか。

    で、日によって組合せが変わるということか。

    これは、2人が班長でなくてよかったではないか。

    それだとゼットとアイラが同じ組合せにならない。」

ゼット:「そうだな。」

ゼットは、釈然としなかったが、これで良かったと思い込むことにした。


パイン:「よし、2人が同じ班の時に、サラフィムの部屋を調べてみてくれ。

    私は、シェリルと紋章の入った短剣の調査を行う。」

そして、4人はお互いの成功を祈って、エールを口にした。

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