将軍暗殺
昼ということもあり、真っ先に食堂へと向かうと、
シェリルが丁度食事をもらっているのを発見した。
パインは自分も食事をもらうと、シェリルの横に立った。
パイン:「シェリル隊長、相席よろしいでしょうか?」
シェリルは声のするほうを見上げた。
シェリル:「パインか、かまわんぞ。」
パイン:「ありがとうございます。」
パインは隣に座ると食事を始めながら話し出した。
パイン:「サラティア国なのですが、あそこは君主制ではないのですね。」
シェリルはびっくりすると小声で言った。
シェリル:「その話はこの場ではまずい。食事が終わったら私の部屋へ来い。」
そういうと、さっさと食事を済ませ。食堂を出て行ってしまった。
パイン:(やはり何かありそうだな。)
パインも急いで食事を済ませると、シェリルの部屋へと向かった。
シェリルの部屋の扉をノックするとすぐに返事が返ってきた。
シェリル:「開いている、入れ。」
中に入るとシェリルが座っていた。
シェリル:「まあ、座れ。」
パインは椅子に腰掛けると、シェリルの口が開くのをまった。
シェリル:「パイン、サラティア国が侵攻を企てたということに疑問を持ったのだな?」
パイン:「その通りです。」
シェリル:「そうか。」
そういうとゆっくりと話始めた。
シェリル:「これから話すことは軍事機密になる、お前は副隊長であるから
知っていても問題は無いが一切の他言は禁止する、わかったな?」
パイン:「判りました。」
パインはうなずくと次の言葉を待った。
シェリル:「戦争が始まる少し前、私が弓矢隊の隊長になってすぐの頃だ。
1人の保守派の将軍が暗殺された。」
パイン:「えっ!!」
パインは驚いた。
シェリル:「黙って聞け!!」
シェリル:「公には病死ということになっているが、寝ているところに心の臓を一突きだ。
宮廷は大騒ぎとなった。各部隊の隊長が呼び出され、内密に目撃者探しが行われた。
しかし目撃者は居らず迷宮入りかと思われた。
そのとき、不審者を捕まえたという1人の大男が現れたのだ。
大男は肩に猿轡を噛まされ手足を縛られた見慣れぬ男を担いでいた。
衛兵に通され、将軍の前に行った所で担がれていた男が突然暴れだした。
大男は暴れる男を床にたたきつけたのだ。不審者と思われる男は死亡した。
この後、この不審者の服装がサラティア国のものであることが判明した。
さらに懐から血のついた短剣が発見されたというわけだ。
この件は、国家間の問題に発展するおそれがあるため、
軍事機密として処理されることとなった。
驚くべきことにサラフィムはこの件を事前に占っていたと聴いている。
しかし、私はアマゾネスだ。占いなどというものを信じておらぬ。
裏には、からくりがあるに違いない。
ちなみに、その大男というのがバスラ隊長だ。
バスラはその功もあって傭兵隊長の任を手に入れたのだ。
まあ、バスラは隊長としての資質を持っていたというのも否定できないがな。」
パイン:(なるほど、糸が繋がってきたようだ。
サラティア国を手に入れよう考えたサラフィムがバスラを使い将軍を暗殺させた。
バスラは見返りに将軍の地位を手に入れようとしている。
というところだろう。)
シェリルは話を続けた。
シェリル:「サラフィムの占いにはこの暗殺者の国がバルディア王国を滅ぼすと書かれていたのだ。
将軍達の会議は昼夜とわず何日も行われた。
発言力のある保守派の将軍が殺されてしまったため、
武闘派の将軍達に押し切られるようにこの戦争が始まったというわけだ。
この件はこれで全てだ、軍事機密であることを忘れないように。」
パイン:「承知しました。」
パインはそういうと席を立ち部屋を後にした。




