宮廷祈祷師
その日の夜、パインは宮廷に侵入した。
夜回りの兵は少なく、なんら苦労することは無かった。
パインは足の周りの空気の揺れを抑えることによって足音を消していた。
廊下を進んでいくと一つの扉の向こうから人の話し声が聞こえてきた。
パインは聞き耳を立てた。
???:「順調に進んでいるようだな。」
???:「はっ、サラティアが落ちるのも時間の問題かと。」
パイン:(ん?この聞き覚えのある声は、バスラか?)
???:「そうか、我々の計画も大詰めだな。
これで一族の悲願にも一歩近づくというものよ。」
???:「さて、そちが前線に着いたときに2人の将軍の1人が病に倒れているはず。
もし2人とも健在であった場合は、これを渡すのだ。」
バスラ:「これには何と?」
???:「お前を交渉の使者に推挙する旨の占いが書いてある。
しかし、これを使わないほうが効果があがるのだ。」
バスラ:「わかりました。」
バスラ:「サラフィム殿、成功の暁には、将軍として召抱えていただける話、頼みますぞ。」
サラフィム:「わかっておる、王は私の占いを信じきっている。造作も無いことよ。」
バスラ:「それにしても、サラティア国を自分の物にしようなどとは誰にも想像できぬことですな。」
サラフィム:「バスラ、口を慎め、その話はするでない。」
バスラ:「申し訳ありません。」
パイン:(サラティア国を自分の物にする?そのようなことが可能なのか?)
バスラ:「ところで、ちょっと気になる者がおりまして。」
サラフィム:「なんだ?重要な話なのか?」
バスラ:「いえ、気にかかる程度なのですが。」
サラフィム:「なら、捨て置け、私も忙しいのだ。」
そのときパインは人の気配を感じ取り、その場を後にすることにした。
自室に戻りベットに横になるとパインは考えた。
パイン:(はっきりしたのは、今回の戦争はサラフィムが裏で糸を引いているということだけか。
それにしても、一族の悲願とはなんなのだ?
どうやってサラティア国を自分の物にするというのだ?
それに、バスラが言っていた気になる者というのは?
不明なことが多すぎる。)




