潜入
エンクロウズ村では魔法の卓越したものを外に出し外界の情報を取得することを計画した。
その任務にパインと呼ばれる若者が選ばれた。
任務の内容は主に外界の情勢取得であるが、100年前の異端者狩りの首謀者は誰だったのか
というものも含まれていた。
魔法を使える者にとって山を越えることは容易だった。
パインは山を越え洞窟の入り口に到着した。
そこには巨大な石の蓋があり、まさに封印という言葉がぴったりだった。
記録にあったボトム村は、存在していなかった。
南に向かうと、初めて外界の人と出会った。
話してみると、彼らはグルーム族という狩猟部族の者だった。
・南には、バルディア王国がある。
・バルディア8世が収めている。
・階級が存在し、下級の人々は奴隷(?)として扱われている。
・バルディア王国は、大陸で1,2を争う大国である。
・隣の国と交戦中である。
・兵士は、甲冑を着込んで、剣や弓を使う。
・バルディア王国の傭兵依頼の連絡を族長に伝えにいくところだ。
という情報がえられた。
パインは、己が目で確認すべく更に南に向かうことにした。
南に向かうと城壁で囲まれた町のようなものが見えた。
城壁の奥には、巨大な建物見える。
城壁の周りを歩いていくと、すぐに門と思われる入り口があった。
城門は開いていたが、門番が2人立っていた。
パインは、とりあえず門番と話してみることにした。
門番:「傭兵志願の者か?」
パイン:(話を合わせておいたほうがよさそうだな。)
パイン:「ああ、そうだ。」
門番:「あんたは、どこの部族のものだ?」
パイン:(部族か、グルーム族ということにしておこう。)
パイン:「グルーム族だ。」
門番:「名前は?」
パイン:「パイン。」
門番は、紙に何かを記入するとそれを手渡した。
門番:「右の扉に入って傭兵隊長に傭兵志願だと言って渡せ。」
パイン:「ありがとう。」
パインは城壁の内側に潜入することに成功した。
パインは、とりあえず傭兵として雇われれば調査がしやすくなると考え、
傭兵隊長のところへ向かった。
傭兵隊長は、厳つい顔をした大男だった。
傭兵隊長:「なんだお前は?」
パイン:「傭兵に志願したいのですが。」
傭兵隊長:「そうか、雇用期間は一ヶ月だ。
優秀なら一ヶ月毎に更新してやる。
それでよければ、それを渡せ。」
先ほど渡された紙を手渡す。
傭兵隊長:「ほう、グルーム族か、それなら弓は得意だな。」
パインは弓はそれほど得意ではないが、魔法で軌道修正すれば何とかなりそうだと考えた。
パイン:「それなりには。」
傭兵隊長:「よし、ついて来い、ちょっと見せてもらおう。」
パインは、傭兵隊長の後に続いていった。
傭兵隊長:「ここだ。」
そこは弓の練習場のようだった。
壁側には、さまざまな弓が立て掛けられている。
傭兵隊長:「すきな弓を選べ。」
パインは一つ一つ手に取り自分でも扱えそうな弓を選んだ。
傭兵隊長:「ほう、グルーム族にしては、よわよわしい弓を選ぶんだな。」
パイン:「見ての通り、グルーム族でも小柄なほうなので。」
傭兵隊長:「よし、あの的を撃ってみろ。」
傭兵隊長は的を指差した。
パイン:(むっ、これは小さい、いや遠いのか、やるしかないな。)
パインは、矢をつがえ弓を引き絞ると精神を集中した。
すぐに効果が現れた、矢先から的までの間に1筋の風の道が完成した。
その瞬間矢を放った。
矢は一直線に進み、的の中心に刺さった。
これはエンクローズ村での狩で使われている方法でもあった。
魔法で高速移動させることが出来ないため、矢の軌道に働きかける方法が考案された。
矢自体の飛距離や威力が低下するもものイメージした場所に的確に命中させることが可能だった。
それを見ていたが傭兵隊長は、ちょっといぶかしげな顔をすると。
的の方へ歩いていった。的から矢を抜くと矢をしげしげと眺めながら戻ってきた。
弓を貸せという言い、弓を奪い取るように持つと何回か弓を引く。
パイン:(しまった、矢を一直線に飛ばしてしまったのを気がつかれたのか?)
通常矢は山形に飛ぶのだが、魔法で山形に飛ばすことはできなかった。
その後、普通の顔に戻り口を開いた。
傭兵隊長:「ほう、これはこれは、弓の名手だったとはな。」
パイン:(どうやら、見間違えと思ってくれたようだ、これは気をつけなければ。)
「合格だ、、、さて、ちょっと賭けをしないか?」
パイン:「賭けだと?」
傭兵隊長:「ここにある弓を引き絞ってみろ。
これは、わしの弓だ。
できたら弓矢隊の副隊長にしてやる。
ただし、できなかったら毎月の報酬を半分に減らす。
副隊長は、倍の報酬だぞ。
どうだ?」
パインは弓を眺め愕然とした。
パイン:(これはでかい、通常の弓の倍以上だぞ。さて、どうする?
副隊長ならさらに動きやすくなりそうだが。)
パイン:「本当だろうな?」
傭兵隊長:「ああ、本当だ。」
傭兵隊長:(まあ、どうせこんな優男に引けるとは思えんがな。
引けなかったら懐が潤う、万が一引けたとしても、
優秀な部下として使えるわけだ、損はない。)
パイン:「わかった、やってみよう。」
パインは弓を手にとった。
パイン:(うっ、重い、これは魔法を使わないと無理だな。)
パインは意識を集中した、するとあれだけ重かった弓が嘘のように重さを感じない。
傭兵隊長:「ほう、わしの弓を持っても微動だにしないとは。」
さらにゆっくりと弓を引き絞る。
傭兵隊長の顔が青ざめる。
傭兵隊長:「まっ、まさか!!わかったもういい、おれの負けだ。」
パインはゆっくりと弓を戻すと、傭兵隊長に手渡した。
その後、武器装備を提供され、部屋を与えられた。
こうして弓矢隊副隊長として潜入することに成功した。




