第3話 転生
転生できる穴に飛び込んで数分くらい経ったが、いまだ視界が黒くて体があまり自由に動けずにいた。
う~ん、視界が暗くて自由に動けないが、もしかして異世界転生したのか?
そう思いながら動けずにいると、頬につつかれる触感が感じ出す。
もしかして誰かが俺の頬をつついているのか?
そう思いながらゆっくりと目を開けると、最初に映るのはきらめく光りだ。
うわっ!? ずっと視界が暗かったから、すごく目に負荷かかりそうだな!
いきなりまぶしさに驚きながらうめいてしまう。
「うぅ、だぁ……」
「あら、ちょっと起こしちゃったのかしら?」
俺は舌足らずに言い、母親らしき女性の声が聞こえだす。
まだまぶしくて見えないが、さっき頬をつついてきたのも母親らしき女性なのか?
そう思っているとまぶしさが和らいでいき、景色が見えだしてくる。
目の前に移るのは木製の天井につるされるランタン、俺を見てくる茶髪のボブカットの女性がいた。
この人が俺の第二の母親なのか?
というか第一と第二って、変な例えしているようで少し変だと感じてしまうな。
そう思っていると茶髪の女性は俺を抱えながら言う。
「ウフフ、いつ見てもグレイは可愛いわねぇ」
茶髪の女性はそう言いながら俺を可愛がり、俺の頭を優しくなで始める。
なんだろう……見た目は赤ん坊だけど中身は35歳の男が茶髪の女性に可愛がられるなんて、すごく複雑な心境だ。
そんな複雑な気持ちを抱えていると、奥から少しこげ茶の短髪をした男が出てきた。
この人が俺の父親だろうか? 図体はちょっと大きいが、人柄が良さそうな雰囲気をしていた。
そう思っていると男は俺を見て、少し近づいて来てから言う。
「ベル、僕にもグレイを抱かせてくれないか?」
「分かったわ、アルモさん」
アルモと言う男はそう言うと、ベルと呼ばれた女性は返事をしながら、俺をアルモに向ける。
アルモは俺を慎重に抱えて言う。
「我が息子さながら可愛いなぁ~」
「えぇ、将来は美人さんになりそうねぇ」
アルモの言葉にベルはうなずきながら言う。
俺はこの二人を見て仲が良さそうだなと感じ出す。
それにさっき俺のこと可愛いとか言っていたが、誰だって赤ん坊は可愛いものじゃないのか?
そう思いながら見ているとアルモの瞳を見て驚く。
アルモの瞳に移るのは白い頭髪をした赤目の赤ん坊がいて、直感的に俺だと気づく。
オイオイ、二人とも軽く言えば茶髪でブラウンの瞳なのに、俺は白髪でクリムゾンの瞳をしているぞ!?
もしかして二人の子供じゃないのか? でももしかしたら隔世遺伝によって、この容姿になったかもしれない可能性があるからな。
確定出来ないが、もしかしたら俺は二人の子供じゃないことを脳の片隅に置いておこう。
そう思っているとベルは何かを思い出して言う。
「あっ、そういえばミルクパウダーはどうだった?」
「あぁ、それならダイニングに置いてあるよ」
ベルの質問にアルモは答え、ベルはダイニングに向かっていく。
さっき言っていたミルクパウダーって、俺の世界にある粉ミルクに近い何かなのか?
そう思っているとアルモは俺の頭をなでる。
う~ん、ベルがなでた時はしなやかで撫で心地は悪くなかったが、アルモに撫でられると指のゴツゴツさで強く撫でられたと誤解しそうだな
そう思いながら撫でられていると、ベルが哺乳瓶みたいな物を持ってきながら来た。
中には白い液体が入っており、それを見たアルモは撫でるのをやめて、ベルが俺を優しく抱く。
すると手に持つ哺乳瓶の口先を俺の口に向け、中身を飲ましてくる。
哺乳瓶の中を満たしていた液体の味は人肌くらいの温かさで、正直言って味は大丈夫だが飲み心地は最悪だった。
うぇぇぇ! 赤ん坊ってこんな飲み心地最悪なのを飲んでいたなんて、称賛を送りたいほどだ。
正直吐き出したい気持ちだが、二人に迷惑をかけたくはないから我慢して飲むしかない。
そう思いながら作り笑いをしながら哺乳瓶の中身を飲み干す。
すると口からゲップが出てしまう。
「けふっ……!」
「アラ、おいしく飲んでよかったわ」
ゲップを出してしまうと、ベルはそう言いながら哺乳瓶を離し、哺乳瓶をアルモに渡してから俺をベビーベッドに戻される。
なんかベビーベッドに横にされると、急に眠気が……。
そう思いながらまぶたをゆっくり閉じる。
***
あれから五年くらい経った。
俺はいまウーラス山の草原で仰向けになっている。
あれから五年くらい経って文字を読み書きや、計算をしたりすることになった。
俺が生まれた村はエアー村と呼ばれ、特徴としては山からとれる山草や鉱石を特産品にしており、商人が休憩所や取引の場にしている。
この世界の歴史はまだ知らないが、今知っているのはスラヴ教と呼ばれる宗教があるくらいだ。
マァ、内容はあまり知らず、名前しか知らないからな。
そう思いながら起き上がり、何もない空間に手をかざして叫ぶ。
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