第11話 カーバンクル戦
矢が肩に刺さった巨獣は痛みで目を覚まし、俺を見て叫ぶ。
「ギャォォォォ!」
俺は巨獣の雄叫びに威圧されながらツルハシを握り構える。
くっ、どこのどいつが攻撃したのか分からないが、今はこいつをどうにかしないと最悪しんでしまう!
そう思いながら『肉体能力強化』の画面を開き、俺は瞬発力を選択して盾を蹴って飛ぶ。
助走なしだが、一か八かで湖の浜辺に着地できるはず……。
そう思っていると湖の浜辺にうまく着地することが出来、ずぶ濡れにならずにホッとする。
しかし巨獣は俺に向けて額にある宝石が光って、雄叫びを上げる。
「ギャォォォ!」
そう叫ぶと額の宝石から中くらいの火の玉が放たれ、俺は即座に火の玉を回避する。
あぶねぇ! 直撃したらジ○リに出てくる黒こげのまん丸生物になってしまうじゃねぇかあ!
心の中でそうツッコみつつ火の玉が通った道を見ながら、足に力を込めて走る。
とにかくこいつがどんな魔物なのか知らないといけない!
そう思いながら走っていると、巨獣は逃せたりしないとばかりに追いかけてきた。
瞬発力が上がっているとはいえ、図体に似合わぬ速度で追いつかれてしまう。
そう思いながら全力で走っていると、巨獣の額が黄色に光りだし、そこから石の槍が生み出される。
俺はそれを見て気づく。
カーバンクルは額にある宝石から魔法を放つと書いていて、巨獣が火の玉や石の槍を生み出したからカーバンクルかもしれない。
そう思いながら再び『肉体能力強化』の画面を開き、素早く瞬発力から俊敏性と筋力に変える。
このまま逃げても拉致があかないし、並の冒険者がかなわないかもしれない!
そう思っていると巨獣もといカーバンクルが俺に向けて石の槍を放つ。
俺はツルハシを強く握り、襲いかかる石の槍に向けて振り下ろす。
一か八かだが、何もしないよりましだ!
そう思いながらツルハシを振り下ろすと石の槍を砕き、そのままカーバンクルに向かって走る。
それを見たカーバンクルは動きを止め、額の宝石が赤と緑に光り出す。
最初は火の玉、次は石の槍、赤が火で緑が風なのは分かるが、今すぐ小魔盾を展開しないとマジで灰になっちまう!
命の危機を感じ取った俺はツルハシを右手だけ放して、右手に魔力を流して詠唱する。
『無力神トリグラフの名の元に命ずる。攻撃を防ぐ魔力の盾を生み出せ! 小魔盾!』
詠唱し終えると右手の前に盾は展開され、俺は身を屈めて盾の防御範囲内に入る。
盾の防御範囲内に入るとカーバンクルの額から炎の竜巻がうねりながら放たれた。
俺は盾に魔力を流して強化し、炎の竜巻に壊れないようにする。
もし盾が壊されたら俺は間違いなく灰になってしまう。
そう思っていると炎の竜巻が盾にぶつかり、熱風と風圧が襲いかかる。
俺は襲いかかってきた熱風と風圧に歯を食いしばって耐える。
ぐぅぅぅ……何て熱さだ! 歯を食いしばっていないと熱さでやられてしまいそうだ。
そう思いながら耐えているとカーバンクルの額が再び黄色になり、石の槍が生み出された。
俺はそれを見ていやな予感を感じる。
まずい、石の槍が炎の竜巻を通じて放たれたら、穴を開けられてしまう!
そう思うとカーバンクルが石の槍を炎の竜巻に向けて放つ。
石の槍は炎の竜巻の中心で回転し、ドリルのように旋回して俺に襲いかかる。
俺はそれを見て盾に流す魔力をさらに多く流し、硬度を高めていく。
ドリルだと心ともないかもしれないが、出来る手は全部使うまでだ!
そう思っていると石の槍の先端が縦に当たり、そこから火花が散りだしてきた。
俺は盾に魔力を流しながら考える。
クッ……石の槍がドリルのようになっているから、気を抜いたら貫通されてしまいそうだ!
そう思いながら魔力を流しているとカーバンクルが旋回している石の槍を強く押し出す。
旋回する石の槍が強く押し出されたことで、盾にヒビが入り始める。
俺はそれを見て背筋に悪寒が走り出す。
まずい、強く押されたら壊されてしまう! こうなったら炎の竜巻が消えるまで耐えるまでだ!
そう思いながら俺は大声で叫ぶ。
「うぉぉぉぉぉぉ! 絶対に耐えてみせる!」
俺はそう叫びながら大量の魔力を流し、全力で炎の竜巻と石の槍を防ぐ。
カーバンクルが俺の熱気に驚き、石の槍を押す力を弱めて行く。
それを見た俺は瞬時に足に力を込め、盾を力強く押し出す。
俺は腹や足から力を込めて叫ぶ。
「ハァ!」
そう叫びながらシールドバッシュを放つ。
ゲームでよく見る盾職の技を真似て放ってみたが、上手く決めれたぞ!
そう思っていると炎の竜巻と石の槍が明後日に弾かれて、カーバンクルは驚きながら後ろに下がり出す。
「ギュァッ!?」
俺はそれを見て盾を解除し、ツルハシを持ってカーバンクルの懐に入る。
戦うときはいつも頭部を狙っていたが、今回は喉元や心臓を狙う!
そう思いながら腕に魔力を流してさらに腕力を強化し、カーバンクルの喉元や心臓に向けて強く振り下ろす。
ツルハシの鋭い先端が空を裂き、カーバンクルの心臓に深く刺さる。
皮と肉をさし貫く触感が手に伝わり、刺し傷から血が噴水のように噴き出し、それを頭からべっとりとかぶってしまう。
俺は生臭さと獣臭で眉をひそめ、一瞬ツルハシを掴む手を緩んでしまうが、歯を食いしばって耐える。
臭さと気色悪さで力が緩みそうだが、ここで緩んだら追撃が来るかもしれない!
そう思いながらツルハシに力を込めてさらに深く突き刺して行くと、さらに大量の血が吹き出して行く。
カーバンクルは心臓に深く刺された事にもだえ苦しみだして、悲鳴を上げる。
「キェェェェェ!?」
カーバンクルはそう叫びながら鋭い爪でを振り下ろそうとするが、瞳の光りが消えると鋭い爪を振り下ろされる事無く後ろに倒れる。
俺はそれを見てほっとする。
良かった……ダンジョンはボスを倒せば消滅してしまうが、小規模だと別のボスが発生するから問題ないからな。
そう思いながら倒れたカーバンクルの死体を『アイテムボックス』に収め、血まみれになった服と体を湖で洗う。
このままダンジョンから出たら両親や村の人たちに質問攻めされる恐れがあるからな。
そう思いながら服や体を洗い、服が乾くまでしばらく待つ。
それにしてもさっき攻撃した奴は何者だったんだ? 姿が見えなかったが、明らかに敵意を持っていたはずだ。
どんな敵に攻撃できるように戦力を上げるようにしないとな。
そう思いながら服が乾くまで待つ。
乾いた後は乾いた服を着て、奥にあった『転移の翼石』で出発地点に戻り、そのままエアー村に向かって帰る。
ボックス内にある素材は後で見せておくか。
そう思いながらエアー村に着き、そのまま自宅に向かって帰る。
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