第7話 真実
元々、仲間と親しかったわけじゃない。
指示があれば、同じ任務に出るだけの関係だった。
そんな中、事件が起きた。
戦場に、あのじじいが現れた。
当然のように俺が当てられ、じじいからの攻撃を防ぐ。そして、反撃する。
いつも通りだと、思っていた。
次の瞬間、じじいとは別の方向から、魔法が飛んできて、隣の仲間を貫く。
血が。
目の前に飛び散った。
「!」
目の前で倒れる仲間を見ながら、反射的に攻撃が飛んできた方向に魔法を放つ。
しかし、すれ違うように再び飛んできた次の攻撃で、さらにもう一人の仲間が吹き飛ばされた。
瞬時に防御魔法に切り替える。
じじいの方に視線を走らせると、にやりと笑みを浮かべ、引き揚げていった。
二名の仲間を失ったが、事態は収束。
本来ならそれで終わるはずの話。
なのに。
『本当は助けられたのに、スガルは助けなかった』
噂が流れた。それからはあることないこと、尾ひれがついていった。
『死んだ仲間はスガルを嫌っていたから、見殺しにした』
『仲間を仲間とも思っていない』
『ただ、力をふるいたいだけ』
噂とは関係なく、俺自身、仲間を目の前で亡くしたのは初めてだった。
なぜ守れなかったのか、と自問自答した。
『敵の不意打ちに気付けなかったから』
理由はそれだけ。
だが、俺には受け入れ難い事実だった。
特に死亡した仲間の遺族は、戦闘部にまで乗り込んできた。
「なぜ助けてくれなかったの!」
と泣き叫ばれ、罵られた。
戦闘員である以上、自分の身は自分で守らねばならない。
そんなこと言われる筋合いはないと思ったが、言うことはできなかった。
遺族の心情を思えば、誰かが聞いてやるべきなのだろう。
だから、何も言い返さなかった。
ただ、立ち尽くし、聞いていた。
その場を収めるには最善だったが、それが噂に拍車をかけたのは否めなかった。




