第4話 任務
初めての任務は、思ったよりすぐだった。
東の王国の魔法使いが、俺たち西の国へ越境したという。国境警備隊では対応しきれないと、俺が指名された。
戦闘部なら俺一人で向かわされるところだが、楓の指示でルカを連れて行くことになった。
「よろしくお願いします」
国境へ向かう前に、ルカは礼儀正しく声をかけてきた。
「お前も災難だな。俺と任務なんて。」
なんだか青年が気の毒になって、そう返した。
「誰と任務になっても、ベストを尽くすだけです。」
ルカは表情一つ変えない。
俺には少し、真っ直ぐすぎる。
◇◇◇
国境へは転移魔法で一瞬で移動した。
警備隊の隊長は、俺の顔を見ると、一瞬表情が固まった気がする。
こんなところまで、噂が届いているのだろうか。
しかし、何も言われることはなく、隊長は説明に入る。
「敵が基地に侵入し、機密情報を持ち出そうとしているところを発見した」
「盗られたのか?」
俺の言葉に、隊長は首を振る。
「情報は無事だ。兵士が数名負傷しただけだ」
「……それで、敵は?」
「髭の老人と、若者の二人だ」
「二人だけ?」
「あぁ。老人の方が手練れで、捕まえられなかった。今は逃走し、近くの森にいる」
手練れ。
俺が呼ばれたのはそのじじいがいたからだろう。
「どうして森にいると分かるんですか?」
ルカが質問すると、隊長は渋い顔をした。
「応戦できるものがうちにはいなかった。増援が来るまでの監視は継続している。今から言う場所に向かってほしい」
隊長は地図を取り出した。




