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最強の魔法使いが排除された、その後  作者: tukinami


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第3話 療養部

 療養部の執務室に行くと、3人の職員がいた。一人は見知った顔だった。

 

「部長の楓です。昔は戦闘部に居たから、顔ぐらいは知ってくれているのかしら」

 

 楓の挨拶に、俺は頷く。

 

「存じ上げています。今日から療養部に配属になりました、スガルです。よろしくお願いします」

 

 軽く、頭を下げた。

 

「ほら、みんなも自己紹介して!」

 

 楓がそう言って、ほかの2人も仕事の手を止めた。 

 

 栗色の長い髪が印象的な女性が最初に口を開く。

 

「私はトーコです。よろしくお願いします」

 

 トーコの顔に作り物の笑顔が張り付く。

 

「俺はルカです」

 

 中性的な青年が言った。

 

 2人とも並外れた魔力を持っている。

 彼らの立ち振る舞いは、これからも前線に立つ覚悟のある者のそれだ。

 

「療養部は……病人や怪我人が配属される部署と聞いていたんですが」

 

 彼らのような人がいるのは違和感がある。

 その疑問に、楓はすぐに答えた。

 

「創設時はそうだったのよ。でも、よその部署に恩を売るために、うちも戦力を持っておくべきだと思ったの」

 

 そう言われれば、たまに戦闘部にも応援が来ていたような気がする。

 

「あと、ほかにも数人いるわ。スガルも戦力としてカウントしているからね、よろしく!」

 

 ねっ、と微笑む彼女には、有無を言わせない貫禄がある。

 

「よろしくお願いします」

 

 軽く頭を下げた。

 

(まだ戦える)

 

 戦場から干されたと思っていたから。

 

 彼らは、それ以上何も言わなかった。

 俺の噂を知っているはずなのに。

 

 真実を話す気はないのか。

 

 戦闘部の上官たちの言葉が脳裏によぎる。

 それでも、口を開くことはできない。

 

 俺は、うまく説明する術すら持っていなかった。


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