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第4話「初めて交わした約束」


いつも本作品をお読みいただき、ありがとうございます。


プロローグ第4話では、合同レッスンを終えたメンバーたちと一眞が、少しずつ距離を縮めていく様子を描いています。


トップアイドルとして活躍する彼女たちですが、その素顔は年頃の女の子たち。


笑い合い、何気ない会話を楽しみながら、一眞との絆も少しずつ深まっていきます。


そして、物語の最後には、この先の恋物語へとつながる小さな”始まり”も描かれています。


ぜひ最後までお楽しみください。



合同レッスンが終わりを迎えようとしていた。


「ありがとうございました!」


四十人の声がスタジオいっぱいに響く。


講師陣も満足そうに頷いた。


「今日はここまで。」


その一言で緊張感が解け、メンバーたちは深いため息をつく。


「終わったぁ!」


「今日も疲れた!」


「でも楽しかった!」


笑顔がスタジオに戻ってきた。


一眞も自然と拍手を送る。


「みんな、本当にお疲れさま。」


その言葉に、何人ものメンバーが笑顔を向けた。


「ありがとう!」


「一眞くんにそう言われると嬉しい!」


「また見に来てね!」


その時だった。


「一眞。」


姉の沙織が声を掛ける。


「少し時間ある?」


「あるよ。」


「じゃあ、みんなも集まって。」


「はーい!」


四十人のメンバーが円になるように座った。


一眞も沙織の隣へ座る。


沙織は全員の顔を見渡してから話し始めた。


「みんなには改めてお願いがあります。」


スタジオが静かになる。


「一眞は高校生です。」


全員が頷く。


「だから普通の高校生活を送らせてあげたい。」


「……。」


「学校では、この関係は秘密。」


「もちろんです。」


花音が真っ先に答えた。


「私たちは絶対に話しません。」


「SNSにも書かない。」


「写真も載せない。」


「偶然学校の近くで会っても声を掛けない。」


次々にメンバーが口にする。


沙織は優しく微笑んだ。


「ありがとう。」


その時、一眞も立ち上がった。


「僕からもお願いします。」


四十人の視線が集まる。


「みんなが頑張ってることも、今日見たことも、全部外では話さない。」


「一眞くん……。」


「みんなは僕にとって大切な人たちだから。」


その言葉に、何人ものメンバーが嬉しそうに笑った。



その後。


控室で軽食を食べながら談笑していると、一人の少女が一眞の前へやって来た。


HONEY BLOOMの


一ノ瀬花音。


「一眞くん。」


「どうしたの?」


「これ。」


差し出されたのは、小さな袋だった。


「手作りクッキー。」


「え?」


「昨日焼いたの。」


「僕に?」


「うん。」


一眞は驚いた。


「ありがとう。」


「学校でも食べられるように個包装にしてあるから。」


「すごい……。」


「感想聞かせてね。」


そう言って花音は照れ笑いを浮かべながら戻っていく。


それを見ていた他のグループのメンバーが笑った。


「ずるい!」


「花音だけ先に渡してる!」


「私も今度作る!」


「私はお弁当!」


「私はおすすめのお店教える!」


「順番順番!」


スタジオはまた笑いに包まれた。



帰り道。


一眞と沙織は並んで歩いていた。


「今日はどうだった?」


沙織が尋ねる。


「すごかった。」


「うん。」


「テレビでは分からない努力を見た。」


「それが本当のアイドルだから。」


「……。」


「華やかな世界ほど、見えない努力が多いの。」


一眞は静かに頷いた。


今日見た景色は、一生忘れないだろう。


汗を流し、何度も失敗し、それでも笑顔で立ち上がる彼女たち。


だからこそ、多くの人を笑顔にできるのだ。


「姉ちゃん。」


「なに?」


「みんな、本当にすごいね。」


沙織は少し誇らしそうに笑う。


「自慢の子たちだからね。」



その頃、スタジオでは――。


メンバーたちが帰り支度をしながら話していた。


「一眞くん、変わらないね。」


「昔から優しい。」


「礼儀正しいし。」


「芸能界に染まってないところが好き。」


「高校生活楽しそうだった。」


「また来てくれるかな。」


そんな話をしている中、一人だけ静かに窓の外を見つめている少女がいた。


その視線の先には、沙織と並んで歩いて帰る一眞の姿。


少女は小さく微笑み、誰にも聞こえない声で呟く。


「……また会えるといいな。」


その小さな想いは、まだ恋と呼ぶには早すぎた。


けれど、それは確かに、新しい物語の始まりを告げる最初の一歩だった。



最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。


プロローグ第4話では、一眞と五つのグループのメンバーたちが、お互いを信頼し合える存在として少しずつ距離を縮めていく様子を描きました。


テレビやライブでは見ることのできない、彼女たちの素顔や日常を楽しんでいただけていたら嬉しく思います。


次回はいよいよプロローグ最終話。


この物語の大きな約束が交わされ、第一章へ向けた物語が動き始めます。


これから一眞は、五つのグループのメンバーたちとどのような出会いを重ね、どんな恋へと発展していくのか。


ぜひ次回も楽しみにお待ちください。


「面白かった!」

「続きが気になる!」


そう感じていただけましたら、ブックマークや評価、感想をいただけると、今後の執筆の大きな励みになります。


引き続き、本作品をよろしくお願いいたします。


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