第2話「初めての合同レッスン」
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
プロローグ第2話では、一眞が合同レッスンスタジオを訪れ、五つのアイドルグループのメンバーたちと再会します。
テレビでは決して見ることのできない、トップアイドルたちの素顔や、一眞との自然な関係性が少しずつ描かれていきます。
「プロデューサーの弟」という特別な立場だからこそ見ることのできる世界を、ぜひお楽しみください。
「失礼します。」
一眞が合同レッスンスタジオの扉を開けると、中から賑やかな声が聞こえてきた。
「沙織さん、おはようございます!」
「おはようございます!」
「今日もよろしくお願いします!」
五つのグループ、総勢四十人のメンバーが一斉に頭を下げる。
沙織は笑顔で頷いた。
「みんな、おはよう。今日もよろしくね。」
その瞬間、一人のメンバーが一眞の姿に気付いた。
「あっ!」
その声をきっかけに、スタジオ中の視線が一眞へ集まる。
「一眞くんだ!」
「本当に来てくれた!」
「久しぶり!」
「今日は学校早く終わったの?」
「おーい、一眞くん!」
一瞬で四十人が一眞の周りへ集まってきた。
「わっ!」
「高校どう?」
「元気だった?」
「背、また伸びた?」
「宿題終わった?」
「今日は見学だけ?」
質問攻めにされ、一眞は苦笑する。
「み、みんな落ち着いて……。」
その様子を見た沙織は小さく笑った。
「ふふっ、相変わらずね。」
するとHONEY BLOOMのリーダー・一ノ瀬花音が笑顔で言った。
「だって、一眞くん全然来てくれないんだもん!」
「そうそう!」
「高校忙しいの分かるけど!」
「寂しかった!」
続いてSUGAR RIBBONの天宮ひなたが、
「今日のお菓子担当、私だから!」
「え?」
「いっぱい持ってきたよ!」
「また?」
「もちろん!」
CHERRY SMILEの春川さくらはスポーツドリンクを差し出した。
「学校帰りでしょ?飲んで。」
「ありがとう。」
MILK CROWNの白雪澪は静かに微笑む。
「無理しないでね。」
PEACH MELODYの桃井音羽も笑顔だった。
「今日は私たちの新曲も聴いていって!」
「もちろん。」
そんなやり取りを見ながら沙織が手を叩く。
「はいはい。」
パンッ。
「レッスン前に一眞を独占しない。」
「はーい。」
四十人は名残惜しそうに元の位置へ戻っていった。
一眞は思わず苦笑した。
「相変わらずだね。」
「みんな、一眞が弟みたいで可愛いのよ。」
「そうなのかな。」
「そうよ。」
沙織は優しく微笑む。
「だから安心してる。」
◇
そこへ一人の男性がスタジオへ入ってきた。
「みんな、お疲れ。」
全員が一斉に姿勢を正す。
「おはようございます!」
その人物は、
安本康晴。
GRT48グループ創設者。
そして、この五つのアイドルグループを生み出した総合プロデューサーだった。
「おっ、一眞も来てたか。」
「お久しぶりです。」
「学校はどうだ?」
「楽しいです。」
「それは良かった。」
安本は優しく笑う。
幼い頃から何度も会っているため、一眞にとっては芸能界の大物というより、昔から知っている大人の一人だった。
しかし、この光景を学校の誰かが見たら卒倒するだろう。
テレビの中でしか見られない人物と、高校生が自然に会話しているのだから。
「沙織。」
「はい。」
「今日の合同レッスン、よろしく頼む。」
「承知しました。」
沙織は取締役として、そして五グループ統括責任者として真剣な表情になる。
「みんな。」
「はい!」
「今日も最高のパフォーマンスを目指しましょう。」
「よろしくお願いします!」
スタジオに気合いの入った声が響いた。
その様子を、一眞は少し離れた場所から見つめる。
誰もが憧れるトップアイドル。
その裏では、人一倍努力し、汗を流し、何時間もレッスンを続けている。
だからこそ、今の人気があるのだと、一眞は改めて感じていた。
そして、この日、一眞はまだ知らない。
この四十人の中に、自分の人生を大きく変える出会いが待っていることを——。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
プロローグ第2話では、一眞が合同レッスンへ参加し、五つのグループ総勢四十人のメンバーとの再会、そして普段では決して見ることのできないトップアイドルたちのレッスン風景を描きました。
華やかなステージの裏側には、誰よりも努力し続ける彼女たちの姿があります。
これから物語は、一眞とメンバーたちの交流がさらに深まり、それぞれのグループとの絆や恋愛へと少しずつ進んでいきます。
次回のプロローグ第3話も、ぜひお楽しみください。
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