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終わらない最終話


「ハァ!?俺が堕天使!?」


ベッドに戻ることすら忘れて尋ねる俺。

黒兎や紗耶まで驚いたようで、ポカンとしてる。しかしガブリエルさんは最初から知っていたのか、無反応だった。


「まあ、なんとなくわかってたぞ。普通の人間とは少し違うことがな。でもまさか4枚とは……」

「はい〜。あの時因幡さんの背中には黒い羽がが4枚も生えていました〜」


バサッと背中から羽を出すラメエルさん。それ隠せたんだ。

見慣れない堕天使の羽をまじまじと見つめる黒兎と紗耶。


「4枚の羽は上位以上の堕天使を示します〜。きっと大物の血が流れてるんでしょうけど〜、誰のかはわかりませんね〜」


俺に堕天使の血が混ざってるって言われても、両親は普通だし、祖父母もみんな普通。曾祖父母までいくとわからないけど……うーん……


「まぁ、とにかく〜。あの時因幡さんはその堕天使の血が暴走して不良共をボコボコにしたのでしょうね〜」

「イキリオタクみたいだな」


黒兎が変な事言ってるが気にしない。


「あの時紗耶さんが止めなきゃどうなってたことやら〜」

「ま、まぁ、それはわかりました。ご迷惑おかけしました」


頭を下げ、もう一つ気になってたことを尋ねる。


「あのさ、なんで黒兎と紗耶は記憶消すの拒否したの?」


そう。普通なら嫌な記憶は消してしまいたい。そう思うはずなのに、こいつらはそうしなかった。一体何か理由があるのだろうか。


「この記憶を消したら事件は無かったことになる。そしたらこの事件で傷ついたのは大地だけって事になるだろ?」

「そんなのはさせない。私たちのせいで大地が傷つくのは許せない。だから戒めとして、ね」

「紗耶は大地に裸見られた記憶消してもらわなくていいのか?」

「ちょっ!?黒兎!!ぶっ殺すよ!?」


いつも通りのやり取りをする2人。

……優しいなぁ。こいつら。


「にしても〜、私たちが堕天使だってバレちゃいましたね〜」

「え?俺には最初からバラしてたじゃないですか。」

「それはいいんです〜。一般人にバレたことがまずいんです〜。どーしますかね〜」


口を尖らせるラメエルさん。

何かないかと考える俺たち。

ふと、ガブリエルさんがポンッと手を打った。


「そうだ。こいつらもここで働かせればいいんじゃね?」

「!?」


全員に衝撃が走る。


「そうですね〜!!そうすれば監視下に置けますし〜!!ということでおふたりさん〜!!ここで働いてもらえませんか〜!?」


目を爛々とさせ、二人に忍び寄る堕天使。

そんなラメエルさんをみて、二人は考え込む。


「ま、まぁ、今すぐはちょっと厳しいですけど、俺は大丈夫ですよ」

「私も!私喫茶店で働いてみたかったんだー!」


そして案外簡単にOKを出す。マジでか。


「じゃあ決定ですね〜!!宜しくお願いします〜!!」

「お、決まったようだな。んじゃ俺帰るわー。またなラメエル!!今度コーヒー奢れよー!」


そう言ってガブリエルさんは天界に帰る。ほんと自由だなあの人。


「とりあえず今日のところは解散しましょう〜!また後日追って連絡しますね〜!」

「「はーい」」

「お前らほんと軽いな!?」


まぁ、この喫茶店でも退屈はしなくなりそうだが。


☆☆☆


1週間後。

俺は店の制服に着替え、親友の二人を待つ。

俺はここでアルバイトを初めて、人生がガラッと変わった。それがいい方になのか悪い方になのかはわからないが。

相変わらず学校では嫌な思いをする時もあるけど、そんなことはこの店の仕事に比べれば屁でもない。

まぁ、自分が堕天使の血を引いてるとかは、度を越しすぎて実感湧かないけど。

この狭い喫茶店のおかげで、知らなかったこともたくさん知れたし、新たな出会いも沢山あった。


「ごめんごめん遅くなったー!」

「ほんと女って着替えるの遅せぇよな」

「アンタだってチャックが股間に引っかかって痛がってたくせに」

「は!?見てたのかよ!!」


親友の2人が制服に着替え終わったようだ。


「さて〜!!おふたりは初出勤ですからね〜!最初が肝心です〜!!お客さんが来たら大きな声で挨拶しましょう〜!」


ラメエルさんが二人の背中を軽く叩く。

その時ちょうど店のドアが開いた。


カランコロンカラン……


さて。行くとしようか。

俺達は声を揃えて言った。




『いらっしゃいませ!!神の雷霆へようこそ!!』


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