黒く染まる第14話
「な、なん……おま……な……」
言葉が出てこない。
何を言えばいいのかわからない。
何が言いたいのかわからない。
「……落ち着いてください因幡さん」
いつもの気の抜けた語尾が消えるラメエルさん。
「私たちが今するべきことは嘆くことじゃありません」
そして拳を握り、
「アレを一刻も早く天界送りにすることです」
と、路地裏の奥を見て言った。
すると路地裏の奥から、
「あ?なんか人増えてんじゃん。オメーらちゃんと見張っとけや」
「すんません……小便したくて……」
5人の男達が現れた。
「……コレは貴方がたがやったんですか?」
男達に尋ねるラメエルさん。
「あぁコレ?オレ達だぜ。なに、オトモダチ?」
「……」
「ホントはこの女、彼氏の前でブチ犯してやろうと思ったんだけどさー。意外と抵抗するもんだから、ついボコっちゃったわ」
「……」
「まぁ、まだ何もしてねーよ。ま、これからすっけどな!!」
ギャハハと汚い笑い声が響く。
「……大地……」
「……黒兎……?」
黒兎が息絶え絶えに言う。
「……悪いな……本当は……明日のお前の誕生日プレゼント……買いに来たんだけど……」
そうか。明日は俺の誕生日だったのか。
「アイツらに殴られた時……壊れちまったわ……」
よく見れば黒兎の隣にくしゃくしゃになった紙袋が落ちている。きっとアレが俺へのプレゼントなんだろう。
「悪いんだけどさぁ。見られちまったわけだし、アンタらもちょっと寝ててくんね?ま、当たりどころ悪けりゃ死ぬかも知んねぇけど、許してな?あ、女の方はもちろん相手しろよ?」
男が言う。
ラメエルさんが1歩、俺の前に出る。
「……因幡さんは少し下がっててください。私がすぐにーーー」
しかし、そんなラメエルさんの言葉を遮って男が続けた。
「そういえばこの女、殴られてる時に泣きながら、『大地ぃ大地ぃ』って言ってたけど、それってアンタのこと?」
その時、俺の視界は黒く染まった。




