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大事な友人と第11話


「久しぶりじゃん大地!!」

「夏休み前まで来てたでしょー?いや、大地休み気味だったけど」


この2人は俺の数少ない友人で、男の方が、名前以外全部普通の白老 黒兎。学力体力ともに中の中。ギャルゲの親友ポジションのような奴だ。

で、女の方が、学校のマドンナ(笑)の遠藤 紗耶。ルックスは校内トップレベルで、告白する男子は数知れない。しかし好きな人がいるだかで全部振ったらしい。本当なのか嘘なのかは知らん。


「お、お前らここで何してんだ?」

「いや、それこっちのセリフだし。今この店から出てきたよな?ここ何?」


店に興味を示す黒兎と紗耶。

まずい。この2人が俺の友人だとわかるとラメエルさんなら何しでかすかわからん。店の中に入れないようにしなきゃ。


「あ、あぁいや、何でもないんだ。ちょっとブラブラしてただけで。」

「ふぅん?まぁいいけど。」


黒兎はぶっちゃけ馬鹿だから人を全く疑わない。それがコイツの長所であり短所だ。今回はそれに助けられたな……でも、


「………なんか隠してない?」


問題は紗耶だ。紗耶は周りの目をよく気にする。だからこそ嘘ついたり誤魔化したりするとすぐにバレる。だが、俺もここでは譲れない……!!


「い、いやぁ、実は1人で喫茶店入ろうかと思ったんだけど、恥ずかしくなってやめたんだわ!!」


俺の性格なら充分ありえる理由。さぁ、どうくる……?


「へぇ。じゃあ3人で行こうよ。暇でしょ?」


やっぱりそうなりますよね。


「い、いやほら、実は忙しくて……」

「今喫茶店入ろうとしたのに?」

「ぐぅ……!!」

「んぁ?大地なんか隠してんの?」


ほらみろ!!紗耶が変に疑うから黒兎も感づきやがった……!!

とにかくここはマズい!何とかしないと……


「ほ、ほら、駅前に新しい喫茶店出来たらしいじゃん!!そっち行こーーー」


ガチャッ


「あれ?因幡さんまだ帰ってなかったんです〜?……と、おや?そちらはお友達さんですか〜?」


本当人生ってクソ。


☆☆☆


「えっ!?大地がここでバイトしてるんですか!?」

「大地が……バイト!?」

「…………」


結局中に入れられた俺たち。黒兎と紗耶が興味津々にカウンターに立つラメエルさんの話を聞いている。


「はい〜。立派な店員さんとして頑張ってくれてます〜」

「大地が喫茶店でバイトとか……信じられない……」

「?なぜですか〜?」

「あっ!ちょっ!!」


俺が止めようとするが、黒兎は気にせず続ける。


「こいつ、学校でイジメ……みたいな感じの対象で、人と関わるのあんまり得意じゃないんですよ。その大地が喫茶店なんて……なぁ?」

「う、うん。正直に言って、私達以外の大地の友達、知らないし……」


ラメエルさんが驚いたように目を点にする。

そして、

俺の方を見て、

ニヤッと笑った。


「へぇ〜……そんな因幡さんがこんな仕事を……」


絶対にネタにするつもりだ……だから聞かれたくなかったのに……


「んぉ?このコーヒーめちゃめちゃうめぇぞ!?」


突然、黒兎がコーヒーに興味を示した。

それに続いて紗耶も、


「本当だ!!このケーキもめちゃめちゃ美味しい!!」


と、出されたケーキに興味が移った。

……助かった。

俺はここぞとばかりに話題を変える。


「そういえばさ、結局お前らはなんで2人で歩いてたんだ?もしかして付き合ってんの?」


そんな俺の言葉に2人は同時に吹き出す。


「な、何言ってんだよ大地!!お、俺は別にこんな女なんか何とも……」

「そうだよ!!私好きな人別にいるもん!!」

「ハァ!?マジかよ紗耶!!誰だよソイツ!!言えよ!!」

「嫌だよ!バカじゃん!?」

「ば、バカ……」


ずーんと凹む黒兎。少し可愛そうだが、まぁ自業自得だ。

実は黒兎は結構前から紗耶に気がある。紗耶の方はよくわからないけど……


「さて〜、御三方、明日から学校ですよね〜!そろそろ帰って準備とかしなくていいんですか〜?」

「あ、やべぇ!!俺宿題やってねぇ!!大地見せてくれ!!」

「嫌だね。お前俺より真面目に学校行ってんだから宿題くらいやれよ……」

「そうだー。そんなんだからいつまで経っても黒兎はバカなんだぞ!!」

「ま、またバカって言った!!」

「ほら帰るぞ。……すみませんコーヒーとケーキ出してもらっちゃって」

「いいんですよ〜。給料から引いときますから〜!」

「ちょっ!?」


黒兎と紗耶が笑う。つられて俺とラメエルさんも笑う。

この時俺は、いつまでもこんな平和が続くんだと思ってた。でもそれはーーー

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