シンデレラと悪役令嬢
シンデレラストーリーとは何か。
そんなことを改めて考えてみたいと思います。
シンデレラのあらすじ。
①継母、継母の連れ子に冷遇されるシンデレラ
②ひとりだけ、舞踏会に行けない
③魔法使いの力により、舞踏会へ
④舞踏会で王子とおどる。
⑤時間制限によって、退場。ガラスの靴を落とす
⑥王子に捜し出される。
⑦ハッピーエンド
→グリム版の場合、義姉がかなりの報復を受ける
ちなみに、なろうで大人気の悪役令嬢は、これの派生ストーリー。
義姉とシンデレラの立場が逆転してみえますが。結局のところ、実は、いじめられているもしくは不当な扱いを受けている主人公が、幸せをつかむという構図は変わりません。
共通項を考えると、シンデレラ系のものは、どちらにせよ、いわゆる報復ストーリーと密接に関係していると言えるのかもしれません。
ただ、一般的にシンデレラストーリーと呼ばれているのは、『普通の女性が、かなりの成功をおさめ、資産家と結婚する』的なお話。
いわゆるサクセスストーリーの結論が、恋愛によっておわっているタイプと結論付けできなくもないです。
女の幸せは結婚、という、令和では古いと言われかねない概念ですが、恋愛物語の中では、今でも根強いファンを持つ『王道』ストーリー。
現代恋愛の女性向けなど、特にティーンズラブ系は、本当にこのタイプが多いと思います。
やたらイケメンの御曹司やらに溺愛されるやつ。
すっごいきれーなドレスとかバンバンプレゼントされたりとか。
御曹司が、すごく庶民的なみそ汁とかに感激したりとかね。
いや、それが悪いとは言わないですよ? これでも女性の端くれですから。
とにかく、女性願望がすっごく出まくるストーリー構成。
ひょっとしたら、男性的には、かなり「退く」のではないかなあと思います。
派生の悪役令嬢に関しましては、
①王子とやっぱり結ばれる。
②王子より条件の良い相手が現れる。
③結婚よりもっとやりたいことができる
大まかに言えば、その3パターンラストになるように思います。
最近の作品は、あくまでも『引き』としての設定で、③のための悪役令嬢設定で、シンデレラストーリーというよりは、サクセスストーリー(成功物語)ととらえる方が良いのかな、と思います。
なんにせよ。
シンデレラにせよ、悪役令嬢にせよ。典型的なテンプレであり、様式美です。
疲れた人類に、安らぎを与える物語の構図なので、これを少しでも極めていきたいなあと改めて、考えてみるのであります。




