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エクスチェンジ➄

※2017.2.1

 修正しました。展開には問題ないかと思われますのでお許しください……!



「……ん?」


 かちゃかちゃ、と金属をこすり合わせるような音で目が覚めた。


 身体を起こす。……起こす?

 おかしい。俺は昨日庭の椅子で寝落ちしたはずなんだが、なぜか今は我が家の今にあるソファで寝転がっていた。おまけにタオルケットまでかけてある。


 それを剥がしながら上半身を持ち上げると、


「あ、起きましたか?」


 ソファの背もたれをはさんだ反対側、厨房の洗い場で食器を拭きながら、ミアが声をかけてきた。

 ……どうなってんだ、これ。そしてなぜ家出したはずのミアがここにいるんだ?

 寝ぼけた俺の表情から何かを読み取ったようで、ミアは厨房から言ってくる。


「お師様が寝ている間にお庭はもう私が片づけておきましたよ。お師様は魔法陣で浮かせてからここまで運んで、カレンちゃんはリッカ様のところに返しました。食器は洗って、今拭いてるところです」


 俺は寝ぼけまなこで周囲を見回した。たまたま目に入った窓の向こうには、バーベキューの名残なんか綺麗さっぱりなくなったいつも通りの庭が広がっている。


「……」


 なるほど、あいつがやってくれたのか。

 俺とカレンが散らかすだけ散らかした場所を片づけてくれたと。

 家出していたのに、わざわざ戻ってきて。


 俺はそこまで確認し、また視線を厨房に向けた。


 ミアはあまり機嫌がよくないようで、こっちを見ようとはしていない。


「まったく、様子が気になって戻ってみたらびっくりしました。金網はべたべたでゴミは置きっぱなしなんて信じられません」


「…………」


 やばい、眠い。

 けどあそこで鼻息を荒げている弟子に何か言ったほうがいいような気がする。


「ほんとにお師様は一人じゃまともに片付けもできないんですね。魔法陣に関しては本当に凄いのにどうしてこういうところはダメなんでしょうか」


 俺は半分寝ぼけた頭で口を開いた。


「ミア」


「……何ですか。言っておきますが、私はまだ昨日のことを忘れたわけじゃ――」



「いつもありがとな。弟子に来たのがお前でよかった」



「ふぇっ!?」


 がっしゃん。


 ミアが持っていた皿を取り落としたらしい。俺はミアの慌てる声を聞き流しながらずるずるとソファにまた沈み込んでいく。……駄目だ、睡眠時間が足りない。


「おっ、おし、お師様っ! 今なんて言ったんですか!? 何だか信じられないような言葉が聞こえた気が――」


 ミアが厨房の方から焦ったように言ってくるが、すでに俺には言葉の半分近くが理解できていない。


 俺はバカ弟子の慌てふためく声を意識の外に追い出して、二度寝のまどろみに身を任せた。

長くなるかと思って分割したのにそんなに長くなりませんでした。


次回更新は明日……の、はず。

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