表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スピンオフ置き場  作者: 土広 真丘
第1章
54/73

45.飲み過ぎたせいで

お読みいただきありがとうございます。

『で、ここからは想像が入るが、自分も神の目に留まろうと思ってお前からの打診を受けた。大精霊か副大精霊の側にいて、時々でも名代になることがあれば、神々の前に出る機会も格段に増えるからな。そんでお前の側にいるようになって、悪神の茶葉に手が届くようになった』

『そ、それで……?』

『これは使えるかもしれんと思って、お前を言いくるめて茶葉の管理権を掠め取った。自分の手元に渡った茶葉を色々調べたり試したりとかしたんじゃねーかな』


 葉から生まれたゆえか、単に当事者の気質か、ミーシャは元から薬草学が得意であったと聞く。長く生きている分、悪神の下賜品に関する知識も持っていたかもしれない。上級使役であれば、天界の書庫にある膨大な資料から前例や効能を調べることもできる。発疹や症状の違和感が自覚できない情報なども得た上で計画を練ったのではないか。


『で、こう思うわけだ。干す時間を短縮して軽い症状を発症させれば、お前は本来の能力を発揮できなくなる。そこを自分がカバーすれば、デキる補佐だって使役界で評判が立って、それを耳にした神々から個別に注目してもらえるかもしれねー、って具合だな』

『で、でも、逆に失敗しすぎの私の方に目が向いてしまって、お茶の影響に気付かれてしまうかもしれないじゃないですか』

『そこまでデカいヘマはさせねーように、干す時間を調整して症状の強弱をコントロールしてたんじゃね? 初めは二日近く干しといて、徐々に短くしてくとか。年月をかけてちょっとずつ配分を実験してたのかもな』


 よほどの大失態や目立つポカをしない限り、神は使役を個別に注視しない。広義の神族である箔付けの神格持ちのことは例外で気にかけるが、それでも有事がない限り、気合いを入れて観察したり衣の中まで透視することはない。必然、発疹などにも気が付かなかった。


『だけど悪神まで何も言わなかったのは妙だな。大精霊や上級精霊なら悪神の前にも出るはずだ。そしたら茶葉の気に同調して気付いたはずなんだが……』


 事実、ウォーロックもそれで察知したのだ。腑に落ちないと眉を顰めたアーディエンスだが、軽く頭を一振りして続けた。


『それは今は分かんねーから、スキップする。次だ。ミーシャはさっそく、干す時間を調整した茶葉をお前に渡した。この時点では時間短縮のことは言わずにだ。初期だしちょっと短めにして効果を確認しようとしたんだろ。だが事件が起きた。大精霊選の決戦投票の後に飲むと聞いてた茶を、気が変わったお前が開始前にグビグビ飲んだんだ』

『マグカップいっぱいに摂取して、二杯目のお代わりまでしたんだよね……』

『あ、違いますウォーロック様。お代わりはしてないです。最初から二杯飲むつもりで、同じマグカップを二つ用意して同時に注ぎましたから!』

『ああ、そう……別にどっちでも良いけど……』

『飲み過ぎなんだよお前! 短縮度合いが少なくたって、そんだけ飲めば心身の症状もそれなりに出る。だから腹下すし、焦って転倒するし、イバリアたちも真っ青のボケボケ発言を連発する状態になったんだ』


 腹を壊したことに関しては、単なる過飲もあったかもしれないが……悪神の茶を摂取したことによる身体症状も含まれていたのだろう。


『お前が茶を飲んだ時、ミーシャはいなかったんだろ。後で顛末を聞いて、想像以上の効果に冷や汗をかいただろーな。しかも茶葉を所有してる立場上、今後もお前が一番多く飲む。だからあんまり刺激するのはマズイと思って、お前が飲む茶はそこまで干し時間を短縮しないようにしてたんじゃねーか』


 それでも飲料が多い以上、症状は無自覚下でうっすらと現れ、発疹も徐々に広がっていった。程よい具合にパニクって失敗しそうになるフィーラスを、ミーシャは的確にフォローし続け、自分のサポート有りでそれなりにやれている状態に持ち込んだ。自身の評価が上がるように。

ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ