46話 貴女のはサラサラしてるけど、若干しつこい感じがあるから
カトリーさんは私に、持ち上がらない銅の剣を構えるように指示した。
「強化魔法を通して貴女の力が上がれば銅の剣に認められるのよ」
「あ、今日授業でやった。剣に認められれば、軽く持てるんでしょ?」
「そうそう、良く知ってるわね。神界の銅の剣は別名、どう? の剣と言われているのよ」
「おお~、すごい。重い銅の剣を軽々振ってたら、カッコいいかも」
「天界の銅の剣は鉄の剣と同じ重さだけど……」
「ビミョー……、切れ味は鉄の剣の方がいいから、意味ないじゃん」
銅の剣が振れても、全然うまみはないらしい。
言ってみれば、切れ味の悪い鉄の剣……ナマクラってことね。
「銅の剣が持ち上げられれば、戦闘が一応できるレベル。銅の剣が感知できる強さで、戦闘力1という判定なのよ」
銅の剣はただの判定機なのね。
「これ、普通に強化魔法教わっているのと同じなんじゃ……」
全然ごまかしになってない気がする。
「大丈夫。きっと、私と同じような感じではできないから」
「できないと、大丈夫なの?」
「今の魔力だと気持ち強くなるくらいだから、ほかのモノで埋めるのよ」
「神様協会って、よっぽど恐ろしいのね……」
カトリーさんがそこまで、決まりを守ろうとするのはなぜなんだろう。
「だって、苦労して上級神になったんだもの。元とらないと」
「神様協会にばれるとどうなるの?」
「神様剥奪で悪魔転職しなくちゃいけなかったり、面倒くさい刺客が送り込まれてくるようになったりとか……嫌なことばっかり」
「……カトリーさんが嫌なことは私も嫌だなあ。苦労して上級神になったって言ったものね」
「うん……試用期間の申請ポイントはタナカミノルさんのだけどね。それでも、悪いことしたから、試用期間が長くて大変だったの……」
「悪いこと? 私を生まれるようにしたことが悪いことなの?」
「それもそうなんだけど、ゴブリンの命を大量に奪ったからさ。ある方面からは英雄で、ある方面からは殺人鬼なの」
国語の教科書の登場人物はカトリーさんの被害者っぽいなあ。
「まあ、神様協会もその辺はわかっているから、他の神様よりも長い試用期間を審査して上級神にしてくれたんだ」
「ふう~ん」
ある方面というのは人間とゴブリンのことかな。
カトリーさんにとって、神様であり続けることは大切なこと。
私に何かを与えたりするのにはバレないように偽装をしつつ与えないといけないらしい。
「じゃあ、身体全身ににパーティー申請を送る要領で魔力を送ってみて。イメージは水みたいな感じかな」
「水?」
「ほら、私の魔力ってネットリしてるでしょ? 強化系に向いてるの。貴女のはサラサラしてるけど、若干しつこい感じがあるから強化魔法が出来ると思う」
魔力が身体にまとわりつくような感じらしい。
感覚としてはわかるけど、どうにも魔力が足りないらしい。
それでも、手と足だけまとわりつかせることに成功した。
銅の剣が途端に、軽くなっていく。





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