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ゴブリンの少女はもっと生きたい  作者: 雲と空


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45/56

45話 なんか、魔法って怖くない?

「おかえり~」


 待っていたら、カトリーさんがこう言いながら地面から生えてきた。


 転移かな?


「あ、カトリーさん……」


 なんだか、変な現れ方だなあって思ったけれど、そんなことはどうでも良かった。


 カトリーさんの顔が見えた途端に、私の悔しかった気持ちが形になって溢れてきた。


 目から温かいものが……。


「カトリーさ~~~ん」


 私はカトリーさんが完璧に生えてくるのを待ちきれず、腰のあたりにしがみついた。


「ちょ、ちょっと……どうしたの?」


 涙と鼻水が止まらない。


 きっと、カトリーさんは生暖かさを通して、鼻水と涙でデロデロになっていくのを感じとっていることだろう。


「うわ~~ん」


 私は身長的に、少し屈んだカトリーさんのお腹のあたりで気が済むまで泣いた。


 周りの生徒はもう帰っちゃっていたから、多分誰もいなかったと思う。


 どのくらい泣いたんだろう。


 多分、体感で10分くらいかな。


 学校の時計をチラ見したら、30分経っていた。


 泣いたら、とても気持ちがすっきりした。


 カトリーさんのお腹の辺りも私の鼻水と涙でデロデロだ。


 まあ、魔法で何とかするんでしょ?


 私は初めて気付いたのだけど、他のことで負けるのはそこまで嫌じゃない。


 けれど、剣術で他のゴブリンに負けるのが物凄く我慢できなかった。


 私はカトリーさんと一緒に、あんなに鮮やかで楽しく、山というほどスライムを倒した……。


 あの時の経験は他のゴブリン達にはないもので、私にとって貴重で誇らしいもの。


 私が負けっぱなしでいることは、私の中の感動や楽しさの価値を貶めることのような気がした。


 私は大好きなカトリーさんにどうやったら強くなれるか聞いてみた。 


「う~~ん、基本的にゴブリーヌはゴブリンより成長が遅いから、小さい頃は敵わないのよ」


 私の思いを裏切るような答えが返ってきた。


「え……。嫌だ。負けたままで転生なんて気持ちが悪い。何とかしてよ」


「私がスキルとか能力を、このタイミングであげちゃうと色々と問題になるからなあ……」


 カトリーさんは何か、考えてくれてるみたいだけど難しいみたい。


「じゃあ、剣術を教えたということで、強化魔法を使うってのはどう?」


「意味が分からないよ……カトリーさん」


 とても、難しいことを言われた気がする。


「私は剣術を貴女に教えるの。だけど、内容はちょっとだけ強化魔法」


「普通に強化魔法を教えてくれればいいじゃん」


 とても、分かりにくい説明のような気がした。


 剣術を使うのに魔法も使うという感覚が意味不明だ。


「結構、強力な魔法だからそうそう教えられないの。だけど、剣術ということでその中に紛れ込ませて教えれば、神様協会とかから何も言われないから」 


「剣術……。うん、わかった魔力を使って強くなる剣術なのね」


 多分、そんな感じな気がする。


「貴女はまだ、魔力が少ないからちょっと強くなるだけ。でも、ちょっとマシになるんじゃない?」


 魔力って、私のは薄っすらとあるだけ。


 でも、こんな少ないのを使ったら私死んじゃわない?


「魔力使い切ると、倒れるとか気を失うとかある?」


「マジックポイントを使い切るとね……って言っても、分からないか。まあ、どのくらい使えばダメか、使えるようになったら見てあげるよ」


 なんか、魔法って怖くない?

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― 新着の感想 ―
[一言] カトリーさんが地面から生えてくるって驚きですが、 転移だから不意に現れる感じなんですね。 学校の剣術の授業でさんざんな結果で、 精神ボロボロのゴブリンちゃん……。 カトリ―さんに、早速、し…
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