27話 声がした
補習中も私はカトリーさんのことが頭から離れなかった。
宿泊施設で寝てるのかな。
先に行ってるってことは、もう部屋にいるのかもしれない。
まだ、部屋も決まってないのにどうやって先に行くんだろ。
まあ、神様だからそのくらいは、大丈夫なのかもしれない。
もう、何が起きても神様だからという理由で済まされる気がする。
補習授業が終わって、部屋を案内された。
19時をちょっと過ぎたところだ。
宿泊施設へ担当のゴブリンが来て、案内してくれた。
中肉中背の女の人だ。
名前は聞かなかった。
別に専属ではないらしい。
学校の校舎とは別建物で、4階建てのそこそこ大きな宿泊施設。
この施設も学校も、全部が全部国のお金で回っているのだからそれなりに雇っている気はする。
そんなに再テストになる人はいないのかなって思ったけれど、それなりに部屋は埋まっているらしい。
私だけじゃないんだ。
ちょっと嬉しい。
行く途中にも私と同じ学年かなって思う人や、上級生かなって思う人が何人かいた。
同じ学年の人は案内の人がいるし、上級生は案内の人がいない。
私の部屋は3階の306号室。
きちんと個室だ。
これならカトリーさんがいても平気かも知れない。
部屋の鍵を私に預けると案内の人は去っていった。
うん、まあいい感じ。
ベッドと洗面所と机がある。
トイレは公共のトイレを使うらしい。
まあ、汲み取るにはそっちのほうが簡単だからしょうがない。
ひとりで過ごすのには十分の部屋。
カトリーさんと一緒に寝るのにはちょっと狭いかな……。
でも、寝られなくもない。
部屋に帰ってきたから、宿泊施設で用意されている部屋着に着替える。
ちょっと、大きいかな?
まいっか。
さすがに、国のお金で回している施設。
何も持たなくても泊まれるように、色々準備してある。
下着くらいは持ってきたけど……。
部屋をぼーっと眺める。
あ、窓がある。
窓からは外の景色が見える。
目が疲れたから、遠くの方を眺めたい。
窓の外には森と空が広がっている。
今日は良く晴れていたので、星がよく見えるな~。
なかなかの眺めだ。
窓を開けてみる。
気持ちいい風が入ってくる。
うん、いい空気~。
腕を広げて、大きく空気を吸い込む。
「しんこきゅう~。元気充電~」
ちょっと、元気が出た気がする。
外はちょっとしたテラスになっていて、殆ど広さはないが、下を覗き込むくらいはできる。
ちょっと外に出て、遥か彼方を眺めてみた。
空と森に二分した世界が広がっている。
星の広がる明るい空と光が届かない暗い森。
でも、学校の建っている丘を囲む森の向こうには、私達が住んでいる街よりも大きな規模の街がある。
そのせいか、目を凝らすと暗い森の端の方には仄かな光が見える。
それにしても、カトリーさんどこに行ったんだろう。
部屋の方を振り返ってみる。
誰もいない。
実はもういるのかな……。
「カトリーさん?」
とりあえず、呼んでみる。
居たら居たで儲け物だし、居なくても誰もいないのだから変な人とは思われない。
「何?」
「え?」
声がした。





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