episode14
視点を変えて話を書いてみたら思った以上に感情移入出来ず女の子の気持ちってわかんないという結論に行き着きました。
誤字脱字などよくわからない解釈が多々あると思いますが生暖かく見てください。
不屈のHERO episode14
勢いで言ってしまったけれどこの変態さんに万が一負けてしまったら2人を渡さないといけない。そんなの絶対にダメだ。凌くんと綾鷹さんは私やお姉ちゃんにとっても大切な人だから必ず勝たないといけない。
episode14
「あらあらどうしたのぶりっ子?攻めてこないのかしら?」
「私はぶりっ子じゃありません!夜城 春って名前がちゃんとあるんです。」
「そんなこと百も承知よ!!貴方なんてぶりっ子で十分よ!だけど私の名前は貴方に教えといてあげる。なんで教えるか教えてあげましょうか?それはね貴方よりも強くて美しい名前を心に一生刻んでもらう為よ!いい?私の名前は……」
「貴方なんて変態さんで十分です!」
「………私は変態じゃないわ!私は海戒 真奈って言う名前があるのよ!!」
刀を交えるよりも私達は言葉を交わし続ける。だけどこんなにも言葉を交わしているにも関わらず隙がない。
「来ないなら……私から行くわよ!」
そう言うと変態さんはレイピアを顔の前に構えたまま小刻みなステップで間合いを詰めてくる。私は刀を鞘に直して正中線を隠す様に構えると変態さんはなんの躊躇なく突きの体勢にはいる。狙いは頭。レイピアは手元から伸びる様に迫る。だけどそれくらいの剣技なら簡単に避けられる。向かって来るそれを身体を沈め地面を蹴り変態さんの懐に入り込む。
「『斬破』」
至近距離で放たれる『斬破』は確実に変態さんを切り裂く…はずだったが私の目の前には変態さんの姿はなく振り抜いた刀が虚しく空を斬る。
「この私を傷つけることができると思ったの?なかなか凄い剣技だったけど当たらなかったら意味がないわ。次は私の番、頑張って避けて見せなさい。」
変態さんは先ほどまでいた場所よりも遠い位置にいた。どうやって避けたのか仕組みはよく分からないけれど私の足元にある焦げ跡から私と同じ様に地面を蹴って移動した。問題はその人間離れした脚力。あれを連続、もしくは持続出来るのならかなりピンチだ。変態さんは脇を占め顔の前にレイピアを構えたそしてまたもステップを踏みながら間合いを詰める。その速さはまるで音速。私の本能が全力で働く。
「それじゃ避ける事はできないわよ!!『乱立針』!!」
不規則に突かれるそのレイピアからは斬撃が飛び私のガードの隙間をすり抜け私に襲いかかり、その衝撃に私の体は後ろへと飛ばされた。
「あらあら。少し大人気なかったかしら。でも貴方もこれでお終いね。」
「そんな事はありません!私はまだ……まだ戦えますよ!」
私は刀を杖の様に地面に突いて立ち上がる。身体には無数の切り傷。だけどどれも予想よりも深くはなく私からすればこんなもの擦り傷程度のものだ。数分あればこれくらいの傷は治る。だけど問題はあの剣技。目で追うには速すぎて追い付けない、それとあの無差別乱舞。あれをどうにかしないと私は負けてしまう。
「そう…だったら手加減するのは失礼ねっ!」
変態さんの容赦ない突き。そのどれもが懐をえぐる様なものばかり私は防戦一方だった。
「あらあらなかなか頑張るじゃないでも私手加減しないって決めたのよさっきね!『乱立針』!」
またも脇を占めレイピアを引いて構え撃ち出される斬撃。
「くっ『斬破』!!」
すぐさま刀を鞘に直して撃ち返した『斬破』は変態さんの『乱立針』の極一部の斬撃を消しただけで変態さんに届くことはなかった。
「そんな剣技じゃ私の『乱立針』はとめられないわよ!」
変態さんの攻め手は収まることを知らずどんどん私の領域に侵入してくる。
「わかってます!だから……」
「だから?だからなんだっていうの?私にはまだ隠し球があるのよ!『乱立針』で手こずっていたらこの先貴方死ぬわよ!」
そうだ。こんなところで立ち止まってちゃダメなんだ。この人を超えないと。この人よりも速く、強くならないと私は死ぬ!
「さあ、これでお終いにしてあげるわ!『乱立針』!」
変態さんは少し距離をとってから不規則に突かれた斬撃が私を襲う。私は刀を鞘に直した。負けを認めたんじゃない。今はこれでいいのだ。私の次の攻撃の為に今は最小限の被害にしないといけない。私は飛んでくる斬撃を自然に体を任せた。足取りは軽く目で見なくともわかるかの様に体が流れた。
「何よ見せつけちゃって!私だってそれぐらいできるわよ!」
「おお〜。春が踊ってるぞ師匠。」
「なかなかやるな春ちゃん。流れに体を任せるなんてな。とったさの判断にしては上出来だ。」
変態さんの斬撃は止んだが全てを避けることができたわけではない。私の左足に斬撃が貫通した。立ってはいられるけど動けない。だけど次で終わらせないと……。
「ムカつく小娘ね。でもねもう貴方何かに余裕何てあげるわけないでしょ!」
変態さんはもう一本のレイピアを取り出し腕を広げる様に構える。
「さあ、覚悟なさい。今度の『乱立針』はさっきよりも速度も斬撃の数も増えるわよ。」
「だからどうしたんですか?私は負けられないの!私だってやればできるんですよ!」
私にはお姉ちゃんの剣技『斬破』しか知らない。だけど『それ以外のものなら知っている』。私にもどうなるかわからない。だけど失敗すれば確実に私は死ぬ。もう後に引く訳にはいかない。一か八かの勝負!
「観念した様ね。さあ、受けなさい私の最速の剣技『双乱針』!!」
今までとは比べ物にならないほどの広範囲に展開された不規則に並ぶ斬撃達。それに対して私は変態さんが予想もしない行動に出る。
「はぁぁぁぁぁあぁぁぁあ!」
お姉ちゃんの刀を逆手に持ちそして振りかぶり全力で変態さんへと投擲する。
「なにぃ〜っ!!?」
投擲された刀は斬撃を抜けて変態さんの肩へ突き刺さる。その間、無数の斬撃は私に襲い掛かり体に新たな切り傷を作り、左足に深い傷を作った。だけどこれで勝率は上がった。変態さんが自分に刺さる刀を引き抜くその瞬間に私を自分の視界から外したその時に私は変態さんの前から消える。
「よくも私に傷を負わせたなっ!この償い全身穴だらけにしてもゆるさないぞ……って…どこ?……どこに行ったんだくそ女っ!」
怒りで女口調だった変態さんの話し方が男の人のそれに戻っていた。もうこれで冷静な判断は難しい。あとは私が学んだ事の何パーセントを実践に移せるかで決まる。
「足幅は肩幅に合わせて…腰は低く体重は下腹部あたりに…右半身になる様に前後に足を置いて…体を捻り力を貯める様に脇の下に拳を置いて…左手は相手の距離と照準を合わせる為に前に出す。そこから突き出した左手を引くと同時に右拳を脇下から捻り出しそれと同時に体の捻り解き肩を内に入れて拳をより内に捻り突き出す…つまり相手の体に風穴をあけるイメージで撃つ!」
それは綾鷹さんと凌くんに教えてもらった技。誰にでも簡単に使えるような品物ではない。だけど要領は『斬破』と一緒。
「後ろかぁっ!」
「遅いです!『閃空拳(夜城春バージョン)』
突き出す拳から風が生まれる。その風は変態さんの体を突き抜けた後、遅れて衝撃が体を駆け巡り壊す。レイピアは私の首元で止まる、後ほんの数cmで私の喉に穴が空いていたはず。
「貴方……今何をしたの……。」
「私の大切な人に教えてもらった技です。多分数時間はまともに動けないと思います。」
「ふっふっふっ。ながながやるじゃな小娘。」
変態さんは笑って倒れ倒れこんだ。力なく前のめりに倒れた変態さんをひっくり返し私は問いただす。
「貴方に聞きたいことがあります!お姉……夜城 冬月は何処にいるんですか?」
「い"い"わ教えてあげる。そごに扉があるわね……そこの……扉から下にいける。最下層にその人はいると思うけど………気をつけなさい小娘。この下からは私なんかと比べ物にならないほどヤバイ奴が待ってるわよ。」
「私はそれでも行きます。では海戒 真奈さん。」
私は傷ついた左足を庇いながら凌くん達のところへ行くと凌くんが突然抱きしめてきた。
「あんまりヒヤヒヤさせるなよな春。冬月を助けにきてんのにお前が……お前が死んじまったら意味ないだろが。」
「大丈夫だよ。だって凌くんが……守ってくれるんでしょ?」
「………ああ。何があっても俺は春も、冬月も絶対に守ってやんよ!この約束だけは破らない…破ったりしないよ。」
この人はやっぱり何処までもまっすぐで自分の思いを決して曲げない、心が強いんだなと私は心から思った。すると隣でニヤニヤと笑みを浮かべる綾鷹さん。
「熱々だね〜お2人共〜。こんな恥ずかしい事されてるとおじさん顔が真っ赤になっちゃうぜ。」
「「…………。」」
「うわっ!」
「あわっ!えっとその………。」
「すまん突然抱きついて……。」
「えっ?あっうん。平気平気。」
「まぁ〜どうでもいいがそろそろ春ちゃんの傷治療してやらなダメだと思うんだかな!」
「そっそうだな!春足だせ足!」
凌くんは少し顔を赤くしてテキパキと私の足の治療をする。ちなみに治療道具は綾鷹さんが持ってきていたそうだ。どう見ても手ぶらだと思っていたけどどこに持っていたんだろ。そんな事を考えているうちに治療も終わり次の階を目指す私達であった。
続く。




