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第五話 クエストの準備は万全ですか?

携帯が不調なのでミスがないか心配です。



第五話 クエストの準備は万全ですか?


僕は猛烈に謝られていた。


「すいません! 気絶するなんて。本当に迷惑を掛けてしまいました」


赤い制服の少女が頭を何回も下げる。 そこまで迷惑を掛けられたつもりはないんだけどなあ。


「いいよ、別に時間はあったし。それより登録はできるのかな?」


「もちろんです。手続きはカウンターでしますのでついて来て下さい」


少女はすぐに横になっているソファーから降りて受付のカウンターへと向かった。僕らも後を追う。


「リーナちゃん大丈夫だったかい?」


少女、リーナがカウンターに戻ると待合席にいた冒険者たちからすかさず声を掛けられた。結構人気があるようだ。


「書類上のことは先程までにできてましたので冒険者証を発行しますね」


リーナは茶色い薄いカードのような冒険者証を取り出して、ペンで僕らの名前らしき文字を記入した。


「発行完了です。はいどうぞ」


リーナから手渡された冒険者証は滑らかなプラスチックに近い質感だった。魔法的な素材でできているのだろうか。

しばらく眺めているとリーナは頭を下げて僕らに改めて挨拶してきた。


「冒険者登録おめでとうございます。これから新しく冒険者となられた二人に冒険組合について説明いたします。時間の方は大丈夫ですか?」


時間がかかるのだろうか。長い説明は嫌だな、覚える自信がない。


「大丈夫ですよ。マニュアルで言うように指示されてますけどそんなに時間かかるような説明じゃないですから」


いつの間にかさきほどまでと同じ雰囲気に戻ったリーナが僕の表情の変化に気づいたようでささやく。


「それではさっそく説明をします。まず冒険者の仕事は主に二種類あります。魔物の討伐と荷物の配達です。これらの依頼の依頼料で生計を立てるわけです」


リーナは男たちのいる方を指差した。男たちの奥の壁いっぱいに紙が何枚も貼られている。あれが掲示板のようだ。


「依頼の受け方は、あそこの掲示板で依頼の書いてある用紙を見つけて、それを受付の私に提出すれば受けられます。依頼完了後の依頼料の支払いなどは組合を通じて後日おこなわれます。ここまでで分からなかったことはありますか?」


「大丈夫です。スフィアは?」


スフィアは少し頬を膨らませた。


「大丈夫に決まってるじゃないか。私の理解力をなめないでくれ」


僕がスフィアに謝るとリーナはつかれたような顔をして説明を再開した。


「仲良しですね、私もいつか……。説明再開しますよ。続いては冒険者のランクについてです。冒険者にはF~Sまでのランクがあります。このランクが上がるとより強い魔物の討伐依頼が受けられたり、より危険な地域に配達できたりします。またランクが高いと個人指定の依頼が来たりもします。このランクを上げるためには依頼数を規定までこなすか、ランクの高い魔物を倒すことで上げることができます。個人的には二人の場合魔物を倒してくるのが手っ取り早いと思いますね」


リーナは僕らの顔を見回した。分からなかったことはないか、ということらしい。僕は無言で頷く。スフィアも同じようにした。


「説明は以上です。お疲れ様でした」


説明が終わったので僕らはさっそく掲示板へと向かう。それをリーナが止めた。


「待って下さい。二人ともその格好で依頼を受けるつもりですか?」


僕は自分の服を確認した。ジーパンにTシャツだ。スフィアの方も昨日と変わらぬ白い民族衣装風の服。あ、やばい……。


「やっぱりそうだったんですね。ダメですよ、初心者は軽装で出かけて怪我することが多いんですから。組合から出て右へ行ったところにカール商店と言う店があります。そこなら装備一式に薬なんかも売ってます。ですからそこで必要な用意を揃えてからもう一度来てください!」


リーナの力説に従い僕らはカール商店に向かうことにした。組合の入口のところで博士が僕らに合流する。


「冒険者にはなれたか?」


「はい、なれましたよ」


「そうかならよかった。わしの方の調査も順調だしの。今からさっそく依頼に行くのか?」


博士は機嫌が良いようで口調が軽い。冒険者の方にさっきレーダーらしきものを向けているのを受付から見たがそれが調査だったようだ。


「いいや、今から装備を買いに行くのだ。初めての装備はお揃いにしような」


スフィアが僕の代わりに博士の質問に答えて、僕に手を絡める。博士は変な顔をした。


「装備を買いに行く? 鎧ならわしが持っておるし武器もあるぞ」


博士は無限巾着からブレスレットを取り出して右腕に装着した。ブレスレットがカチッと音を立てる。


「変身! とうぅ!」


博士は雄叫びを上げ、拳を天に突き上げる! 博士の体をまばゆい光が覆う。眩しさに僕は目を閉じる。目を開くと博士は大変身を遂げていた。漆黒の輝く装甲は滑らかな流線型のフォルムを造りだし、動くときに嫌な金属音すら立てない。機能美の到達点のような姿だ。


「ふふ、これがわしのスーパーコンバットスーツだ!」


「かっこいい! 是非とも譲ってくれ!」


スフィアが感動した目つきで博士に頼んだ。確かにかっこいい。でも制作者は博士だ。なにかある。


「待った。博士そのスーツの性能ってどれくらいあるんですか?」


「音速以上のスピードと百階建てのビルをこなごなにすることを可能とする身体強化機能、さらに超新星爆発にも耐える防御能力があるぞ!」


なんだろうその性能。突っ込む気力すら削がれてしまう。


「博士、そんな性能じゃあ使えませんよ」


「むむ、足りないと言うか。まったく贅沢な奴だ。とりあえず改造するとするか」


博士は盛大に勘違いをすると改造するので待っておれ、と言って宿屋へ帰って行った。

最大の脅威を撃退することに成功した僕はカール商店に到着した。


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