17頁目 クリスマスプレゼント
17頁目です!
よろしくお願いします
街はすっかりクリスマス支度だった。
商店街には、小さな蒸気石の灯りが少しずつ飾られ始めている。
工房の窓からそれを眺めながら、少女がぽつりと言った。
「もうすぐクリスマスですね。」
「そうだな。」
リーン……
「こんにちは……。」
「あら!いらっしゃい。」
冬の空気と一緒に、小さな男の子が入ってきた。
「今日はお兄さんは一緒じゃないの?」
「えっと…その。」
少年は言葉を選ぶように口ごもっている。
「今日は…お願いがあって…。」
「うん、うん。」
少年のペースに合わせて、少女は頷いていた。
「クリスマスなので…。」
少年は少しだけ、間を空けながら話す。
「プレゼント、作ってほしいんです。」
聞いた瞬間に、少女の顔がパァッと輝いた。
「もちろんですよ!誰に渡すんですか?」
少年は地面を見ながら答えた。
「えっと…お父さんと…お母さん。」
「あと…お兄ちゃん。」
「えらいねぇ。」
少女はニコニコしながら返す。
「何作ればいい?」
男は作業台から話しかけた。
「それに……予算。」
少年はポケットから袋を取り出すと、小さな掌に硬貨を広げた。
「足りる…?」
子どものお小遣いらしい数。
少女はそれを見ると、男のほうをじっと見つめた。
たまらず男は頭をガシガシと掻く。
「……何を作ればいい?」
ぶっきらぼうに答えた。
瞬間、少年は明るく顔をあげる。
「相棒…変なの作らないでくださいよ?」
「当たり前だ。」
しばらく工房には無言が続いた。
少女は少年を椅子に座らせると、温かい紅茶を出す。
少年は小さくお礼を言うと、興味深そうに作業台の上を、遠くから覗き込んでいた。
真鍮を切る音。
木を削る音。
革を叩く音。
料理を待つお客のように、少年はそわそわしていた。
「ほら、できたぞ。」
父親には真鍮のキーホルダー。
母親には革のしおり。
兄には木製のペン立て。
どれも派手じゃない。
でも長く使える。
工房主らしい物作り。
「すごい…。」
少年は一瞬、間を置いて目を輝かせた。
「ありがとうございます…!」
「相棒、良いの作るじゃないですか。」
少女は男の顔を覗き込んで褒めた。
「あの…でも…お金、足りますか?」
「いらん。」
「え?」
「クリスマスだからな。」
男は作品を丁寧に梱包しながら話す。
「それと…こっちはお前さんに。」
木製のくるみ割り人形。
「いいんですか…?」
「内緒だぞ。」
少年はドアの前でお礼を言うと、リーンと鈴を鳴らしていった。
両手で箱を抱えて。
「優しいじゃないですか。」
「商売にならん。」
少女は男の顔を横目に見る。
外では、いつの間にか雪が降り始めていた。
リーン…
風鈴が、小さく鳴る。
「メリークリスマス、相棒。」
「…メリークリスマス。」
皆さんがもらって嬉しかったクリスマスプレゼントは何ですか?
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