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16話 調査開始

無事、爆発を回避した主人公、黒鉄新庄はもう一度現場に戻って痕跡を探すことにした。

4月13日 水曜日

その後判明したことが沢山ある。

一つ目が犯人たちにハッカーがいることだ

学校の防犯カメラはネットワークカメラだ。その防犯カメラにハッキングの痕跡があったらしい。国見が体育館に入ったことが分かったのもそのおかげだろう。だが、この学校のカメラはより厳重なセキュリティで守られているはずだ。なのにハッキングできたということはよほどの凄腕ハッカーみたいだ。

2つ目、俺たちが追っていた爆弾魔だったということが分かった。

これはその時からわかっていたのだが、調査をしたところ本当だということが裏付けられた。

3つ目、爆弾魔が変人であること

今回、爆弾魔は普通に不意打ちで爆発させればいいのに予告爆破をした。これは人殺しを楽しんでいる奴らだということが分かる。

4つ目、爆弾魔は本当に爆発させる能力を持っているということ

金子に文章の嘘を能力で探してもらったが、文章中で嘘は『能力で爆発する』という部分のみらしい。つまり、『私の能力は視界内の狙った場所を爆発できる能力です』という部分は本当だったということになる。

最後に5つ目、今回の犯行は幸手を狙った犯行である。

この情報は俺の推測でしかないのだが、過去の事件を分析して次の標的になりそうな人間が幸手だった。まあ1年20組のメンバーの誰かを狙った犯行であることは間違いないと踏んでいる。確かに文に国見が探ったから爆破したと書いているが、それは爆発が起こった時に国見に責任を負わせるためのはずだ。単に恨みがあるわけではなかろう。

まだ校舎内は黄色いテープで塞がれていて焦げ臭い匂いが充満している。

雨が降っているせいか、いつもより暗い景色だ。


「朝から、熱心だな。金子」

「別に私は来たくて来たわけではありませんよ」

「金子の体調は大丈夫か?」

「なんでそんなこと心配するんですの?」

「いや、能力の使用には何かしらの身体への影響があるんじゃないかと」

「そういうことでしたか。あなたは鋭いですね」

「つまり今は具合が悪いのか?」

「いえ、今は大丈夫です。沢山糖を摂ればすぐ元気になりますから」

「能力の使用には糖が必要なのか?」

「人によって違うと思いますよ。それは私の場合です」


それが能力者の弱点と言っていいだろう。

だが、もし仮に能力の規模によって代償が変わるなら、爆弾魔は何を代償にしたのかいささか疑問だな。


「太らないのか?」

「とても失礼な質問をしますね……私は運動しているので大丈夫です」

「まあ、4大企業だからな」


4大企業の後継者には体術を必ず鍛えさせられる。

だから俺が金子と真っ向勝負で勝てるという自信は全くない。


「話してる途中悪いがこっちに来てもらえるか?」


国見に声をかけられた。


「その前に爆発した現場によってもいいか?」

「別に問題はないが….足元危ないから気をつけろよ」

「金子、お前も来てくれ」

「言われなくても」


現場に向かうとそこには息を呑む景色が広がっていた。


「爆弾魔は相当手練れてるな」

「みたいですね」


爆弾の配置、爆発の大きさが完璧だったのだろう。

体育館は酷く崩れているが、校舎の方にはなんの問題もなかった。

てっきり能力に任せっきりと思っていたが、しっかりとこれまでの事件でも爆弾を使っていたようだ。


「痕跡を探そうとでも思ったが、この有様じゃ無理そうだな」

「警察に任せるしか無さそうですね」


諦めて国見が指定した場所に行くことにした。


「で?なんでこんな場所なんだ?」


俺たちは車の中にある取り調べ室に案内された。


「ここでの情報は絶対に外に漏らしたくないからな」

「ハッカーがいるからか?」

「そうだ。いつどこで聞かれてるか分からないからな」

「その件なんだが…..」

「?」

「俺はハッカーなんていないと踏んでいる」

「どうしてだ?黒鉄」

「実は、学校のセキュリティ管理室の人間から情報を得ている」

「仕事が早いなー。で?」

「セキュリティ管理室の人間によると、ハッカーがハッキングした痕跡はあるがハッキングさせたということはなかったらしい」

「えーっと。どういうことだ?」

「詳しく説明すると、ハッキングされたら普通はシステムが異常を検知し、警報を鳴らすはずなんだ。だが、今回はならずにいつの間にかハッキングされた痕跡だけ残っていたらしい」

「相当凄腕のハッカーみたいだな」

「そうじゃない、ハッカーなんて居なかった」

「何言ってんだよ、矛盾してるじゃないか」

「ハッカーじゃない。これは能力だ」

「.......それは信じたくない情報だな」


俺だって信じたくないが、それだったら全てのことに納得がいってしまう。

爆弾魔にはもう1人くらい仲間がいてもおかしくないな。


「どちらにせよ、今度からは情報共有はここでしかでき無さそうだな」

「その通りだな」


この状況においては1人で策略を練り、それぞれ別で行動したほうがいいだろう。


「明日は学校あるのか?」

「どうだろうなー。俺は確認してないから分か..ピッピッピッピーピーピーピッピッピッ」


携帯から音がしたようだ。このリズムまさかモールス信号か⁈


「何かあったのか国見⁈」

「わりぃわりぃ。ふざけて電話の着信音変えたの忘れてた」

「なんだよー。着信音かよ」

「ん?この電話番号見たことないな」

「おい、その電話の発信源を逆探知できるか⁈」


その瞬間、国見は携帯を触っていないのになぜか通話が始まる音がした。


「国見さんは昨日の事件で疲れたでしょうか?」

「…….」


なーんだ。普通の電話じゃねえか。

あれ?でも国見は何か緊張している素振りを見せているな


「あれ、返事がありませんねぇ」

「…….」

「まあ、どうせそこにいるのでしょうし。大事な話をしておきましょう」

「?」

「次回の犯行予告をしましょう」


お読みいただきありがとうございます。

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