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第75章:彼らの原点 (Where it all began)

激突の火蓋


モトはリリーが走り去るのを見送った。その時、鉄格子のはまった窓越しに何かが彼の視界の端をよぎった。


眼下の中庭で、ビズレ(Bizure)がこちらを見上げている。


二人の視線が交差した。あの蹴りの記憶――その直後に訪れた、あの絶対的で特有の暗闇――が、モトの頭ではなく、肉体のどこかに重く沈み込んでいた。彼は鋭く睨み下ろした。ビズレは急ぐ様子もなく、傲慢なニヤリ笑いを浮かべて見返してきた。


モトは部屋を煙で満たした。灰色の霧が窓を完全に塞ぐまで、彼はビズレから目を離さなかった。


そして――ドォォォンッ。


独房ブロックの壁が外側に向かって爆発した。モトは射出された何かのごとく瓦礫を突き破り、ビズレに向かって一直線に突っ込んでいった。


ビズレが警棒バトンを抜き、振り抜く。モトは両腕を上げてガードした。その衝撃は、そのスイングの軌道からは到底考えられないほどの威力でモトを後方へと弾き飛ばした――彼は刑務所の外壁に激しく叩きつけられ、彼の体の輪郭に沿って石壁に亀裂が走った。


ビズレは手の中で警棒を回しながら、ダメージの具合を観察した。「ふぅ。こりゃあ、かなり不公平な代物だな」彼は瓦礫の方を見た。「まだ生きてるだろ? これ、置いてやろうか? ハンデをやるよ」


モトは胸に乗っていた岩の塊を払い除け、立ち上がった。「好きにしろ」


「オーケイ」ビズレは警棒を放り投げた。それはカランと音を立てて石畳に転がった。「どうせ今夜は、器物破損を最小限に抑えなきゃならないしな。税金だからよ」


モトが突撃した。猛烈な連撃――蹴り、拳、彼が持つあらゆるコンビネーションを叩き込む――だが、ビズレは動かなかった。体重移動すらしなかった。モトは軸足を回転させ、さらに重い一撃をビズレの胸に撃ち込んだ。その衝撃は、ビズレの肉体ではなく、ビズレの足元の地面を通して『ズシン』という特有の重い音を響かせた。


彼は後方へ飛び退こうとした。だが、ビズレはすでにそこにいた――空中のモトを掴み、その腹の奥深くに拳をねじり込む。


モトの中から、すべての空気が一瞬にして抜け出た。彼は地面に崩れ落ちた。


上層の通路から見ていた囚人が顔をしかめた。「あいつの腹パンかよ。あの坊主、あれ食らって立ち上がれるわけがねえ」


モトは、立ち上がった。片手で腹を押さえ、その目は鋭く動いていた。ビズレは歩き回り、喋り始めた。モトはその丸まった姿勢の陰に隠れてクナイを引き抜き、ビズレの胸に向かって弾き飛ばした。


ビズレはそれを顔の数センチ手前でキャッチした。「何十年も経験積んでるんだ。見かけより素早いぜ?」


モトがニヤリと笑った。彼の人差し指とクナイが、カミソリのように細い一本の煙の糸で繋がっていた。彼がそれに引火する。火花が糸を走り抜け、ビズレの顔面でクナイを起爆させた。


煙が晴れる。ビズレの顔は――無傷だった。しかし、彼の靴の片方が、数メートル離れた場所で煙を上げて転がっていた。


(爆発したのは頭のところだったはずだ)モトは頭の中でそれをファイルした。


戦闘が再開される。モトは慎重に動き、試し、観察を続けた。彼は左手に火を点けて跳躍し――燃え盛る拳を相手の中心センター・マスへと撃ち込んだ。だが衝突の直前、ビズレが手を伸ばし、モトの下部肋骨を指一本でコツンと叩いた。


威力が、跳ね返ってきた。モトは自分自身の打撃の全質量を食らい、壁に激突した。


石壁に寄りかかってずるずると崩れ落ちる彼の額を、血が伝い落ちる。彼はビズレを見上げた。


ビズレはその血を見た。そして、これほどの状況にあってもなお少年の瞳に明確に書き込まれている、あの特有の反抗の色を見た。


彼の中で、ずっと奥底に埋めていた何かが表面に浮かび上がってきた。


エイプワース(Apeworth)


彼らは若かった。ビズレはいつもトラブルメーカーだった――年上の子供たちに喧嘩を売り、そして逃げる。後に残されたバイロンが両足を踏ん張り、その喧嘩の始末をつける。そしてビズレはいつも戻ってきた。それが、彼らのパターンだった。


彼は自分の時間の半分をバイロンの家で過ごした。彼らはサンゴとパシ(Pasi)の国境にある川沿いで遊んだ。そこは両国からの環境放射線が衝突し合う場所であり、死亡率は驚異的で、ごく稀に、その残酷な環境がある特定の人々に「並外れた何か」を与えるような場所だった。


ビズレは常に「ここを出て行く」ことばかりを話していた。この泥沼から抜け出すこと。対照的に、バイロンは自分たちの出身地に並々ならぬ誇りを持っていた。ビズレがそこを『不法占拠者のキャンプ』と見るのに対し、バイロンは『他の誰なら死んでいるような環境を生き抜いた人々』と見ていた――打たれ強く、独立心が旺盛で、この場所に壊されたのではなく、この場所によって鍛え上げられた人々だと。


ヤスミン女王(Queen Yasmin)の軍隊が「提案」を持ってやってきた日、ビズレはそれに飛びついた。バイロンは最初から不安を抱いていた。


やがてその「提案」は「強制」へと変わった。軍隊が再び現れ、彼らが差し出さなかったものを力ずくで奪っていった。彼らはエイプワースを焼き払った。そこにいる人々がどの国にも属していないという理由で、世界の残りの国々は見て見ぬふりをした。


彼らは泥の中に一列に並ばされ、サンゴの将軍の前に跪くよう命じられた。


バイロンは拒否した。


将軍が彼に歩み寄る――剣の柄に手をかけ、顔をこわばらせて。「女王に命を捧げると誓え」


バイロンは顔を上げた。「俺に女王などいない」


将軍の顔が歪んだ。彼が剣を抜くよりも早く、ビズレが二人の間に飛び込み、土下座をした。「どうかお許しください、閣下――こいつは放射線のせいで頭がおかしくなってるんです。ただの欠陥品なんです。時間をくだされば、必ず私が従わせてみせますから!」


将軍は嫌悪感を露わにし、彼らを見逃した。


そのたった一度の「拒絶」が、反乱の最初の礎石となった。バイロンはエイプワースの人々に、サンゴが我々を襲ったのは、女王が「我々が何になり得るか」を恐れたからだと説いた。我々は二度と屈しないと、彼は誓った。


その後、ビズレは何度も試みた。何度も。バイロンに理性を説き、世界が実際にどう動いているかを分からせようとした。だが、やがて彼は理解した。バイロンは、ビズレにはついて行けない場所へと向かおうとしているのだと。だから彼は、自分の選択をした。階級を登り詰めること。快適さと称号と、ずっと望んでいた「テーブルの上の席」を追い求めることを。


その重みを背負ったバイロンは、自分の民に対するより深い義務感を感じるようになった。そしてエイプワースの灰の中から、何かが生まれたのだ。


反発リバウンド


土埃が収まった。モトは額の血を拭い、ビズレを見た。


(俺の体ではなく、地面を抜けていったあの重い音。爆発したのは顔だったのに、吹き飛んだのは靴。俺自身のパンチからの反発)


(あいつは、物理エネルギーを『転送』しているんだ。運動エネルギー、衝撃、あらゆるダメージを――衝突の瞬間に掌や素足が触れているものへと『リダイレクト』している。あいつにダメージを与える唯一の方法は、あいつが地面グラウンドに接触していない時だけだ)


モトの表情が変わった。一呼吸の間に、作戦が組み上がった。


ビズレはその目の変化に気づいた――『謎が解けた』ことを意味する、あの特有の光。彼は肩を回し、素足を石畳にしっかりと押し付けた。


「……頑固なガキだな、お前は」彼が言った。


沈みゆく闇


地下。ナジョが自分の力技をことごとくカウンターし、一向に疲労の色を見せないことに苛立ったウナギ(Eel)は、戦術を変えた。彼は頭上の照明に暴力的な電流のサージを送り込み、部屋を完全な暗闇へと突き落とした。


ナジョの目が暗闇に順応し始めるよりも早く、ヌルヌルとした手が彼の足首を掴み、彼を足から引き倒した。彼は石の床を引きずられ、そのまま深い水のプールへと引きずり込まれた。


ドアがバタンと閉まるように、冷気が彼のシステムを直撃した。彼はもがいたが、ウナギのグリップは鉄のようであり、彼を暗闇の底へと引きずり込んでいく。彼は雷へ手を伸ばし――止めた。完全に水没している。今ここで雷を使えば、自分自身が生きたまま茹で上がってしまう。


彼の肺が燃えるように痛み始めた。最後に残った酸素が小さな泡となって逃げ出し、ひどく遠く感じる水面へと昇っていく。暗闇が、彼を包み込んだ。


自由落下フリーフォール


刑務所の上空二キロメートル。風は凍りつくように冷たく、そして絶対的だった。


ホーク(Hawk)は、スネークが自分と交戦するのを待つのをやめていた。彼女は彼の襟首を掴んで飛び立ち、眼下の景色がミニチュアの地図のようになり、空気が薄く冷たくなるまで上昇した。


彼女は止まった。彼の目を、真っ直ぐに見据えた。


そして、手を離した。


彼女は翼を広げ、反対方向へと飛び去っていった。


重力が、仕事を引き継いだ。大地が猛スピードで迫ってくる中、風がスネークの耳元で悲鳴を上げる。再会して以来初めて、彼の額に冷や汗が浮かんだ。


(あいつ……マジでやりやがった!)


ゼンの路地裏


催涙ガスが充満する回廊で、エイモンの手札は完全に尽きていた。


彼の分身たちは――盲目になり、むせ返りながら――つまずき、倒れた。トマト(Tomato)が彼らの間をのんびりとしたペースで歩き回り、一つ一つに足を下ろしていく。グシャッ。消滅。次。消滅。オニオン(Onion)が回廊の奥からそれを見て、笑っていた。


そして、残り一人になった。


エイモンは両膝をついた。目が燃えるように痛み、視界は苦痛の中に溶け込んでいる。トマトの刃の冷たい切っ先が、自分の胸の中央に押し当てられるのを感じた。


他に何の選択肢もなくなった時、彼の心は予期せぬ場所へと飛んだ。反乱軍でもない。友人たちでもない。彼が思い出したのは、ゼン(Zen)のことだった。かつて通りを駆け回り、自分を追いかけてきた僧侶たちのこと。彼はいつも、自分はあの場所が嫌いだと言い聞かせてきた――あの厳格さ、期待、王宮の壁を。


だが、サンゴの刑務所の回廊の床に座り込み、胸に刃を突きつけられている今、振り返ってみれば――あれは、楽しかった。僧侶たちは、理不尽なほど彼に対して忍耐強かった。グリレットが自分の背後でずっと何をしていたかを知った今となっては、彼らの忍耐の意味がより深く理解できた。彼が逃げ出し、戻ることを拒絶した時でさえ、一般の市民たちは彼が飢えないように路地裏に食べ物を置いておいてくれた。


彼らは、いい人たちだったのだ。


奇妙な安らぎが、彼を包み込んだ。


彼は悲鳴を上げるのをやめた。もがくのもやめた。燃えるような目を閉じ、ただ待った。


バグ(The Glitch)


刃が空気を切る音。


それに続いて、濡れたものを切り裂くような連続した音が響き、何か重いものがエイモンの肩と、その周囲の床にドサドサと落ちてきた。


彼は勢いよく目を開けた。


トマトがいなくなっていた。彼の代わりに:細かく賽の目に刻まれ、ピクピクと痙攣する濡れた植物の山がそこにあった。


エイモンは甲高い声を上げ、後ずさりして上を見上げた。


その残骸の上に、リリーが立っていた。


彼は自分の口をパチンと手で覆った。(落ち着け。クールに振る舞え)。彼は咳払いをして、どうにか「計算通りだった」と見えなくもない姿勢を作った。「……あいつらの気を逸らしてやってたんだ」


「大丈夫!?」リリーが目を丸くしている。


「ああ、まあな」彼の声がわずかに裏返る。「君が俺について知らないことは、まだまだ山ほどあるのさ」彼はポーチに手を伸ばした。「少し時間を稼いでくれ。分身たちを回復させるために、このハーブが必要なんだ」


「任せて」と彼女は言った。


細かく刻まれた植物の山は、すでに痙攣し始めていた。蔓が互いにくっつき合い、根が根を見つけ、トマトが切断された体を再び一つの形に引き寄せ、落とした刀へと手を伸ばしている。


エイモンの動きが止まった。


彼の『精霊視スピリット・アイズ』が、リリーには見えないものを捉えたのだ。


彼女の肩のすぐ上に浮かび、彼女と全く同じ構えを取りながら、彼自身の幻影の刃を構えているもの。――剣の中に住む精霊。長く不在だった者が、馴染み深い場所へと戻ってきた時のように、その戦いの中にすんなりと収まっている。


だが、その精霊が体重を移動させた時、エイモンは目を細めた。


精霊の首の周りに――生々しく、深く傷つき、エーテル状の肉体に焼き付けられた、『人間の手』の形と寸分違わぬ火傷の跡があったからだ。

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