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第67章:エイプワース (Apeworth)

下層都市アンダーグロース ―― 司令室


スネークは、警告なしに力を解放した。


部屋が、とぐろを巻くような圧倒的な重圧で満たされる――野生でもなく、攻撃的でもない。意図的で、制御された圧力。全身のタトゥーの端から端まで緑色の光が走り、それは明滅することのない、絶対的な輝きを放っていた。


トンネルが削られる地鳴りの音が、ピタリと止まった。


バイロン(Byron)が、完全なゴリラの姿へと変貌した。


その変化は一瞬だった――筋肉が膨張し、彼を中心に部屋が縮んだように感じられる。嵐が谷を埋め尽くすように、その巨体が空間を占拠した。彼は前へと踏み出し、スネークの顔面数センチの距離で、雷鳴のような咆哮を轟かせた。


二人とも、一歩も引かなかった。


二つの意志。一つの部屋。どちらも振るうつもりはないが、どちらも引っ込める気はない『暴力』という名の問いかけが、二人の間で火花を散らして宙に浮いていた。


バイロンが先に、力を収めた。


ゴリラの姿が溶け、筋肉が後退し、人間の男の姿へと折り畳まれていく。彼は大きく息を吐き出し、二本の指で鼻梁をこすった。


「分かった」彼はくぐもった声で言った。「偵察を出そう。クライブ(Clive)だ」


スネークはゆっくりと腕を下ろした。「シクストゥス(Sixtus)も同行させる」


バイロンは手を振った――苛立ちではなく、ただ関心がないというように。「好きにしろ」


シクストゥスがスネークの腕からスルスルと解け、クライブの肩へと滑り移り、舌を出し入れして空気を味わった。偵察部隊が部屋を出て行く。


「エイモン(Aemon)」


エイモンは凍りついた。


バイロンは地図から目を離していなかった。「従妹から、お前のことは聞いている」


理由を完全に理解するよりも早く、エイモンの胸に結び目ができた。半分は好奇心、もう半分は、リリーが従兄に自分のことを話していたという事実が何を意味するのかを察知した、より古く賢明な「恐怖」だ。彼は動かずにじっとしていた。


「お前はゼン(Zen)の出身だな」とバイロンが言った。


「ああ」


「よし。残れ」


部屋を出て行くスネークと、エイモンの視線が交差した。その表情は『殺されなきゃ御の字だな』と語っていた。そして、重い扉が密閉される。


エイモンはバイロンと二人きりになった。沈黙には、確かな重みがあった。


「ここへ来い」


四歩、前へ。彼の背後で、暗い影が一瞬だけ明滅して形を成した――『激怒レイジ』だ。かろうじて姿を保ちながら、警戒を露わにしている。


バイロンは放射線マップに向き直った。「我々が向かう場所は、サンゴとパシ(Pasi)の境界に位置している」彼は地図上の、傷跡のようにえぐられたポケット状の地帯を指差した。そこは『生命の鉱石ライフ・オア』と『人体の鉱石ヒューマン・オア』の影響が重なり合い、互いに削り合っている地帯であり、「立ち入り禁止」を意味するおどろおどろしいシンボルでマークされていた。


エイモンの視線がそこをなぞる。「その地帯は、人が住めるような場所じゃないぞ」


「『普通の人間』にとってはな」とバイロン。「私の民は、もっと酷い環境を生き抜いてきた」


エイモンはそれに対しては、無表情を貫いた。


「私はパシの能力を持っている」バイロンが続けた。「サンゴの変身体とは全く別の力だ」彼は前触れもなく、床に拳を叩きつけた。部屋が揺れる――衝撃の瞬間から衝撃波が外側へ向かって放射状に広がり、天井から土埃が降り注いだ。


エイモンは石の床に入った亀裂を見た。「あなたの拳から放たれる衝撃波。……人間の姿の時だけ、使えるんだな」


「私はこれを、変身した状態でも使いたいのだ」バイロンは言った。彼は自分の手を握りしめ、それを見つめた。「その力が私の中に『ある』のか、それとも無意識に自分を『抑え込んでいる』だけなのか、知る必要がある」


「そして、そのために俺が必要だと――」


「ゼンにはハーブがある」バイロンが顔を上げた。「『真の力』を明らかにするハーブだ。自分が本当に内包しているものの真実を、見せてくれるという」


エイモンはゆっくりと頷いた。ハーブの効能はまさにその通りだ――それは何かを「与える」ものではない。ただ干渉を取り除き、自己疑念を消し去り、肉体ができることに対して精神が無意識に課している「限界」のストッパーを外すだけだ。だが、その結果明らかになるものに対して、何の保証もない。


「それは、そこにある『現実』を見せてくれるだけだぞ」エイモンは言った。「その真実をどう扱うかは、あんた次第だ」彼は一拍置いた。「ただ――もし上手くいっても、俺を殺さないでくれよ」


バイロンは長く、感情の読めない目で彼を見つめた。


「上手くいくように祈るんだな」と彼は言った。


サンゴ ―― 警察署、取調室


モトは金属製の椅子にぐったりと座り込んでいた。疲労はもはや「感覚」ではなく、「状態コンディション」になっていた。四肢のすべてが、ただ自分にぶら下がっている重りでしかないように感じられた。


ビズレ(Bizure)が歩き回り、テーブルに拳を叩きつけ、部屋中を怒声で満たした。「奴らはどこだ!? 誰かを守っているつもりか? テロリストへの忠誠心が、自分を崇高な人間にしているとでも思っているのか!」


シカダ(Cicada)はモトの向かいに座り、落ち着き払っていた。「モト。もしあなたが何か――どんな些細なことでも――知っているなら、これ以上血が流れる前に、私たちに協力して」


「言っただろ」モトが答える。「俺は、知らない」


ビズレがモトの隣の椅子を蹴り飛ばした。金属が床に激突し、甲高い音を立てる。


「ビズレ」シカダの声が鋭く飛んだ。「外へ出て」


廊下に出ると、彼女は彼を振り返った。「あのやり方じゃ、何も引き出せないわ」


ビズレの顔から、仮面が剥がれ落ちるように怒りが消え去った。彼はタバコを取り出し、火をつけながらニヤリと笑った。


「俺はバイロンを知っている」と彼は言った。煙が渦を巻く。「俺たちは同じ孤児院で育ったんだ」彼はタバコを深く吸い込んだ。「あいつのような情熱は、最初は『運動ムーブメント』のように見える。だが、そのうち化けの皮が剥がれる。あれはただの『独裁』だ」彼の視線がドアへと向けられた。「あいつの行動は予測できる。……俺のリードに合わせろ」


ビズレは再び怒鳴りながら部屋に戻り、テーブルを二度叩きつけ、まるで自分を抑えきれないかのように再び部屋を出て行った。――そのすべてが、完璧に計算された『演技パフォーマンス』だった。


シカダがモトへと身を乗り出し、声を潜めた。「私が追っているのは、あなたじゃないわ。バイロンよ。彼はあなたを追放した――私の言っている意味が分かるはずよ。それが彼のやり方なの。彼は忠誠心を築き上げ、そして『突き放す』ことでそれを試すの。彼の反乱は運動なんかじゃない。一人の男の意志を中心に構築された、ただの独裁構造よ」


モトはうつむいた。その言葉は、彼が「そうなのではないか」と恐れていた事実の急所を、正確に突き刺していた。


「もしバイロンさえ排除できれば」シカダが言った。「残りの人々とは、理知的な対話ができるはずよ」


彼は疲れていた。彼は一人だった。あの路地裏に捨てられて以来、ずっと一人きりで、その孤独の重みは蓄積され続けていた。


「俺は本当に、あいつらがどこにいるのか知らないんだ」彼は口を開いた。「追放される前に聞いたのは、どこかへ行くってことだけだ。あいつらは、そこを『すべての始まりの場所』って呼んでた――」


ビズレが、勢いよくドアを押し開けて戻ってきた。


彼は、満面の笑みを浮かべていた。


「モト」彼は心からの親愛を込めたような声で言った。「お前って奴は、本当に美しくて、純真な坊やだな」


シカダが瞬きをした。


ビズレの頭脳はすでに回転し、次の三つの手を読んでいた。「エイプワース(Apeworth)」彼は誰にともなく呟いた。「……なるほどな」


ロザリオ・ピー(Rosary Pea)部隊に、一時間以内に命令が下された。待ち伏せし、必要ならば殺害せよ。


タンド(Thando)が逮捕されたのは、その直後のことだった。


エイプワース ―― ゴーストタウン


モトは警察署の外に座り、その横でビズレがタバコを吸っていた。


「情報が裏付けられるまで、お前を解放する気はないぞ」ビズレが言った。


「あいつらを、どうする気だ?」モトが尋ねる。


ビズレは夜の闇に向かって長い煙を吐き出し、有益なことは何一つ答えなかった。


そこから何マイルも離れた場所で、トンネルの掘削音が停止した。


「着いたぞ!」


廃墟となった建物の中で、ハッチが開いた。土の階段が上へと伸びている。反乱軍の兵士たちが一人、また一人と日の光の下へと姿を現し、まばたきをしながらエイプワースの景色を見渡した。崩れかけた建造物。石を飲み込もうと這い回る蔓。時間に見放された場所特有の、深い静寂。

だが、その下に『最近の手入れの跡』があった。切り開かれた小道。補強された出入り口。何かが、ここに住んでいる。


「バイロンが、一人で全部これをやったのか?」誰かが囁いた。


廃墟の陰で、ロザリオ・ピー部隊が息を潜めて配置についていた。


最後に、バイロンが姿を現した。


彼はゆっくりと息を吸い込んだ。彼の姿勢の何かが変わる――肩の力が抜け、こわばっていた顎が緩む。彼の「家」だ。


十歩。二十歩。


――シュッ。


毒矢が、彼の首に突き刺さった。


廃墟が、爆発したように動き出した。


粘着性の毒弾が飛び交う。反乱軍の兵士たちが次々とその場に倒れ込む。バイロンは咆哮と共に変身し、兵士たちを羽虫のように投げ飛ばし、その足元の地面を衝撃波で粉砕した。さらに矢が飛ぶ。命中する。無数の射撃が彼を捉えているにもかかわらず、彼はまだ立っていた。


「なんで効かないんだ!?」誰かが絶叫した。


その答えは、赤く燃え上がっていた。――バイロンの皮膚を覆う、脈打つオーラ。彼の体から外側へと放射される衝撃波が、接触する前に毒弾をことごとく弾き飛ばしていたのだ。パシの力が、サンゴの変身体と並行して稼働していた。


部隊の隊長が毒づき、トンネル制圧チームに合図を送った。


彼らは地下へと突入した。


そして、そこで待ち構えていたスネークと対峙した。


壁から壁まで、トンネル全体が緑色の光で満たされていた。シクストゥスが彼の肩でとぐろを巻き、巨大な姿でいつでも襲いかかる準備を整えている。スネークの表情は、決断を下し、もはや迷う必要がなくなった者特有の、恐ろしいほどの静けさに包まれていた。


誰一人として、彼を通り抜けることはできない。

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