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第64章:追放 (Exile)

下層都市アンダーグロース ―― VIP区画


この数日間の過剰な厚遇は、ナジョの肌を粟立たせていた。


質の良い食事。隔離された個室。彼が気づいていないと思っている時に、視界の隅から彼を監視する警備兵たち。それは『敬意』から来るものではなく、『資産管理』の観点から来る特有の性質を持った視線だった。


彼はこの感覚を知っていた。ニカでのあの日の直前、ドープとガンゴも全く同じ目で彼を見ていたのだ。


彼はふかふかの椅子から唐突に立ち上がった。「もうウンザリだ」彼は言った――今や自分が生きている『無音』の世界に対して調整が効いていないため、意図したよりも大きな声が出た。「メインキャンプに戻るぞ」


警備兵たちが顔を見合わせた。


そのうちの一人が、素早く動いた。


ナジョの目がその手の動きを捉えるよりも早く、針が彼の首に突き刺さった。


ナジョの目が白転する。足から力が抜け、倒れ込む途中でベッドに崩れ落ちた。警備兵は、急ぐ様子もなく残りの体をベッドの上へ横たえた。


「何をしたんだ!?」もう一人の警備兵が歯擦音を立てた。


「あいつ、出て行こうとしてただろ」最初の警備兵が姿勢を正した。「こいつを失うわけにはいかない」彼はナジョの意識を失った顔を見下ろした。「もし後継者殿が大人しく協力しないなら、ジニンビ(Ginimbi)に身代金を払わせればいい。簡単な話だ」


下層都市 ―― 中央大空洞


バイロン(Byron)が変身を終えた。


彼は巨大な姿でそびえ立っていた――そびえ立つゴリラ。腕と肩は鮮やかな赤い毛皮に覆われ、分厚い筋肉の層が重なっている。巨大な空洞が、急に狭く感じられた。そこにいるすべてのサンゴの原住民が、全く同じ瞬間に同じものを感じ取っていた。彼らの生物学的な本能が、未だ進化で乗り越えられていない『ある存在』を認識したのだ。


頂点捕食者アペックス・プレデター


完全な静寂が落ちた。


バイロンの声が、遠雷のようにその静寂を揺らした。


「我が同胞たちよ」彼は言葉の重みを浸透させるように間を置いた。「よくぞ防衛線を持ち堪えてくれた。私が不在の間にも、お前たちが成長したことが見て取れる」


くすぶる恐怖の下で、群衆の中に誇りが波打った。


彼の眼差しが、鋭く硬くなる。


「ロザリオ部隊(Rosary Squad)の知らせが、一部の者を動揺させていることは知っている。だが、恐れることはない。私は我々のための『場所』を準備してきた――すべての始まりの地、あの遺跡だ。我々は、この暗闇の中でコソコソと一生を終えるつもりはない」


彼の存在感が、空間を支配する。


「我々はフローラに対して蜂起する。女王を玉座から引きずり下ろすのだ!!」


空洞が爆発した――激怒と希望が同じ呼吸の中で吐き出され、もはや区別がつかないほどの熱狂となって渦巻いた。


モトはうつむいた。刑務所にいた時から押し殺してきた思考が、再び頭をもたげてきた――疑念。自分は今、正しい場所に立っているのだろうかという問い。


「……奴らと戦う必要はない」彼は言った。


かろうじて聞き取れるほどの声。歓声がそれを丸ごと飲み込んだ。


バイロンの首が、彼の方へと鋭く向けられた。


その後に続いた静寂は、「これ以上騒ぐべきではない」と悟った巨大な空間特有の、あの不気味な静けさだった。


リリーが前に出た。「バイロン、この子はただ――」


「こいつの言葉を聞こう」バイロンの声は低い唸り声のようだった。「大きな声で言ってみろ、小僧」


モトは顔を上げた。「戦争なんてする必要はない。対話ができるはずだ。別の道を模索するんだ」


「対話、だと」バイロンの毛が逆立った。「我々がこれまで、対話を試みてこなかったとでも思っているのか?」


「彼は外国人なの」リリーが庇う。「だから私たちの事情が分からなくて――」


「この場所を見てみろ」バイロンは巨大な片腕で空洞全体を指し示した――人々、炎のランプ、水路、他に行き場がないが故に地下に築き上げられた文明そのものを。「対話が、ここの連中の腹を満たしてくれたとでも言うのか? フローラの貴族どもが、すでに『人間ではない』と見なした我々と同じテーブルに着いたことなど、一度でもあったか!?」


「『意志あるところに、道は開ける』」モトは言った。呼ばれもしないのに、アッシャー(Asher)の言葉が口をついて出た。


バイロンは、自分の顔がモトの顔と同じ高さになるまで身をかがめた。


「意志」その言葉は、天秤にかけられ、全く重さが足りないと判断されたもののように吐き出された。「お前は我々に、ただ『それを望む気持ちが足りないだけだ』と言い放つのか」


「血を流す前に、試すべきだと言ってるんだ」


「試した者たちは」バイロンは、ひどく静かな声で言った。「全員、死んだ」


群衆の中にざわめきが広がった。後ろの方から声が飛ぶ。『地上の奴に、俺たちの何が分かるっていうんだ?』 別の声が続く。『地上の住人は地上へ送り返せ!』


群衆の空気は、群衆特有の恐ろしい速度で反転した。ほんの少し前まで空気に満ちていた「希望」はまだそこにあったが、今やその矛先が全く別のものへと向けられていた。


リリーが仲裁に入ろうと動いた。バイロンが姿勢を正す。


「敵の立場を代弁する者は」彼は空洞全体に向かって宣言した。「何人たりとも『敵』だ」


彼は、モトを指差した。


「こいつを俺のキャンプから叩き出せ」


複数の手がモトの腕を掴んだ。彼は抵抗しなかった。自分の言葉がここでは何の足場パーチェスも持たないことを、彼は理解していた。暴れたところで、その事実は変わらない。


「バイロン、お願い――彼は私たちを助けてくれた、いい奴なのよ――!」

リリーの悲痛な声が、トンネルへと引きずられていく彼の背中を追ってきた。


暗闇が迫る。トンネルを抜け、やがて地上の空気が肌を打つ。冷たく、湿った空気。


彼らはモトを、ファウナ区画の雨に濡れた路地裏へと放り投げた。彼は硬い舗装路に激しく叩きつけられ、頭上の入り口が塞がれる中、そのまま地面に横たわっていた。


土埃が舞い落ちる。


雨が降る。


彼は街を見上げた。活字の力によって、彼が何者であるかをすでに決定づけてしまった街を。


一人の反乱軍の男が、他の者たちに続いて地下へ戻る前、路地の入り口で一瞬だけ躊躇した。


「悪く思わないでくれ」その男は言った。「俺たちも昔は、あんたと同じ場所にいたんだ」彼は少しの間、モトを見下ろした。「でも、俺たちはもうその段階を過ぎた。反撃の準備はできてる。もう誰にも、俺たちを止められはしない」


彼は去っていった。


路地裏に、静寂が戻った。


モトは横たわったまま動かなかった。


彼は、見知らぬ都市の路地裏で初めて一人ぼっちになった時のことを思い出していた。ニカ。アッシャーが彼をそこに置き去りにした時のこと。

彼が泣いていた時、シェウ(Sheu)がやって来た――慎重に近づき、通りの端では彼女の父親が待っていて、彼女は彼が再び立ち上がるために必要なすべてを、無償の優しい声で与えてくれた。


今回は。誰も来てはくれない。


彼はそこに横たわり、その事実の重みを全身で受け止めた。


それから。彼は立ち上がった。

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