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第63章:拒絶 (Rejection)

下層都市アンダーグロース ―― その日の夜遅く


彼らがトンネルを抜け、中央大空洞セントラル・キャバーンに姿を現した瞬間、下層都市が爆発した。


反乱軍レベルの人々が押し寄せ、歓声が空間を波のようにうねり、岩の天井に反響して倍の音量となって降り注ぐ。リリー(Lilly)がむき出しの刃を高く掲げると、炎の光がその未完成の金属を照らし出した。所々が粗削りで、まだ「中断された何か」の形を残している。磨き上げられてもいない。完成もしていない。


だが、それは本物だった。


「やったな!」モトがニヤリと笑って声をかけた。


リリーは首を横に振った。彼女の呼吸は落ち着いていた。「まだ終わってないわ」と彼女は言った。「私の先祖は、長い間待ち続けてきたの。今から鍛冶を始める。完成するまで、絶対に手を止めないわ」


歓声は鳴り止むどころか、さらに深みを増した。それは単なる騒音から、より確固たる『意志』のようなものへと変わっていった。


エイモンは少し離れた場所からその刃を観察していた。彼はそれを『感じる』というより、『気づいた』のだった――金属の奥底にある性質。忍耐強く、そしてひどく古い何か。急ぐことなく待ち続け、未だ結論を下していない何かの気配を。


リリーが群衆から離れ、彼の方へ歩み寄ってきた。その手には、六枚葉のハーブの小さな束が握られている。


「カリバ(Kariba)で見つけたの」彼女はシンプルに言った。「あんたに必要かと思って」


約二秒間、エイモンの脳は完全に機能停止した。「あ……えっと――ありがとう。その……すごく、優しいんだな」


彼女は一度だけ微笑み、鍛冶場の方へと向き直った。


――ポンッ。


動きの途中で『ラブ』が具現化し、両手で胸をギュッと押さえた。


「今の、ビユーーティしすぎたよね!!」『愛』が叫ぶ。


分身たちの統率が同時に完全に崩壊した。エイモンはよろめいた。分身たちが折り重なるように崩れ落ちる。


モトは、リリーが鍛冶場の赤光の中へと消えていくのを見送った。それから、地面に倒れ込んでいるエイモンを見下ろした。


「おい」モトはゆっくりと言った。「お前、あいつのこと好きなんだろ。違うか?」


エイモンは瞬きをして彼を見上げた。「お前、知ってるんだと思ってたぞ」


モトは眉をひそめた。「なんでそう思ったんだ?」


エイモンの口がポカンと開いた。


「じゃあ、トーナメントの間、俺とリリーが一緒にいる時にお前がずっと冷たい態度をとってたのは、何だったんだよ!?」


モトは小首を傾げ、心底不思議そうに考え込んだ。


「俺よりお前の方が早く強くなってるから、それに嫉妬ジェラシーしてんのかと思ってた」


エイモンは両手で顔を覆い、深いため息をついた。


「グリレット(Grillet)があんなこと言ってた後で」彼はくぐもった声で呟いた。「お前はただ……ずっと純粋なだけだったのかよ」


祝宴に沸く下層都市の喧騒の中、二人はしばらくの間そのまま転がっていた。


モトが身じろぎした。「グリレットといえば。あいつ、まだお前の中にいるのか?」


「ああ」エイモンは天井を見つめた。「そう簡単には消えてくれないさ」


エイモンの精神世界


激怒レイジ』が扉の前に立って見張りをしていた。


彼の背後には、エイモンが構築した構造物がある――何層にも重なり、高密度で、強化された空間。彼自身の内側にある牢獄。立方体がマトリョーシカのように入れ子構造になり、その壁の一枚一枚が彼自身の『選択』でできている。


その内側では、グリレットがスプレー缶を手に床に大の字で転がり、顔いっぱいにニヤリとした笑みを浮かべていた。かつて真っ白だった壁は、グロテスクな絵で黒く塗りつぶされている――エイモンが壊れ、見捨てられ、孤独に終わる何百通りもの結末の絵で。


「あいつは俺の『悪徳ヴァイス』なんだ」とエイモンが言った。


「悪徳?」モトが繰り返す。


「『信頼トラスト』が説明してくれる」


『信頼』が一歩前に出た。その声は平坦だった。「たとえ支配的だった分身が敗れても、最も長い時間と最も多くの関心を向けられていた分身は、この内面世界においてある種の『残留権限』を持ち続けるんです。他の分身たちが外でダメージを受けてここへ退却してきた時、その回復のプロセスはグリレットを経由して行われることになります」


『愛』が腕を組んだ。「レンズのようなものだと考えてほしい。誰もが何かを通して世界を見ているんだ――愛、怒り、恐怖、喜び。その『レンズ』が、その人の見る世界を形作る」


『信頼』が続ける。「愛を通して世界を見る者は、なぜ自分が傷ついたのかを問います。怒りを通して見る者は、どうやって反撃するかを問うのです」


エイモンは、何層にも重なる壁越しにグリレットを見た。


「レンズが、すべてを形作るんだ」彼は静かに言った。そして、少しの間を置いてから、「お前のレンズは、一体何なんだろうな」と言った。


彼はモトに向かってそう言ったのだ。


モトには、その答えが分からなかった。彼はしばらくの間、それについて考え込んだ。


サンゴ ―― フローラ医療バンカー


バンカーの中は、すでにこの状況を経験したことのある者特有の、静かな切迫感で動いていた。衛生兵たちが物資を詰め込み、ストレッチャーを確認し、次々と手渡しで指示を出していく。その喧騒の中心で、落ち着き払って指揮を執っているのがクナ(Kuna)だった――彼女から発せられる温かさが、この空間全体の切迫感を、実際よりもいくらか和らげていた。


彼女はタナカを見つけると、微笑んだ。


「随分時間がかかったわね」彼女はそう言うと、タナカを短く抱きしめた。


「どうして私だと分かったの?」タナカが尋ねる。


物資ラックの陰から、マカ(Maka)が姿を現した――タナカと血縁関係にあると分かる程度には似ており、しかし明確に違うと分かる程度には異なる顔立ち。彼女は何も言わず、ただタナカを観察していた。


「どっちにしても、ここでの仕事は終わりよ」クナが言った。「患者の状態は安定したわ。私たちは東の基地に再配置されるの」彼女は歩き出し、タナカもその横に並んだ。


通路を行き交う兵士たちがクナに挨拶をする。子供たちが手を振る。何人かが駆け寄ってきて彼女の脚に抱きつくと、彼女は誰かに教えられるまでもなく、一人一人の名前を呼んだ。


「あの人に、会った?」前を向いたまま、クナが尋ねた。


タナカには、彼女が誰のことを言っているのか分かっていた。「偶然ね。彼が存在しているかどうかなんて、私がとっくの昔に気にしなくなってからの話よ」


「彼……ただ、近くに降り立ったのよ。微笑みながら。何事もなかったかのように」


マカの歩調がわずかに遅くなった。


「私があいつに、あいつがどういう人間かを正確に教えてやったわ」タナカが言った。「あいつは笑ってた。そして、飛んで逃げていったわ」


数歩の間、沈黙が落ちた。


「患者の様子を見てこなくちゃ」クナが静かに言った。彼女はバンカーの方へ踵を返した。


タナカは彼女が去っていくのを見送った。


(少し、率直に言いすぎたかもしれないわね)と彼女は思った。


だが、言葉を取り消すつもりはなかった。彼女は静かに願っていた。自分の姉妹たちが、チャンドラーという男の本当の姿を、自分自身の目で確認するような日が二度と来ないことを。


下層都市 ―― 訓練場


モトは一人で特訓していた。近接格闘ではない――『動き(ムーブメント)』の特訓だ。彼はトーナメントの記憶を何度も頭の中で再生していた。リリーが彼の煙に火が点く前にその中をすり抜けていったこと。自分が躊躇したせいで、その都度どれほどの代償を払ったか。

罠を仕掛け、それと全く同じ動作の中でそこから脱出する必要がある。煙が花開き、晴れ、再び花開く。


分身たちは反乱軍のスパーリングパートナーたちと特訓していた――つまずき、形を立て直し、それぞれが個別に何でできているのかを学んでいる。『激怒』だけは隅の方に陣取り、何か規則的で重い作業を黙々と続けていた。


エイモンは近くに座り、焦点の合わない目でそれを見つめていた。


下層都市 ―― 鍛冶場


数日が過ぎた。リリーはほとんど鍛冶場から出てこなかった。


ついに刃が完成した時、それは彼女の本来の好みよりも軽く、重心のバランスも異なっていた。彼女の戦闘スタイルに合わせて設計されたものではなかったのだ。彼女はそれに気づいたが、何も言わなかった。


彼女は、柄に手を伸ばした。


刃が、彼女の腕を切り裂いた――浅く、正確に。それは『拒絶』だった。偶然ではない。明確な意志を持った攻撃。


エイモンは彼女よりも一瞬早くそれを見ていた――金属の中に宿る気配。その刃の『意識』。そして、それがどこを向いているかを。


ウィル(Will)だ。


リリーは腕の細い血の筋を見た。長い沈黙。彼女は頭を下げ、刃を兄の方へと差し出した。


「……これは、あんたのよ」彼女は静かに言った。


ウィルは刃を見た。それから、妹を見た。


彼は一歩下がった。「いらない」


「ウィル――」


「これは『お前』の夢だっただろ」彼は言った。その声は、絶対に動かされないと決めた者特有の硬さを持っていた。「俺のじゃない。俺の夢だったことなんて一度もない」彼は首を横に振った。「もしあの精霊スピリットがそれすら理解できないなら、自分の時代の連中と一緒に、そのまま土に埋まってるべきだったんだ」


彼は歩き去った。


リリーはまだ剣を握っていた。刃が再び彼女を切り裂く――今度は、より深く。『宣言』だった。


彼女は、それを落とした。


モトは立ち止まったまま、彼女を見つめていた。役に立つ言葉など何一つ見つからなかったから、彼は何も言わなかった。


ディマカツォ(Dimakatso)が優しく謝罪の言葉を呟きながら、その剣を土の層の下へと埋めた。


サンゴ ―― 王城


ビズレは単身で王城へ赴いた。


ヤスミン女王(Queen Yasmin)は彼の報告に耳を傾けた。作戦の許可が下りる――監視付きで。シカダ(Cicada)が作戦の共同指揮を執ることになった。ビズレは異論なくそれを受け入れた。刑務所は一晩にして要塞と化し、新聞はそれに関する真実を、見るべき者にしか見えない『隠しインク』で印刷した。


そのメッセージが下層都市に届いた時、それは悪い知らせがそうであるように、重苦しく群衆の上にのしかかった。


シカダはその夜遅く、自分用の報告書のコピーを読んでいた。彼女の目が、タンドの名のところで止まる。


彼女は彼を信用していなかった。その理由を、これから突き止めるつもりだった。


下層都市 ―― 中央大空洞


翌日、空洞は特訓の鈍い打撃音で揺れていた――モトとエイモンの分身たちが計算された弧を描いて打撃を交わし、制御された爆発によって地面がひび割れる。


その時、角笛が鳴った。


一度の吹き鳴らし。低く、古く、石を伝って響く音。


その効果は即座に、そして絶対的なものだった。スパーリングが止まる。分身たちは動きの途中で溶けるように消えた。武器が下ろされる。下層都市にいるすべての人間が振り返り、中央の空間へと押し寄せた。


「バイロン(Byron)司令官が帰還されたぞ!」


その叫び声は、轟音へと変わった。


巨大な石のステージに、一人の人影が飛び乗った。上半身裸。高密度の筋肉に覆われ、皮膚には動くたびに形を変えるような部族のタトゥーが刻まれている。彼は自分の胸を拳で叩き、頭上の天井から土埃を振るい落とすほどの雄叫びを上げた。


挑戦チャレンジ』だ。


数十人の反乱軍兵士たちが、一斉に彼に群がった。


バイロンは笑った――大声で、一切の抑制なく――そして『動きそのもの』と化した。身を沈め、体をひねり、攻撃者の打撃を空中で受け止め、無造作なほどの余裕で彼らを床の彼方へと投げ飛ばす。彼の拳と足から鮮やかな赤いオーラが脈打ち、打撃のたびに衝撃波が外側へと広がっていく。体が宙を舞う。だが、誰の骨も折れはしなかった。


痛みを伴い、己の弱さを思い知らされるが。決して致命傷にはならない戦い。


人間ベースの能力。生々しく、純粋な肉体の力。モトは自分の脈拍が早くなるのを感じた。これは、彼が理解できる種類の戦いだった。


彼が一歩、前へ踏み出した。


肩に手が置かれた――力強く、優しく、しかし決して動かさせない手。


リリーだった。


「私を信じて」彼女は静かに言った。恐れているわけではない。ただ『慎重』だった。


混沌が燃え尽きた。床に転がった反乱軍の兵士たちが呻き声と笑い声を上げる中、バイロンはステージから飛び降り、モトとリリーの真正面に着地した。彼はリリーに敬意を込めた頷きを見せ、それから、独占欲にも似た誇りを感じさせる眼差しで自分の民たちを見渡した。


「あの人が帰ってくる時は、いつもあんな感じなのか?」エイモンが、努めて何でもないことのように尋ねた。


「彼は本当に『私たちの一員』なのよ」リリーが微笑んで言った。「だから、私たちは彼を受け入れているの。……まあ、少なくとも『その一部』はね」


――ポンッ。


「おっ! じゃあ『もう一つの部分』って何!?」『歓喜』が飛び出し、身を乗り出した。「教えてよ――」


リリーが口を開いた。


そして、凍りついた。


バイロンの変化は、最初は微かなものだった――彼を取り巻く空気が張り詰め、気圧が変化したような感覚。そして、その『恐怖ドレッド』が襲いかかってきた。


それは生き物のように空洞の中を這い回った。その空間にいるすべてのサンゴの原住民――リリー、ディマカツォ、そして地下にひしめく何百人もの人々――が、全く同じ瞬間に全身に鳥肌を立てた。会話が単語の途中で死に絶える。歓声が止む。腕と首の産毛が逆立つ。


モトもそれを感じた。サンゴの人々が感じたような「動物的な本能」による認識ではない――別の何か。まだその正体を言語化できない『嵐』のすぐそばに立っているような感覚。


バイロンは動いていなかった。言葉も発していなかった。


それなのに、巨大な空洞全体が、息を潜めていた。

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