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第32章:恐怖(テラー) (Terror)

もらったばかりのポンチョがシェウの肩に馴染むより早く、バンッという音と共に扉が勢いよく開け放たれた。


アンドザニ(Andzani)は、まるで突風が吹き込むような勢いで部屋に入ってきた。ベージュのジャンプスーツ。緩められたストラップが歩くたびに跳ね、ポケットからは小さな金物屋が開けそうなほどの量の工具がガチャガチャと音を立てている。腰には赤い鞘のカタナ。ジャケットは半分脱げかかって片腕が自由になっており、下には白いシャツを着ていた。

彼は四歩で部屋を横切ると、歩みを全く緩めることなく、無骨で機械的なピストルを抜き放ち、二発撃った。


パスッ。パスッ。


二発のペイント弾が、モトとナジョの額のど真ん中に命中した。


シェウが首を傾ける。三発目の弾丸が彼女の頬を掠め、細く、ヒリヒリとする赤い線を残した。


アンドザニは銃をホルスターに収めた。彼は、どこか合格点を出すような目でシェウを見た。そして、モトとナジョを見る。


「こいつら二人とは違うな」


コーサが弾かれたように立ち上がった。「何をしているのだ!」


「ペイント弾だよ。落ち着けって」アンドザニは片手を挙げた。「おはよう、トリニティ」


「おはようございます、叔父様」トリニティは乱れのない声で返した。


「客人をそのように扱う者がどこに――」


「外の連中は暴力が大好物なんだろ? 奴らの文化に敬意を払ってやってるのさ」


その後に続いた口論は、形を変えてこれまでにも何度も繰り返されてきたものだとすぐに分かった。『実践としての平和』を説くコーサと、『平和とは、享受する前にまず武力で守り抜かねばならないものだ』と主張するアンドザニ。どちらも完全に間違っているわけではなく、だからこそ、どちらも引く気はなかった。

やがて、アンドザニの視線がシェウの肩に落ちた。


「なぜ、シェルトンの装備を他人に譲っている?」


コーサの声が静かに沈んだ。「シェルトンは逝った。彼女は、彼の娘だ」


アンドザニの顎がこわばった。その顔を何かが高速で駆け抜け、そしてピタリと静止した。

彼の手の中に、一本のブレードが現れる。手首のスナップ。洗練された動き。その動作をこれまでに一万回は繰り返してきた人間の動きだった。


「誰がやった」


「まだ分かりません」とシェウ。「でも、必ず突き止めます」


彼は少しの間、彼女を見つめた。それから刃を反転させ、柄の方を彼女に向けて差し出した。


「俺の分まで、そいつに一撃入れといてくれ」彼女がそれを受け取る。刃を握った瞬間、その縁を風が螺旋状に巻き上がった。まるで刃が彼女の風を『認識した』かのように。部屋中の視線がそこに集まる。アンドザニがわずかに小首を傾げた。「ニルヴァーナの品だ。残りの使い方は自分で考えな」


そして、彼の視線がモトを捉えた。

確信のすぐ手前にあるものを、最終確認するような目つきだった。


モトはそれが来るのを感じ取り、何も言わなかった。


「お前、アッシャー(Asher)の弟だな」


部屋の空気が変わった。


トリニティの視線が、二人の間を行き来する。「待って――あなたが昨夜言っていた、あの『弟さん』ですか?」


「いや」モトが言った。「人違いだ」


「髪を黒く染めてるな」アンドザニが言う。「俺の目は誤魔化せないぜ。ダチの家族の顔くらい、見れば分かる」


「俺は――」


「で、あのアッシャーの野郎は元気にしてるか?」


一拍。「……しばらく、会ってない」


アンドザニの表情が変わった――呆れと、ひどく古い親愛の情が混ざったような顔。「相変わらず放浪してんのか。あいつ、そのうち自分をすり減らして死ぬぞ」彼はコーサをちらりと見た。「母親探しも、いい加減見切りをつければいいのによ」


「そこまでだ」コーサの声に、普段はない鋭いエッジが混じった。


「なんだよ? 本当のことだろ――」


「そこまでだと言った」


部屋が、先ほどとは違う種類の静寂に包まれた。アンドザニがそれ以上踏み込まなかったことから、彼が過去にもこの『境界線』に触れたことがあり、その形を熟知していることが窺えた。


その時、宮殿の巨大な扉が軋み、ゆっくりと開いた。冷たい空気が流れ込んでくる。


コーサの目が、その戸口に向けられた。今日だけは見たくなかったものを見てしまった人間の顔に、表情が硬直する。


モト、シェウ、ナジョの三人も、その誰もいない戸口を見た。


「怪物の大群テラー・ホードだ」コーサが言った。


シェウは思い出した――トリニティが言っていた『国境の歩哨ボーダー・センチネル』のことだ。ゼンの境界に配置された精霊たちであり、宮殿の壁をすり抜けて警告を伝えに来るという。ゼンの民には彼らの姿が見える。だが、シェウたちには見えなかった。


アンドザニはすでに動き出していた。彼は三人を振り返る。「お前らも来い」


コーサが異議を唱えようとしたが、アンドザニの鋭い一瞥がそれを封じた。


西の国境


彼らが走ると、街の人々が道を空けた。群衆の間に『彼が誰か』を認識する波が広がり、何人かが歓声を上げる。その温かさが、モトの胸の奥で予想外に響いた。


走り抜ける最中、モトは群衆の中にエイモン(Aemon)の顔を見つけた。

少年は見ていた――怪物でもなく、彼らの全力疾走でもなく、この騒ぎでもない。彼はただ、アンドザニだけをじっと見つめていた。その表情は冷たく、完全に静止していた。


やがて市街地の壁を抜け、視界が開けた。


ズン。ズン。ズン。


東側から、すでにコージが走ってきていた。裸足のまま、片方の肩に巨大な黒い壺を担ぎ、もう片方の手には長い黒のロッドを握っている。一度転がり始めたら決して止まらない巨岩のような、急ぐことのない、しかし圧倒的な運動量で迫ってくる。


「手伝いが増えたな。結構。今回は『軍隊』規模だそうだ」


「奴らが俺たちの足手まといにならないか、見物だな」とアンドザニ。


「足手まといにはならないさ」モトが返す。


アンドザニはモトの包帯を巻かれた腕をちらりと見た。「腕を折られてるガキがよく言うぜ。だが、お前がアッシャーの十分の一でも使えるなら、役に立つだろうよ」


怪物の群れ(テラー)は、彼らが平原に到達するよりも早く、森の境界線を突破してきた。

巨大で、いびつな形をした異形。爪からは粘液が滴り、その足音や鳴き声は予想よりもずっと低く、耳で聞くというより腹の底に響くような音だった。すでに二人の守護者ガーディアンが交戦していたが、その動きは鋭いものの、圧倒的な数の暴力の前に押し込まれつつあった。


コージがロッドの石突きを地面に突き立て、シェウを見た。「風か?」


「ええ」


彼がロッドで壺の底に小さな穴を開けた。赤い粉が柱のように流れ出す。

シェウが息を吐き、広範囲の弧を描くように風を放ってその粉を平原全体に巻き散らした。赤いもやが、触れたすべての怪物の上に降り注ぎ、暗闇の中で彼らの輪郭を鮮やかな深紅に染め上げる。もう、闇の中で敵の姿を推測する必要はなくなった。


そこに、クザイ(Kuzai)が到着した。


両腕がなく、針金のような肉体で、裸足。彼はコージが突き出した杖の先端に――まるで小鳥が枝に止まるような、繊細で極めて正確な動きで――ふわりと着地し、次の瞬間にはもう消えていた。

運動エネルギーの軌跡。彼の脚は蓄積されたエネルギーを運び、接触と同時にそれを爆発デトネートさせる。彼の動きの背後には色彩を帯びた残像が残り、本人がすでに次の標的へ移動した後も、その残像が時間差で打撃を与え続けている。


「アミール(Amir)」アンドザニがモトに言った。「あいつについて行け。何か学んでこい。そっちの生姜頭ジンジャーは俺と来い」


生姜頭ジンジャーだと」ナジョが感情のない顔で復唱する。


モトはすでにクザイに向かって走り出していた。


「蹴りが足りない」クザイが彼を見ずに言った。彼は両方のふくらはぎで怪物の首を挟み込み、空中で反転して、そのまま怪物を地面に激突させた。モトも同じ動きを試みる。もう少しで決まる――というところで、地面の凹凸に足を取られた。


「惜しい」とクザイ。「もう一度」


東の側面では、コージの杖が農作業のような一定のリズムで怪物の頭蓋骨を砕き続けていた。シェウは彼の周囲を動き回り、隙を読み、距離を保っていた――その時、コージが振り返りもせずに声を飛ばした。


「逃げ回っているだけでは勝てない。打て」


彼女はアンドザニからもらった刃を抜いた。彼女の手が柄を握りしめた瞬間、青い光が刃の縁を勢いよく駆け上がる。彼女がそれを振り抜く――刃から放たれた三日月状の風が、跳躍の途中にあった怪物を、まさにコージの背後を狙っていた怪物を、空中で真っ二つに切り裂いた。怪物は地面に崩れ落ちた。


「良くなった」コージが言った。


はるか右翼では、アンドザニが事務的な手つきでポケットから次々と刃物を取り出し、思考が形になるよりも早くそれらを投げ放っていた。ナジョは彼の少し後ろに立ち、両脇に拳を下ろしたまま、それを見ていた。


「そこに突っ立ってるだけか」アンドザニは振り返らなかった。「戦う気がないなら、いっそ俺でも殴ってみろ」彼は振り返り、ニヤリと笑った。「ほら来いよ。俺はお前を舐めてるぞ。何かしてみろ」


ナジョの顎がこわばる。彼はその挑発を無視した。代わりに深くしゃがみ込み、両掌を地面に平らに押し付けた。

周囲の地形が変動する――大地が鋭く隆起し、不規則な段差となってせり上がる。突進中だった怪物たちがつまづき、足場を失い、転倒していく。


アンドザニは何も言わなかったが、その姿勢の端々にそれが現れていた。冷静さの下にある、確かな驚き。


「俺が敵よりも嫌いなものが一つだけある」彼が言った。その声には、この会話よりもずっと古い、彼自身の根源的な響きがあった。「力を出し惜しみする味方だ」


ナジョが両掌で地面を叩きつけた。大地がそれに応える。怪物たちの群れの足元から、三階建てのビルほどの巨大な岩盤が噴出し、彼らを空中へと跳ね上げた。かろうじて岩肌にしがみつく怪物たち。


「その意気だ」


彼らが跳躍する。アンドザニのナイフが空中の怪物たちを次々と貫いた。

そして彼が両手を開くと、二十本の淡い光の糸が射出され、残った獣たちに突き刺さった。糸の半分ほどの色が暗く変色する。怪物たちの動きが変わった――今や彼らは明確な目的を持ち、何かに操られるように、ナジョが大地に穿ったクレーターの底へと行進を始めた。


「霊的な綱引き(スピリット・タッグ・オブ・ウォー)だ」フィールドの反対側からコージが声を張った。「彼は何十体でも同時に操れる」


ナジョが岩盤を崩落させ、クレーターごと彼らを押し潰した。


最後の一体が倒れた時、平原は暴力の後にだけ訪れるあの特有の静寂に包まれた。音が『ない』ということが、それ自体が一つの音のように感じられる静けさ。


守護者たちは地面に座り込み、荒い息をついていた。アンドザニは急ぐ様子もなく立っており、特に息も切らしていない。


ナジョがトラックスーツから土埃を払った。「あんたたち、みんな複数の能力を持ってるよな。ここではそれが普通なのか?」


守護者の一人――彼らが到着するまで最前線を維持していた女性――が、疲れたような微笑みを浮かべた。「トリニティのおかげよ」彼女は言った。「彼女は自分の才能ギフトがリセットされるたびに、民間人から能力を一つ譲渡してくれるの。どうやら、次は私の番らしいわ」彼女は息を吐いた。「あんたたちの王様に伝えておいて。ゼンは決して、舐めてかかれる国じゃないってね」


アンドザニが刀を鞘に収めた。「俺は報告に行ってくる。少し休んだら、後から追ってこい」


彼は踵を返し、首都へ向かって全力で走り出した。


残された一団は、舞い散る土埃の中に立っていた。モトの肺が痛む。クザイはすでに手頃な岩を見つけて座り込み、目を閉じている。まるでこの戦闘が、ほんの些細な中断でしかなかったかのように。コージがロッドに寄りかかった。


「さて」とコージが口を開く。「今のは――」


ベチャッ。


何か温かいものが、モトの顔に飛び散った。


彼は動かなかった。誰も、動けなかった。

その音は、ひどく湿っていて、決定的で、完全に『間違って』いた。彼らの肉体は、思考がそれに追いつくよりも早く、その音の意味を理解していた。


彼らが顔を向けた時、彼らの肌に付着した液体はすでに冷え始めていた。


ソリス(Soris)。つい先ほどまで彼らと共に戦い、一瞬前までそこで言葉を交わしていた守護者。

彼女は、まだ立っていた。

首から下だけが。


彼女の肉体は、歩みと呼べない歩みを二歩進め、そして前へのめり込んで地面に倒れ伏した。


その背後で、M.E.L.L.Y. がゆっくりとその全高を現した。


その皮膚は、真紅の筋肉の繊維と、黒い鉄のような外殻が格子状に絡み合ってできていた。鎧のように層を成しているが、作られたものではなく、そのように『成長』した肉体。それは両脚を大きく開き、腕をだらりと下げて立っていた。手首にボルトで打ち付けられた分厚い長方形の鎖が、鈍い音を立てて静かに揺れている。

それが、頭を上げた。

ドレッドヘアのような触手が左右に広がる。


そこに浮かんだ笑みは、笑みというよりも『誇示』だった。文字が深く、意図的に刻み込まれたその歯並び。


M.E.L.L.Y.


『ギュルルルゥゥ……』(異質な、決して人間には発せないような軋む音)


戦場は、完全に凍りついた。

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