12-6 夜語り
黑稻相癸です。第六節。
心苦しいですが、あたしたちは外へ出なければなりません。フィンティスを探しに。
少し歩いたところで、あたしは立ち止まって振り返った。
柔伊はまだ戸口に立っていた。扉の枠に手をかけ、ついてくることはなかった。
「戻りな。」あたしは言った。
彼女はあたしを見て、また自分の足元を見た。自分がまだ何歩歩けるか計算しているかのようだった。
それから彼女は頷き、背を向けた。帆布がめくられ、そして落ちた。
あたしは歩き続けた。
艾琳が隣にいる。
あたしは自分がどこに行くのかも分からなかった。ただ歩く。足が動き、目は道を見ているが、頭の中のものはまだあの帆布の扉の前に残っていた。灰色の顔、青ざめた爪の付け根、結び目を一つ一つ解いていた指先。
どれくらい経ったか分からない。
「珂拉。」
「うん。」
「お腹すいた?」
あたしは立ち止まった。
お腹がすいた。
あたし、お腹が空いていたんだ。
「すいた。」
……
また作業場へ行った。また何人かを治療した。腕が脱臼した人がいて、あたしは整復してやった。足の裏を錆びた釘で刺した人がいて、新しく採った薬草を塗ってやった。
食べ物を食べた。菌の汁だ。前と同じ。
帕夫は今回はたくさん食べた——彼女は丸一日お腹を空かせていたから、四匹の小松鼠が籠の中で押し合いへし合いして、帕夫の口の中の破片を奪い合っていた。
艾琳は隣に座り、静かに汁を飲んでいた。たまにあたしをちらりと見る。
何も聞かなかった。
……
あの船室を改造した隅に戻った。壁に寄りかかって座る。
艾琳はすぐに眠った。呼吸が深くなり、体の力が抜け、杖が傾いて横たわっていた。
あたしは目を閉じていた。
頭の中に浮かぶのは、柔伊が歩く姿だった。一歩、止まる、一歩、止まる。
それから、あの言葉。
*まだできてない。*
明日はフィンティスに会いに行こう。
彼は外に出る方法を知っていると言った。
信じるかどうかは分からない。でも今は、その道しか残されていないのだ。
……
どれくらい眠ったか分からない。
目が覚めた。
獣人の眠りはもともと浅いし、見知らぬ環境ではさらに浅くなる。
艾琳はまだ寝ている。呼吸は落ち着いている。
帕夫と四匹の小松鼠は一団となって丸まり、毛玉のように静かだった。
あたしは立ち上がった。音は立てなかった。
外に出た。
……
冥骨地の深夜は日中とほとんど違いがなかった——頭上の苔はまだ明るく、酸液湖の遠くの蛍光は相変わらず冷たい、青みがかった光を放っていた。
だが人が違った。人がいないのだ。
通りは空っぽだ。地面に敷かれた船板は苔の光の中でしっとりとした光沢を放ち、何かに舐められたようだった。空気には煙の匂いと人の匂いが減り、残っているのはさらに底層にある——巨獣の気配だ。生臭く、重く、生き物特有の体温を帯びている。
足の裏に一定の間隔で極めて微かな振動が伝わってくる。
巨獣の心臓の鼓動だ。
あたしは暗闇の中をとても自由に歩いていた。獣人の目に多くの光は必要ない——苔の微光だけで十分だ。あたしの目には、影に層があり、濃淡が異なり、輪郭がはっきりと見えた。
路地をいくつか曲がった。斜面を少し登った。冥骨地の中層に着いた。
そこであたしは彼を見た。
ある小屋の屋根に座っていた。傾いたマストの切れ端に背を預け、両脚をぶら下げて、酸液湖の方向を向いている。
昼間に踊っていたあの男だ。
だが、昼間の様子ではない。
彼はとても静かに座っていた。手足を振り回すこともなく、ブツブツと言うこともない。体の輪郭は苔の光の中で静止していて、まるで最初からこの屋根にあったものかのようだった。
彼の目は焦点が合っていた。
昼間のような散漫で、あちこち滑り、何かにぶつかれば弾かれるような視線ではない。真に何かを見据えている視線——集中し、遠くを見つめ、酸液湖のあの蛍光の上に落ちていた。
あたしの鼻が先に確認した。
昼間、彼からはとても強い匂いがしていた——汗、埃、洗っていない服、意図的に蓄積された何らかの汚れ。それは壁だった。匂いで築かれた壁。人を寄せ付けないための壁だ。
今、その壁が緩んでいる。
その下には別の匂いがある。
正気の。疲労した。何かを押し殺している匂いだ。
あたしの足音は意識して軽くしたわけではなかったが、この静かな環境の中では、どんな音も十分に大きかった。
彼は聞こえたのだ。
体が瞬時に変わった——肩が沈み、首が少し傾き、口から曖昧で意味のない言葉の羅列がこぼれ始めた。腕がゆっくりと上がり、何かを掴もうとして掴めないような、奇妙な動作をした。
とても速い。「狂人」に切り替わるまで二秒もかからなかった。
「演じなくていいよ。」
あたしの声は大きくなかった。
彼の動作が一瞬止まった。ほんの一瞬だけ。それから再びブツブツと言い続け、腕もまた動き始めた。
「あたしの目は誤魔化せない。」
ブツブツ言う声が止まった。
彼の体が強張った。恐れて強張ったのではない——判断しているのだ。天秤にかけているのだ。
隅で何かが動かされた——とても軽い、木と木が触れる音だ。彼の手元に何かが置かれている。
あたしの耳が動いた。
「誰にも言わないよ。」
静寂。
とても長い静寂。
それから、彼の手はその「何か」から離れた。
あたしは彼から数歩離れた場所に座った。彼が座っている屋根ではない——一つ下の段の平台の縁だ。間には人一人分の高さの落差があった。
この距離で十分かどうかは、彼に決めさせた。
……
しばらくして、ようやく彼が口を開いた。
「どうして分かった。」
疑問ではない。確認だ。
「あたしは鼻が利くから。」あたしは言った。
彼はそれに答えなかった。
またしばらく静かになった。
彼の声が再び響いた時、それは昼間とは全く違っていた。叫び声でも、曖昧な声でもなく、一文字一文字がナイフで刻み込まれたように澄んでいた。
だが彼はあたしを見ない。まだ遠くを見ている。
「こういう場所のルールは知っているだろう。」
あたしは言葉を挟まなかった。
「何百人もいて、出られない。食べ物は限られている。」
彼は一瞬言葉を切った。
「役に立つから、飯が食える。だが役に立ちすぎれば——他人がお前を狙い始める。お前の仕事、お前の居場所、お前の手にあるものを狙うんだ。」
彼の口調はとても平坦だった。長い間考え続け、感情がすり減ってしまったことを話しているかのようだった。
「だが、もしお前が何者でもなかったら。クズ。狂人。余分な口。」
彼は少し間を置いた。
「だが、人々は子供を憐れむ。」
また間を置いた。
「憐れみは善意よりも安いからな。」
あたしは何も言わなかった。
彼も続けなかった。話すべきことをすべて話し終え、残されたのは静寂だけであるかのようだった。
苔の光が彼の顔に奇妙な陰を落としていた。表情ははっきりしないが、輪郭は見えた——顎の線は昼間見たよりも硬く、肩幅も昼間より広かった。昼間は胸を含み、背を丸め、自分を実際よりも小さく、弱く見せていたのだ。今は背筋を伸ばし、本来の体格が姿を現していた。
ひ弱な人間ではない。
「あなたの息子は知ってるの?」
彼はすぐには答えなかった。
「あいつは俺が本当に壊れたと思っている。」
口調に起伏はない。
「その方がいい。子供は大人のために芝居をする必要はないからな。」
あたしはその言葉の底にあるものを聞いた。
大人のために芝居をする必要はない——なぜなら、もし知ってしまったら、あの男の子は助けようとするだろう。関わろうとするだろう。ご飯をくれる大人たちの前で、見せてはいけない表情を見せてしまうだろう。
そしてその大人たちは考え始める——待てよ、あの狂人の息子はそんなに馬鹿じゃないみたいだぞ、と。
そうなればすべてが終わる。
だから彼に信じさせるのだ。
彼に本当に信じさせるのだ。
「それって……価値があるの?」
その問いが口から出た時、あたし自身も一度立ち止まった。
あたしは彼に聞いているわけではなかった。
あるいは——彼にだけ聞いているわけではなかった。
彼が振り向いた。初めてあたしを見た。
苔の光が彼の目に反射した。とても明るく。とても澄んでいる。昼間の散漫で何も見えていなかったあの目とは全く違う。
「俺の息子は昨日、腹一杯食った。」
少し間を置いた。
「今日もだ。」
彼は視線を戻し、再び遠くを見た。
それだけだ。
価値があるかどうかの答えではない。ただ一つの事実を並べただけだ——今日起きた、確認可能な、いかなる説明も必要としない事実を。
あたしはもう尋ねなかった。
……
彼が立ち上がった。ズボンの灰を払う。
ほんの一瞬、彼が屋根の縁に立つ姿——真っ直ぐで、沈黙し、蛍光に照らされた姿——と、昼間路地の入り口で手足を振り回していたものは、全くの別人のようだった。
彼は下に飛び降り、平台に着地した。膝が曲がり、音はしなかった。
あたしのそばを通り過ぎる時、立ち止まらなかった。
「あんたをここへ陥れた奴を、恨んでる?」
彼は歩き続けた。数歩歩く。
止まった。
「恨んだこともある。」
振り返らない。
「だが、恨みは人を正気にさせる。正気な人間は、ここでは疲れすぎるんだ。」
そして彼は去った。影は二棟の家の間の狭い隙間に曲がり、消えた。
……
あたしは一人でそこに座っていた。
蛍光の湖が遠くで光っている。
柔伊が歩いて行きたい場所。
あたしの視線はそのままその光の上に留まった。何も考えなかった。頭の中は空っぽだ。ただ見つめていた。
巨獣の鼓動が足の裏から伝わってくる。とても間隔が長く、重い。
帕夫がいつの間にか籠から這い出していた。彼女の爪があたしの膝に触れる、とても軽く。そして体全体が丸まりながら登ってきて、一番暖かい場所を見つけて、一団に縮こまった。
尻尾があたしの手の甲に載っている。
彼女の呼吸はすぐに深くなった。
あたしはうつむいた。
彼女を見つめた。
そして何も考えなかった。
ただこうして座っていた。巨獣の鼓動が再び伝わってくるまで。
お読みいただきありがとうございます。
狂人のふりをしてまで、過酷な現実を生き抜こうとする父親。
誰にも頼れない場所で、すべてを飲み込み、息子を腹いっぱい食べさせるためだけに「狂気」を演じ続ける彼の姿には、計り知れない覚悟と絶望が入り混じっていますね。
正気でいることが、ここではあまりにも残酷だからなのでしょう。
——次回、第七節「巨口」




