表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/17

2-4

 いや、マジであっつい。私が倒れそう。

「こんな環境で我慢させる方がよっぽど体に悪いでしょ!?」

「だが、治癒師たちが――」

「今はそんなこと言ってる場合じゃない! いい? 人間ってね、水と塩分と糖分をしっかり摂って、温度管理できないと普通に死ぬの!」

 レオルドが、黙る。住民たちは、ぽかんとしてる。

「この人たち、今ギリギリだよ? あと少しで倒れてもおかしくない。冷却循環機、今すぐつけて」

「……」

「いいから!!」

「……分かった。この家に限り、使用を許可する。魔力を放出しろ」

「限りじゃなくて全部の家でやれって話なんだけどね!?」

 冷却循環機が稼働すると、すうっと空気が変わった。

「……はぁ」

 部屋のあちこちで、安堵の息が漏れた。ぐったりしていた人も、少しずつ顔色が戻っていく。

「ほら、やっぱり。まずは環境から。基本でしょ」

 レオルドが、こっちを見てる。なんか、嫌な予感がする。

「……明日、もう一度来い。結果を確認する」

「いやなんで命令なの」

「必要なことだ」

「こっちも仕事あるんだけど!?」

 レオルドは気にした様子もなく、短く言った。

「報酬は出す」

 あ、そうなんだ。お金は大事。

「……じゃあ、明日だけね」

「うむ」

 まあ、この家の人たちのことは気になるし、いっか。

「じゃあ私、そろそろ帰るわ。寝ないとだし」

「待て」

「なに」

「……来るのだな、明日」

「行くって言ったじゃん」

「そうか」

 ほんの少しだけ、安心したように見えた。

 ずいぶん、急に入った家の住民のことを大事に思ってるんだねぇ。

 国の王子ってそんなもんなのかな。うん、想像もつかんわ。

「じゃあね」

 裏口をくぐる。一歩。二歩。

 振り返ると、まだレオルドがこちらを見ていた。

「……ほんとに来いよ」

「だから行くってば!」

 ドアを閉める。

 ——いつもの薬局に戻った。

「……なんか、すごいことになってきたなあ」

 とりあえず、明日も普通に出勤です(薬局にも、異世界にも)。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ