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案内されたのは、裏口から少し歩いた先の家だった。
そもそも裏口から繋がった先、超田舎なのか、家とか、すごい距離感で建ってるんだよね。
なんで、昨日はレオルドがいたんだろ。
まあ、いっか。
目の前にあるのは、石と木でできた、いかにもファンタジーって感じの外観の建物。でもまあ、普通の民家だ。
「ここだ」
レオルドが扉を叩く。すぐに、中から人が出てきた。
「で、殿下!?」
いきなり跪いた。いや、この展開、毎回だね。
むしろ私、跪かなくてごめん。
「楽にしてくれ。様子を見に来ただけだ」
「は、はい……!」
中に通される。
「……あっつ」
思わず声が出た。
外と変わらないどころか、むしろこもっててキツい。
部屋の奥で、何人かがぐったりしている。顔、真っ赤。汗びっしょり。
「いやこれ、普通に危ないって」
ぐったりしてる人に思わず近づいて、手を取る。
脈は……まあある。でも、完全に脱水症状を起こしてる。
「水、ちゃんと飲んでる?」
「の、飲んではおりますが……この暑さで……」
私は白衣から0S-Iを取り出して、ゆっくりと飲ませ始める。
部屋を見回すと、窓は開いてる。でも、風なんかほとんど入ってこない。
「ねえ、クーラーとかないの?」
「くーらー?」
「ほら、こう……家の中を冷やすマシンっていうか、魔法っていうか、もう、何でもいいけど」
レオルドが少し考えて、口を開いた。
「冷却循環機ならある。魔力を送り込むことで、部屋を冷やすことができる」
「それそれ、それのこと!」
「だが——」
なんか嫌な間があった。
「治癒師たちが、自然の摂理に逆らうのは健康に悪いとしてな」
「うん?」
「一日二時間までしか稼働させるなと、通達が出ている。“冷却循環病”になる、と」
「は?」
思わず、素で聞き返した。
「え、なにそれ」
「長時間使用は体に負担をかけると——」
「いやいやいやいや!!」
完全に遮った。
「そんなわけあるか!! 今を見なよ!」
レオルドも住民も、全員、びくっとした。




