3-5
「ということで、褒賞の件で、王宮に向かうぞ」
何がということでなのか分かんないけど、もう断るのもめんどくさい。
「……分かった。一回だけだからね」
「うむ」
渋々、王宮へ向かうことになった。
ぱか、ぱか。
「……おお」
馬車、めっちゃ揺れる。
「どうした」
「いや、ちょっと楽しい」
「そうか」
そんな会話をしているうちに、すぐに着いた。
「……でっか」
王宮、想像以上だった。そのまま中に通される。
広い。豪華。無理。
「ひえっ」
思わず変な声が出た。
いわゆる、玉座の前。
王と女王が、こちらを見ている。
「楽にしてよい」
「無理です」
即答してしまった。
一瞬、空気が止まる。
……やばい?
でも、王はふっと笑った。
「面白い娘だ」
助かった。
「本日、この者を連れてきたのは報告のためです」
レオルドが前に出る。
「この者は、霊薬で私を救いました。さらに熱病への対処として、この者の方法が有効であると確認されました」
「うむ」
「冷却循環機の長時間稼働、水分および塩分の補給により、症状は改善しております」
「そうだったな」
「はい。使用人、王族ともに効果が見られました」
女王の視線がこっちに刺さる。
むりむりむり。目力あり過ぎる。
「では」
王が言った。
「その功に報いるとしよう」
あ、でもごめん、正直、ちょっと、ドキドキ。
どれくらいのコイン、くれるんだろ。
「ありがとうございます」
素直に答える。
王は、静かに告げる。
「王子レオルドとの婚約を認める」
「は?」
一瞬、思考が止まる。
「……は?」
もう一回。
「は!? は!? はーーー!??」
「いやいやいやいや!!」
全力で否定する。
「待って!? なんでそうなるの!?」
「褒賞だが」
「おかしいでしょ!!」
レオルドを見る。
「ちょっと! 何か言ってよ!」
「……素晴らしい話だと思うが」
「どこが!!」
即答した。
頭が追いつかない。
「なんでこうなるの!?」
誰も答えなかった。




