第2章 その5
夢を見ている。
懐かしい記憶。小学生、あの秘密基地。
「な? 面白いだろ!?」
△△△がある漫画を手に鼻息荒く言う。△△△の兄のやつで浦沢直樹の20世紀少年という作品だ。
目を輝かせて◯◯◯が返事をした。
「俺たちの≪予言の書≫作ろうぜ!」
その提案にオカルト好きの俺も胸がワクワクしてきた。最近覚えた言葉でいう陰謀論みたいだ!
「十九も好きだろ、こういうの」
□□□は俺に話を振ってきた。
「うん! どんなのにしよう?」
俺がそう言うと皆が思い思いのポーズで考え出す。
20世紀少年では悪の組織がテロを起こす内容だ。
「悪の組織じゃなんか普通だよなあ」
□□□がそう呟く。彼はアメコミ映画でヴィランを好きになるようなタイプだ。多分お父さんの影響もあるが、悪役の過去とかについてつらつら語ったものだ。一時期はジョーカーのモノマネにもハマっていた。
「ねえ、アセンションは?」
「あせんしょん?」
何だそりゃと疑問符を浮かべて△△△が尋ねてくる。
「えっと、何ていうか、いきなりみんなが超能力者になっちゃうみたいな感じかな」
ゆっくり自分でも確かめるように答えた。
「おお、いいじゃん」と□□□。
「そうだな」「だな」△△△と◯◯◯も続いて賛成のようだ。
「≪幽体離脱≫とかどうかな!?」
思わず勢いよく俺は言い放つ。
「そっち系かあ。≪幽体離脱≫ってつまり魂になるってことだろ?」
腕を組みながらよ△△△に俺はすかさず、
「そう!! 色々できそうじゃない?」
「確かに……」
納得といった顔の△△△。
指をパチンと鳴らして◯◯◯が繋げた。何か閃いた時の癖である。
「総理大臣だ!」
「「「?」」」
みな理解できずにキョトンとする。
「だから総理大臣だよ! 総理大臣を≪幽体離脱≫させて魂を捕まえるんだよ!」
「「「おおー」」」
◯◯◯の発案に俺たち他の3人は顔を見合わせた。何かとてつもないことをしているような感覚。ちょっとドキドキしてきた。
「あーでもさ、誘拐みたいだな」
□□□が冷静そうに言う。だが俺は目のキラキラを見逃さなかった。
「政治家なんて悪いやつさ!」
俺は言う。まるで大人になった気分だ。
そんな俺にみんなが同調する。
「ダークヒーローみたいだな……」
と□□□。
「それカッコいい!」
さすがアメコミ映画好き!と俺は□□□の肩を叩いた。そして、俺は続ける。
「デスノートみたいにさ、悪い大人を駆逐してやるんだ!!」




