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終末の喇叭に泣く君へ  作者: 藥籠ヰナリ


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EP・7 帰り路

《天羽視点》

「なんか凄いことになっちゃったね…」


「そうだね、どうしたものかな…」


中山君に言われた話を改めて相談するために神裂君と一緒に帰る。

中山君の持ってきた話はこうだ。

世界に異形と呼ばれる化物が現れ出したのがおよそ十三年前。それと同時に異能を持つ人類も確認され始めた。

その当初は異能をまともに扱える者も少なく、人類は壊滅的打撃を受ける。

ちょうど神裂君あたりまでがその災禍に直接巻き込まれている世代らしい。彼の異能が人を近づかせぬ程に力を歪めているのも、その災禍が関わっているようだ。

さっき加護をかける時に異能を通して一部だが彼の記憶が見えた。彼自身、深層の記憶だからか、何らかの方法で忘れたのか、覚えていないようだけど。

ともかく、そうした災禍に見舞われた世界各国は、比較的被害の少ない土地に合計八つの異能を扱うための訓練校を創設した。

相互協力のもと異能使用者が多く輩出されることで、現在では異形は大部分が掃討され、生活水準も異形が現れる前レベルに回復しているらしい。

異能は武器からスポーツへ移り変わっているらしく、実際多くのスポンサーの協賛で、サバイバルバトルなどの形式で大きな大会も開かれているらしい。

そしてそれへの参加を目指す部が最近創設されたらしく、中山君は私達にそれに入って欲しいらしい。

要するに、学院内試合で結果を出す為にも入ってくれという事だろう。


「入ってみてもいいと思うけど、神裂君はどう?」


「そうだね…僕も考えてみるよ、学院卒業した後のことまだ決めてないし。」


そっか、私と違って彼には明るい未来があるんだもんね…そう思うと少し寂しい。

少なくとも天界での戦争が終結するまでは私はこの呪いの音色から解放されはしない。

でも、だからこそこの世界を、彼を、消さずに済むといいな…


「えっと…天羽さん?」


「ひゃいっ!?」


突然名前を呼ばれ、声が裏返る。


「だ、大丈夫?」


「うん、平気。ごめんね、考え事してて…」


返事上の空になってなかったかな…?


「大丈夫ならいいんだけど…僕家ここだからさ」


「あ、おっけー。じゃあまたあ……」


「天羽さん?どうかした?」


これは…なんてこった…


「えーと、私んち…隣…」


「え⁉」


「その…用意されたのがここだったもんで…」


「あー、なるほど?じゃあ、えっとまた明日…?」


「うん、また明日…」


驚きすぎてなんかギクシャクしちゃったよ…まあいいか…

さて、とりあえずはご飯にしようかな。…そういえば、神裂君はご飯どうしてるんだろ?

今日の昼は購買だって言ってたっけ?後で聞いてみよ。

そんなことを考えつつ手洗いを済ませダイニングに向かう。神裂君には伝えなくてはいけないこともある。

その事を考える程に、私の気持ちは沈むけれど。

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