↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終末の喇叭に泣く君へ  作者: 藥籠ヰナリ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/22

EP・20 女子会?

《天羽視点》

………んぁ?ここどこだ…?

そう思いながら目を開ける。


「知らない天井……」


う〜ん、頭痛い…何してたんだっけ?

えっと、旧図書館で読んだ本により、具合の悪くなった神裂君を異能部の救急小屋に運んで…入鹿先生に診せて…

だんだん記憶が戻ってくる。あれ、だとしたらなんで私、寝てんだろ…?


「お、起きたか。具合はどうだ?」


「あれ、入鹿先生?神裂君は?」


「ん?あいつの呪いは既に浄化して、帰したよ。」


「そっか、よかったぁ。私のせいで呪い解けなかったらどうしようかと…」


「あー、まぁそうだな。」


「なんでそんな気まずそうな顔してるんですか?」


「やっぱり…なんも覚えてないのか?」


「そうだった、そうですよ先生。なんで私寝てたんですか?」


あ、目逸らした。


「そ、そのだな…」


かなり言いにくそうな顔をしている…珍しいな、あの入鹿先生が…


「あー、先に謝っとくわ、お前と神裂が付き合ってんのかと思ってな。すまん。」


この時点で既に恥ずかしいのだが、その状態の私に事の顛末を話してくれる。

聞けば聞くほど顔が熱くなり、穴があったら入りたい。むしろ自分で掘って入りたい。

そう思えるほどに恥ずかしくなってくる。


「それ…ほんとですか…?」


「あ、ああ。言っとくが行為までは言ってないからな⁉︎俺もそこは止めたからな⁉︎」


「そういう問題なわけあるかぁ‼︎」


つい怒鳴ってしまった。


「ちょ、待て待て待て、悪かったって、俺のせいだ、すまなかったって‼︎枕で殴るな‼︎」


その後心ゆくまで枕で先生を殴り、怒りを落ち着かせる。


「その…天羽…すまなかった…」


「もう知りませんよ、と言いたい所ですけど…まぁ神裂君助けてくれましたし、そっちの原因は私ですから、それでチャラ…ですかね…」


「そうか、お前そんな心配して…やっぱ結構脈あ…」


「何言ってるんですか?」


「おっと、これは失礼、口が滑ったな。」


全く…許した側からまーた軽口…この先生は本当に…


「そうしたら私、これで帰りますね。」


「あー、いや、ちょっと待ちな。」


「なんですか?」


「お前、そのまま帰る気か?」


「え、はい、そのつもりでしたけど…?」


「それはやめといた方がいいと思うぞ?これ、使いな。」


そう言われて、なぜか濡れタオルと、入院時によく用いられる物で、洗濯せずに済むので重宝される、紙製の下着、そして黒のビニール袋を渡される。


「えっと…?何故これを…?」


「あー…股、触ってみ?」


言われるがまま、制服のスカートの中を触ってみると、生温かい。いや、そりゃ生きた肉体なんだから温かいのはそうなのだが…なんと言うか…


「ぐっちょぐちょ、だろ?」


「先生、口に出さないでくださいよ…意識しちゃうから言わなかったのに…」


涙目で言う私に流石に焦ったのか、ちょっと早口になった入鹿先生が言う。


「そ、そんな気にすんなって。仕方ない事だろ。生理現象だ、生理現象。」


うぅ…それはそうだけど…


「ほれ、ここは外から見えないから、さっさと着替えちまいな。後ろ向いてるから。」


これ、神裂君にバレてないよね…?もうやだ…散々だよ今日…

ぼーっとしてても仕方ないので、手早く体を拭き、着替える。変える前の下着はビニール袋に突っ込んだ。

幸い下着以外は濡れたりしていなかったので、少しほっとしつつ、着替え終えたことを先生に報告する。


「よし、終わったか。じゃ、ちょうどいいし、少し授業受けてけよ。」


「授業…嫌な予感がするんですけど…」


「いや、お前は多分受けたほうがいいと思うぞ?保険体育を。」


「ちょ、何言ってるんですか⁉︎なんでさっきの禁書の件の話からそうなるんです⁉︎」


「そりゃあ、お前の呪いとの親和性が高かったからかな?」


「だから、それとなんの関係があるんです⁉︎」


「あ?自分で呪いにかかっときながら分かってなかったのか。まぁ…あんなんじゃ、それもそうか。」


「ど、どういうことですか…」


「あー、要するにだ、さっき伝えた通り、お前さっき呪いですんごい事になっていた訳だが、本来あの本の呪いはそこまで強力じゃねぇ。」


す、すんごい事……はぁ…恥ずかし…


「……つまり先生は、私が隠してるだけで、実は変態とでも言いたいんですか?」


恨みがましく睨んでおく。が、確かに気になる。

見た目は普通の人と変わらないが、私は天使だ。呪いへの耐性は高いはず、それにも関わらずあそこまで呪いの効果を受けるとは…


「別にそんな事を言いたい訳じゃねえ。あの手の呪いは、元々肉体にあった欲求を増幅させるものが多いんだよ。」


「じゃあ…やっぱり私が変態だと?」


「違う、ただ単に欲求不満だったんじゃねぇのか?と言ってんだ。前喋った時から思ったがお前、別にそういう知識がない訳じゃないだろ?」


「な、なぁっ⁉︎」


「そんな赤くなるな。別に知ってるからといって、やましい物ではないだろ。むしろ大事な知識だ。」


「それは…まぁ…そうですけど…」


「でだ、多分お前、知識はあっても実際にやって発散した事はないんじゃねぇのか?」


「ひぇ⁉︎そ…それは……」


図星である。私も別にそういう知識がない訳じゃないし、興味だってある。

といっても戦時下の天界で、そんな事してる場合じゃないし、私は男子との関わりがほぼ無い。

何気に、男子と仲良くなるのは神裂君が初めてだったし、仲良くなれて嬉しかったのも事実だ。

優しい彼の事が好きなのも…そうなんだろう。

でもそれは、あくまで友達としてであって、恋人に向ける物ではない。

恋人に向ける物にしちゃいけない。

それなのに…神裂君の事を考えると体は熱くなるし、胸は締め付けられるように痛くなる。ダメだと分かっているのに…


「色々あるみたいだし、事細かに聞くつもりはないが、我慢は体に毒だ。時には発散することも大事だぞ?いいな?」


「はい…」


ここは素直に頷いておく。


「素直でよろしい。うし、こうして話してる間に、後遺症とかもない事は確認できたし、もう帰って大丈夫だぞ。」


って、いつの間に⁉︎以外と授業もちゃんとしてたし…


「まさか先生にここまでしっかり授業されるとは思いませんでした。恥ずかしかったですけど。でも、その…ありがとうございます…」


「言うようになったねぇ。よろしいよろしい。とはいえ、呪いは完全に浄化しちまったから、この先暴走したら庇ってやれないけどな。」


ニヤニヤしながら言われると、やっぱりほんとに腹立つな…


「も、もう大丈夫です‼︎」


「おいおい、図星か〜?呪いに託(かこ)つけて襲おうとか考えるなよ〜?」


「そ、そんなことしませんから‼︎」


ほんとにこの先生は…


「ま、なんかあったら相談にきな。暇だったら聞いてやるよ」


「……わかりました。」


正直この先生を尊敬できる気は全くしないが、なんとなく気を使ってくれている…ような気もする。

いい先生ではあるのだろう。そう思う事にする。

入鹿先生はまだ仕事があると言っていたので、そのまま救急小屋を後にする。

まあ、ほんとに散々だったが少しだけ、入鹿先生と仲良くなれたのは良かったかな?

と、小屋から少し離れた所で後ろから呼び止められる。


「お〜い、天羽〜‼︎」


あれ?この声は…入鹿先生?

後ろを振り返ると、入鹿先生が追っかけてきていた。


「どうしたんですか?そんな急いで。」


「いや、忘れ物。」


「へ?何か私、忘れましたか?その…下着も持ってますし…」


「違う違う、ほれ、これ。」


そういって差し出されたのは…


「禁書…何故これを…?」


「いや、お前、ほっとくとついつい我慢しそうだろ?さっきみたいに誰彼構わず襲う前に発散させてやろうと思ってな?」


「で、本当はなんですか?」


「持ってると怒られそうだからだな。」


「えぇ…」


前言撤回、この先生とはやっぱ仲良くなりたくない…


「冗談だ。実際、さっきみたいな状態になると、記憶は混濁するわ、何やれば良いかわかんなくなって興奮すれど、発散できずに暴走するぞ?」


「でもそれ、呪いせいですし…それに、解けないのはまずいんじゃ?」


「あ?別にあれ、強制的に解除しなくとも、一人遊びで満足できれば自動で解けるぞ?」


「へ…へぇ…」


なんでそんなこと知ってるの…先生…


「ま、そういうわけだ。実際どうにもお前は我慢する癖でも有るみたいだしな。持っといて損は無いだろ。」


「わかりました…気は進まないですが、貰っておきます…」


「よっしゃ、ありがとな、これで怒られずに済むぜ。」


「やっぱそっちが目的ですか‼︎」


まぁ正直、この先生に正面から食ってかかる事程無駄な事もない。

諦めて禁書を受け取り、戻っていく入鹿先生を見送り、帰り道につく。

なんか疲れたな…それにこの先どんな顔して神裂君と話せば良いんだろ…

とりあえずさっさと帰ろっと…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。