EP・19 禁書の罠
《天羽視点》
神裂君が心配そうな顔で私の事を見ながら、どうかしたのかと聞いてくれる。
そ、そんなに顔に出ていたかと、慌てて何でも無いと言い、そのまま心にも無い事を提案してしまったのを今更後悔する。
はぁ…別に私、こんな何か出そうな図書館とか探検したく無いんだけど…
神裂君も乗ってしまった以上引くに引けなくなっちゃったし…
「天羽さん?」
「ひゃあっ⁉︎ちょ、脅かさないでよ…」
「いや、別に脅かしたつもりは無いんだけど…」
「うぅ…来るんじゃなかった…」
「ま、まぁまぁそう言わずに、ほら、中央の受付かな?開けたところに出たよ?」
神裂君の言う通り、しばらく薄暗い通路を通ってきた結果、開けたホールに出る。
周りを見渡せば、崩れた棚や、床を含め、いろんな場所に本が散乱している。
「すごいね、色んな所に本があるね。神裂君はなんか見たい本あるの?」
「う〜ん、流石に何の本があるか分かんないし、あんまり変にいじると危なそうだけど…」
「そ、そうだよね、じゃあなんか少し本見て帰ろっか?」
「なんか天羽さん、自分から言い出しといて、帰りたそうだね?」
うっ、痛いとこ突かないでよ…正直こういう場所苦手なんだけど…
「そ、そんな事ないよ⁉︎ほ、ほら、神裂君、これとか読んでみたら?」
そう言いつつ、手近にあった本を半ば押し付けるように渡し、後ろを向き、他の本を探すふりをする。
「え、あ、ちょ。これ?何の本かすら分かんないんだけど…?まぁいっか、読んでみるよ。」
…………しばしの沈黙。き、気まずい…焦って渡した後背を向けちゃったからどんな本なのかすら聞けないし…ど、どーしよう…
そんな事で、悶々としているうちに、後ろからガタッと何かを落とした音がし、咄嗟に振り返る。
そこで驚く。神裂君が地にうずくまっているではないか。
「ちょ、神裂君⁉︎大丈夫⁉︎」
慌てて声をかけるも返事は無い、訳ではない?なんかボソボソ言っているような…?
聞き取れず、何が何だか分からないので、先ほどの本を手にとってみる。
特におかしな点は無いが…
「ごめん…天羽さん…?」
小声で呼ばれ、改めて神裂君に声をかける。
「神裂君⁉︎平気なの?」
「いや、全く…申し訳ないんだけど、一定距離を保ちつつ、入鹿先生の所に…連れてってくれる…?体が熱くて…動機がひどいから……」
「ちょ、そんな状態で歩けないでしょ?せめて、肩ぐらいは貸すよ?」
「いや、大丈夫…何が何でも…近づいちゃ…だめ…」
そうは言ってもずっと前屈みだし…お腹でも痛いのかな…とはいえ全然近づかせてくれないし、このまま放っておくよりは付いてった方がマシかな?
「わかった、じゃあついて来て?歩けそう?」
「う、うん…できれば前じゃなく…後ろ歩いてくれると……」
「わ、わかった、気をつけてね?」
そう言って歩き出す神裂君の後ろに付き、方向を伝えながら歩いていく。
ここからだと、エレベーターまで遠いから気をつけないと…
***
エレベーターを使い、ついさっき来たばかりの異能部の部室、もとい活動場所に戻ってきた。
正直あの先生を呼ぶのは嫌なんだけどな…と言っても背に腹は変えられない、何が原因なのかも分かんないし…
舞赤さん達は稽古で訓練場かな?遠くで何かがぶつかる音や、叫ぶ声が聞こえる。入鹿先生もそっちに居るのかな?
仕方ない、一旦救急小屋の方に行って神裂君寝かせてから先生探しに行こ…
「神裂君、この後先生呼んでくるから、一旦救急小屋行こう?」
「あ…う、うん。い…こう…」
さっきよりも更に辛そう…ついつい持ってきちゃったけどこの本、中身なんなんだろう…?
本を開こうとしたのだが…
「天羽さんっ‼︎」
前を歩いていた神裂君に両肩をガシッと掴まれる。
「ひゃう‼︎な、なに⁉︎」
顔を赤く染め、息を荒げた神裂君の顔が近づき、熱っぽい視線を向けられ、心臓が跳ねる。
え、ちょ、何されちゃうの、私⁉︎
「それ、読んじゃダメ‼︎」
「へ?」
「だから…それ、読む、ダメ…」
「そ、そうなの…?でも読まないと効果が何なのか…」
なんだ忠告か…何かされちゃうのかと…驚かされちゃった。
「知らなくて良いから、絶対。とにかく行こう…?」
そう言われると余計に気になる…けど、流石にあそこまで念押しされたら読めないか。
「わ、わかったから、ほら、辛そうだし、もうすぐそこだから‼︎行こ?」
そう言って神裂君を急かし、救急小屋へ入る。小屋の中はシンプルで、ベッドが四つ、奥の方にカーテンで仕切られたエリアがあるが、そこが診察するところかな?
いないかもしれないが、一応声をかけておこう。
「すいませーん‼︎入鹿先生いらっしゃいますか〜⁉︎」
「あぁ?デケェ声出すな、誰だ?その声、天羽か?」
奥のカーテンで仕切られた中から声が返ってくる。
あ〜、いらっしゃったかぁ…でも、ちょうど良いかな?
「は、はい、神裂君を診て欲しくて。」
「けっ、診察かよ。折角部活の方は御玉に押し付けてきたのに……しゃあない、入ってきな。」
押し付けたって…まあいいや、診てもらえそう。
「神裂君、行こ?」
「うん…」
今だに顔が赤い神裂君と一緒にカーテンの囲いの中に入る。
中に居た入鹿先生が手にしていた本?いや、漫画かな?から目を離し、こちらを見る。
「で、どうしたんだ?神裂、随分キツそうじゃねえか。」
「それが…」
辛そうな神裂君に変わり、先ほど起こった事を説明した。
「は〜ん…天羽、いまもその本、持ってんだよな?ちょっと貸してみ?」
ニヤニヤしてるけど…これ渡して大丈夫かな?
何されるか分からないので恐る恐るさっきの本を渡す。
受け取った本を躊躇う事なく開いた。
「ほう、こりゃまた随分…舞赤の件以降、御玉が回収処分してだいぶ減ってたが、まだこんなのが残ってたかぁ。」
さっき以上にニヤつきながら、ブツブツ言いつつ本のページをめくって行き、全てのページを見切った先生が本を返してくる。
「ありがとよ、久々に良いもん見れたわ。」
「ええと…中身は何だったんですか?」
「何だ、気になるなら見てみれば…あー、そうはいかねぇか、俺と違い、呪い耐性高くないだろうし。」
「呪い?」
勿論そういうものがあるのは知っている、天使だし、そういうのには耐性ある方だと思うけど…
「あ?知らなかったのか。その本、禁書の中でも珍しい罠本だよ。大体は中身を見た時点で、何らかの呪いが発動する。俺のように呪いへの耐性が強ければ効果を受けない者もいるがな。」
「そんな物が…でも中身は気になりますね。口伝で良いので教えてくれませんか?」
「そうだな…折角の機会だ、読んでみ?それに、お前だろ、神裂にあの本読ませたの。で、ここに連れて来た。正直神裂、相当キツかっただろうし、体験してみな。」
うっ、確かに読ませちゃったの私だし、確かにキツそうだったし…
「わ、わかりました…」
うぅ、不安…
「大丈夫だよ、俺の異能で、この呪いの解除は問題ないからな。ただし、先に神裂をベッドに寝かせてやれ。」
「は、はい…」
そう言われ、先生の指示通り、神裂君をベッドに寝かせる。
「うし、じゃ、先に呪いの解除やっちまうかな。『浄化ノ水泡』」
先生の発生と共に、神裂君の寝たベッドごと、現れた水泡が包み込む。
「よし、後は自然に水泡が消えれば浄化完了だ、あの手の本の呪いはそんな複雑じゃないし、すぐ終わるだろ。」
「はい、ありがとうございます。で…えっと…私も読むんですよね…?」
「ま、何事も経験だ。それに、お前に呪いかかったら、おもろいもの見れそうな気がするしな。」
本当にこの人先生なんだよね…?なんかすごい邪悪…いや、逆に無邪気?
まぁ確かに本の中身は気になる…まぁ、呪われても…治してくれるんだよね?だったら読んでみるか…
意思を固め、入鹿先生から返された本を開く。
と、中を見た瞬間、驚愕の中身が目に飛び込んでくる。
「ひゃあっ‼︎な、なにこれ…なにこれぇ…」
「おぉ、初々しい反応してんな天羽、可愛い可愛い。」
「ひょ、しぇんしぇ、なにいって…」
あれ、なんか呂律まわんない…あたまふわふわする…
「おー、こりゃ見事に呪いかかったな。予想通りだな。」
ふぇ、のろい…?あれ、わらひ…のろいたいせい…なかった…?
「あー、そんな顔すんな、大丈夫だよ。ちゃんと治すから。それにしても呪いとの親和性が高いな。普段からそういう欲を発散したりしないのか?お前。」
よくって…なに…なんか…よくわかんないけど…なんか…からだのおく……あつい…
「こりゃまずい、呪いとの親和性が高すぎるな、早めに解除したほうがいいか。」
なんかへんなきぶん…なんだろ…からだのおくがうずいて……?
「すまん、ちょっとふざけ過ぎた。さっさと治したあと、ちゃんと授業してやるから。」
「これどういう事です?今起きたんですけど…?」
「お、神裂、もう治ったのか。予想より早かったな。って、まて、流石に今は俺でも後始末に困る。今はまずい‼︎」
「どういう事ですか?って天羽さん?ど、どうしたの⁉︎」
「あ、おい神裂、今はダメだっ‼︎」
あれ…かんじゃきくんのこえする…?
「かぁ〜んざ〜きく〜ん?」
「ほぁっ⁉︎ちょ、天羽さん⁉︎」
「ふぇ、なぁに…?あれ、わらひ…なにひて…?」
あれ…わらひ…かんざきくんおしたおしてる…?まあいっかもっとくっついちゃえ…
「ちょ、天羽さん、離れて…」
「おい、神裂、流石の俺もいくらお前らが成人済みとはいえ、それ以上は許せないな。」
「先生、それ本気で言ってます⁉︎そんなこと言ってる暇あったら助けてくださいよ‼︎」
「いや、まあそうなんだが…天羽のその顔見るとなぁ…引き剥がすのもねぇ。」
なひしゃべってるんだろ…まぁいいやぁ…
「えへへ…わらひさっきからからだあつひんだぁ…んぇ、よくわひゃんないけど…からだうずくの…ねぇねぇ…」
「ちょ、天羽さん、ストップ、ストップ‼︎先生、いい加減止めてください‼︎」
「あー、そうだな。ほれ天羽、離れろ〜?」
「や〜ら〜…くっひゅいてるほうがあついのおしゃまるから…やら‼︎ねぇ…かんざきくんもほうでしょ〜?」
「う〜ん、さっき話した感じだと、もーちょい知識あるのかと思ってたが…やり方わかんないなら一旦置いといても大丈夫か?いやしかし……」
「ちょ、先生何ブツブツ言ってるんです⁉︎」
「あー、神裂?ちょっと待っててもらえるか?さっきのお前の呪い解いた記録を解析しちまいたいんだが。」
「それ、今関係あります⁉︎」
「大いにあるぞ?ただでさえ呪いとの親和性が高くて、普通のパターンより厄介だからな。解析した方が天羽の呪いを早く解けるはずだ。多分…」
「本当ですよね…?それ。」
「あ、あぁ。ほんじゃ、任せた。が、すまんが続きはベッドで頼む。ここは俺が分析に使う。」
「なんかそれ、いらぬ誤解を招きませんかね…」
「ま、頑張れ、すぐに終わる。まだ他の奴は稽古中だろうしな。だが、まじでそれより先には行くなよ?分析にリソースを割くから、俺の意識が眠ることになる。止めてやることができねぇ。」
「無責任…なァッ⁉︎」
「ねぇねぇ…なにはにゃしてたのぉ?」
のっかっちゃえ〜えへへ…
「ちょ、天羽さん、今回はまじで離れてくれ‼︎」
「いじわるいわにゃいでよぉ…」
にゃんだろ…なれてきひゃったのかな……くっついたらもっとへんなきもち…なる…
「ちょ、天羽さん⁉︎ちょ、くすぐったいから‼︎服の中に手入れないで⁉︎」
「あは、かんざきくんのはだぁ」
「ちょ、お腹撫でないで⁉︎これ、本当に僕の読んだのと同じ本の効果なんだよね⁉︎」
なんだりょ…なんか…おなかへんなかんじ…きゅんってする……
「ねぇかんざきくん…?」
「ど、どうしたの…?」
「にゃんかおにゃかひぇんなんだけろ…?ろおしよう…?」
「え、あ、えーと…ごめん僕そういうの知らないから…」
「うそ!」
「いや、本当に知らな…」
「らあさ…なほしかた、わらひ、おしえてあげる…ふくぬいで…?」
「待て待て、ストップ天羽さん。それ以上はだめ‼︎少なくとも今の君とは絶対だめ‼︎」
「なぁんでぇ?いいんじゃにゃい…?わらひがまん…やら…」
さぁて…にゃにからかな…あは、らんかもっときゅんってなる…
「これ、どうすればいいんだ…?入鹿先生の解析が終わるまでどうにか凌がないとまずい…」
《神裂視点》
くっそ、どうしよう⁉︎
旧図書館で読んだ禁書、天羽さんには絶対読まないよう言っといたはずなのに…
そこで気づく。
「ここに居るの、もう一人は入鹿先生かぁ…」
十中八九、読ませたのだろう。にしてもあの本の呪いこんなに強力だったかな?
僕の時はここまでじゃ無かった、と信じたい。
どうにかして、暴走状態の天羽さんをベッド上で抑えなければならない。いやこれ字に起こしたらただのセクハラになるよね?字面やば過ぎるよね⁉
「ほんと…なんで今日はこうも波乱続きなんだ…」
今に至るまでずっとピッタリくっつかれ、至近距離で、色っぽい声で、色っぽい事を言われているのだ。
これ、理性残せてる僕、結構凄いのでは?
そんな事を考えている間にも、体を触られくすぐったいわ、服脱がされかけるわ、少なくとも普段の天羽さんからは考えられない行動をされる。
どうにかしようにも、僕の異能は拘束には向かないし…
「ねぇ、かんざきくん?」
「な、何でしょう?」
「にゃんか、さっきまれよりももっとおなかあついし、らんかきゅんとするのにさびしい…?せつない?へんらきもち…ねぇねぇらすけてよ…」
「………」
まぁ、要するに人肌恋しいという奴なんであろう。
と言っても、その気持ちが本物なのか、本の所為なのか、わからない以上、天羽さんの要求に答える訳にはいかない。
「ね〜え〜…らんでだまってるのぉ?ふん、いいもん…やりかたくらいわらひもひってるもん。ふたりらけらし…いいよね?」
仕方ない、すっごい恥ずかしいんだけど…それに僕でいいのかもわからんが…
「天羽さん、ダメだよ、そんな簡単に体を許しちゃ。自分を大事にして?」
そう言いながら、くっついて離れようとしない天羽さんを、逆に抱きしめる。
「ふぇ?あぇ、わらひだきしめられてる?えへへぇ…しあわせ…」
そのまま天羽さんが体を預けてくる。う〜ん、なんか伝わってない気がするけど…
とりあえずは天羽さん、落ち着いたみたいだし、セーフかな?
「お、落ち着いたみたいだな。いや〜、よかったよかった、流石に分析終えて、起きたて一発目に合体されてるとこは見たくねぇしな。」
この声は…
「入鹿先生…分析終わったんですね。だとしたらほんと、早く助けてください…」
「そうだな。流石にこれ以上は俺も御玉に怒られそうだしな。」
いや、この現状見たら多分天羽さんに本読ませた時点で怒られると思うけど…
そう思いながらも、なんだかんだ冷静に、天羽さんの額に手を当てる先生の様子を見る。
「よしよし、これで分離して……」
抱きしめた姿勢のままなので先生のやる処置全てを間近で見れるが、先生の異能の特徴である、水らしき物は全く見えない。
「うし、これで終わりだ。神裂、もう離れて大丈夫だ。」
「は、はい。」
抱きしめていた腕を解き、天羽さんにくっつかれている状態からどうにか体を滑らせ、抜け出す。今は意識が無いらしく、天羽さんは眠っているらしい。
「いやー、それにしても良く耐えたな神裂?正直もうすでに行くとこまで行ってるかと思ったよ。」
「いや、僕たちの事なんだと思ってんですか…そもそも付き合ってすらないのに。」
「え、マジ?」
心底意外そうな顔をされる。
「本当ですよ、そもそも天羽さん、月曜日に転校してきたばかりなんですよ?」
「そ、そうか…ちなみに実は幼馴染で、感動の再会って事は…無いか。」
「ええ、知り合ったのは本当に直近です。この短期間で付き合えたら、それはそれですごいと思うんですけど…」
「ふーん、の割りにはな…ま、天羽側が単純に溜まってただけか?」
何言ってるんだ?納得はしてくれたみたいだけど…
「うし、決めた。神裂、お前は今日はもう帰れ。」
「へ?」
「天羽は私が預かる。そもそもさっき使った呪いの浄化方法が少し特殊でな。もうしばらくは起きないだろう。後遺症…は無いだろうが、念のためもう一度診察はしてから帰す。」
「は、はぁ。わかりました。ちなみに特殊というのは?」
「間近で見てたし、俺の異能の特徴は分かってるだろ?」
「はい、推測ですが必ず水を使ってますよね?」
「ああ、正解だ。簡単に言うと、俺の異能は水を媒介に生命の根源たる海に接続、その生命力を引き出し扱う力だ。要するに水があればどこでも力を使える。」
「でもさっきは全く見えませんでしたが…」
「おいおい、忘れてるか?人間の体の約六割は水だぞ?」
「あっ、そうか、それを使って…」
「そう、呪いとの親和性が高かったからな。体内、主に脳に水分を集め、呪いを解いた。あの手の呪いがかかるのは大体は脳だからな。そこから体に興奮なり、恐怖なりの効果を発する。」
「な、なるほど…よくわかりますね…」
正直ここまでしっかり医者してるとは…意外だ…
「おい、なんだその意外そうな目は?これでも掃討戦にも…っとこれは言っちゃダメなんだったな。」
掃討戦…?そう聞こえた気がしたが、言っちゃダメと本人が言った以上、これを追求するのはやめたほうがいいか。なんか隠してるのか…?
そんなことを考えていると、先生が言葉を続ける。
「ともかく、コイツは責任持って預かるからよ、先に帰ってな。」
「わかりました、天羽さんによろしく伝えておいてください。」
「ああ、分かった。」
という事で、まぁ天羽さんが目覚めても、気まずいだろうというのもあり、救急小屋から早めに退散する。
「天羽さん、無事だといいけど…」
誰に聞こえるわけでもなく、独り言を呟き、学校を後にした。




