0087
カメさんが沈黙したが、暫くは動かないか待機を。
これ、確か…残心ったんだけか?
完全に停止したことを確認できたから、気を緩めることに。
「ふぅ」
思わず、ため息がな。
「大佐殿。
ご苦労様でごぜぇやす」って、アンソニー大尉がな。
「素晴らしい戦いでしたわ。
しかし、良く避けれますわね。
私なら大破してますわ」
キャンディ大尉が、感心したようにな。
「そこら辺は、サーシャムの性能だな。
生身の俺では不可能だよ」
「そうなんでやすか?」
アンソニー大尉が懐疑的にな。
「いやなぁ。
あんな動きは、普通の者には出来ないよ。
なんか、俺が考えたり、感じたことをサーシャムが感知して、それを汲んだ動きをしてくれてんだわ。
最早、自分の体を動かすよりも楽かもしれんな」
そう告げるとな。
「はぁ。
同調率が高いと、そうなるんでやすかぁ。
まったく、羨ましい限りですなぁ」
まぁ、自分の身体以上に扱い易いからな。
正直、戸惑うレベルだよ。
「しかし…これで、また昇進したりしないだろうな?」
この短時間で大佐なんぞ、ハッキリ言って異常だ。
さらに昇進なんぞ有り得んからな。
しかも、大佐の上だから将官クラスだぞ。
率いる兵もない将官なんざぁ、有り得んだろ?
「流石に、昇進はございませんわ」っと、マチルダさん。
だよね。
「これが、軍任務なら有り得たのですが…」
いや、有り得たのかよっ!
「この度は、軍命ではなく、艦長からの依頼となります。
艦長からの要請には従って良い話しには、なっております。
ですが、それは、あくまでも艦長からの要請であり、軍命ではありませんので。
ですが、依頼料および危険手当に、素材の販売利益が、大佐へ振り込まれます。
かなりの額になると予想されますので、期待されてもよろしいかと」
ほーん、そんなんになるんやな。
「で、この仕留めたカメの回収は、どうするんだ?」ったらな。
「既に回収ポッドが向かっております。
そちらはポッドへ任せ、お戻りになられては?」
そうだな。
流石に疲れたし、そうするかね。
「了解だ。
ただいまより帰投する」
そう告げて飛翔を。
大尉2人も追随ってな。
ん?
水中を通らないのか?って?
阿呆なこと、言いっこなしだぜ。
水中は、アクティブになった機魚に埋め尽くされてるかんなぁ。
あんな危険地帯へ飛び込んだら、大破間違いなしだぜ?
サーシャムを飛行させ、調査船へと。
いや、調査船を筆頭とした船団か。
飛び魚型機魚から逃れた船らが、こちらに合流し、そのまま着いて来てんだわ。
狩猟団だけでなく、商船も。
中には輸送船などで、物資を運んでいる船もな。
余剰物資は、船長判断で販売可能らしい。
そのため、集まった船同士で売買なども。
ちょっとしたコロニーっか、村か町だな。
俺のサーシャムへ換装可能な武装もな。
弾薬などや、エネルギーを販売する船も。
そちらは、元々が、それ専用の船だ。
顧客は、フォーマーや狩猟団だが、たまに軍へも販売するらしい。
特筆すべきは、合成食料を販売する船だろう。
各船にも、合成食料を精製する機器は、備え付けられてはいる。
海水には、様々な要素が溶け込んでおり、それを精製すれば可能らしい。
う〜ん、ゲームやねぇ。
現実では、そんなことは不可能だ。
海水から無尽蔵に食料を得られるなんざぁ、夢物語だかんなぁ。
そんな精製装置も、性能や大きさで、出来る合成食料の質や量がな。
だから腹一杯に美味い料理てぇのは、難しい。
だが、合成食料精製を主体にした船なら別だ。
大量に質の良い合成食料を精製できるだろう。
それを求めて、その船を訪れる船は多いらしい。
結構、儲けているみたいだな。
で、そんな船が合流してから、さらに船が集まってなぁ。
巨大な船団となってる訳だ。
どうして、こうなったし?




