0083
さて、狩りますかね。
そう思っているとな。
「ちょっと待っておくんなさい」って、アンソニー大尉がな。
ん?
どうしたんだろ?
「迂闊に、ちょっかい出すのは危険ですぜ」っとな。
彼が、こんな事を告げて来るのは珍しいな。
どうしたんだろ?
「それは、どう言う意味でしょう?
危険は少ないとなっておりますが?」
マチルダさんが、不思議そうにな。
「軍のデータベースでは、そうでしょうなぁ。
我々軍人は、危険な機魚を駆除するために動きます。
つまり、襲って来ない機魚とは相対せんのです。
ゆえにカメ型機魚を討伐することはありませんでな。
だから危険なしとなっとるのでしょう」
そんな説明をしてくれるんだが…
「いや、狩らないなら、なんでカメ型機魚の素材が有用って分かるんだ?
それって狩らないと分からないよな」
だよな?
「むろん、狩る者はおりやすぜ。
ですが、我々軍人ではありやせん。
そちらは民間人ですなぁ。
なにせカメ型機魚は金になりやすから、腕の立つヤツぁ狙いやすから。
ただ、リスクも高くてですな」
ほう?
機獣や機魚を狩る民間人も居るのか。
初めて知ったんだが?
「ああ。
フォーマーとか、狩猟団とかですね。
結構野蛮な方々だとか」
マチルダさんが嫌そうにな。
「結構、気の良いヤツらだよ?
それに、技術者集団でもあるしねぇ。
機獣や機魚を狩るには、最低でも戦闘型アーマードが必須さ。
維持メンテナンスには技術が伴ってないと、とてもでは無いけどヤッて行けないからさ」
そうキャンディ大尉が。
ほぅ。
サーシャムじゃ無く、アーマードで狩ってんだな。
「そうなのですか?
粗暴な方たちだと、伺っておりますが?」
マチルダさんが、戸惑ったようにな。
「まぁ、定住しない流れ者集団だからな。
住民からは、良い顔されんわなぁ。
だが、フォーマーの方はフォーマー評議会てぇ大きな組織もある。
っか、評議会所属じゃなければ、フォーマーは名乗れんがな。
ヤツらは、自分で星系を保持してるほどだ。
まぁ、本業はテラフォーミングの外注だから、儲かってんだろう」
いや、フォーマーったか?
思ってたより、規模デカかったぁ!?
「?
やけに、詳しくありません?
お2人とも」
そう、マチルダさんがな。
「まぁな。
酒場で知り合ったヤツらから、色々と聞いてんでなぁ。
街中の大衆酒場へ繰り出す連中は少ないから、軍で知ってるヤツは少ないぜ。
確かに酒保や軍人酒場も悪くねぇ。
だが、大衆酒場の雰囲気は、あれは、あれで良い物なんだがなぁ」
なるほどね。
そこで、色々と知ったと?
っか、このゲーム、スゲぇなぁ。
作り込み、ハンパなくね?
「それで、危険…リスクでしたか?
どのような?」
マチルダさんが尋ねるとな。
「それなんですがね。
カメ型機魚は、ある意味スイッチなんでっさ。
コヤツに、ちょっかい出すと、回りの機魚全てが襲って来るようにですなぁ」
いや、ちょっと待て!
周囲のノンアクティブな機魚全てが、アクティブになると?
結構な魚群が回遊している。
中型クラスの機魚もチラホラと。
これらが、全て襲い掛かって来る?
なんてぇ、無理ゲー!
いや、ゲームだったわ。
「そんなん、狩るどころか、こちらが撃破されるわっ!
ん?
その情報があり、素材を得てるってことは、狩り方があるのか?」
そう尋ねるとな。
「まぁ、そうですな。
ただ、アーマード用のヤツですんで、我々に有用かは…」
そう前置きした後でな。
「機魚の大半は、浅瀬へは近付きやせん。
ですが、カメ型は敵対すると、陸地近くまで追って来やす。
そのため、浅瀬に誘い込んで、そこで討伐しとる訳ですな。
浅瀬での戦いとなるため、小型のアーマードの方が戦い易いそうでしてな。
サーシャムクラスの大型機で、戦えるかですなぁ」
確かに、アンソニー大尉の言う通りか。
さて、どうするかね。




