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駐車場からエレベーターに乗り73階へと。

降りたらなぁ、なんか広いエレベーターホールでな。


ソファーや机が設置されてるし、絵画や観葉植物も。

この階のエントランス的な場所なのか?


近くに自動販売機が設置された部屋もな。

大概の物が購入できそうな品揃えなんだが?


モバイル経由にて、ホームサーバーがナビを行う。

それに従い、俺は新たな自宅へと。


結構歩くなぁ。

いやな、動く歩道てぇの?

アレも設置されてんだが、わざわざ乗るのも。

そう思って歩いてたんだが、途中で乗ったよ。


どんだけ広いんやねん!

で、玄関ドアの前に着いたんだがな。

えらい豪奢な扉なんですが?


え?、いや、なに?

俺、一般社員、いや、一般庶民なんですが?

間違ってもセレブではない。

下町の一杯飲み屋へ通うような中年オヤジです。


こんな場所に住んでも、()えんかい?


恐る恐る扉を開ける。

玄関?

いや、既にエントランスです。


靴箱、何処よ?


『そこは玄関ホールとなります。

 住居へ至る前の接客エリアにて、靴を履いた侭で過ごす場所となりますので。

 奥へ進むと、居住区用の玄関がありますので』


はぁ?

んじぁ、そりぁ!


ナビに従い移動すると、瀟洒(しょうしゃ)な扉がな。

この扉の先が、居住区の玄関らしい。


ドアを潜ると、先ほどのエントランス程ではないが広い空間が。

靴を脱ぐ三和土(たたき)と靴箱がな。


靴箱を確認すると、俺の靴が入ってんだが…


「なぁ。

 俺のじゃ無い、おニューの靴が幾つか入ってんだが?」


明らかに高そうな靴がな。

革靴だけでなく、スニーカーなんかも。


『テイクリム社配下のシューズメーカーから提供された試供品です。

 最新素材と新技術で(もた)らされた機能を盛り込んであるそうですね。

 出来たら使用していただきたいとのこと。

 使用感を知りたいらしいです』


ああ、モニターあつかいみたいだな。

別に損する訳でもない。

ならば使ってみるかね。


玄関で靴を脱ぐ。

別に揃えたりはしない。

家のドロイドが靴のメンテをするからな。

お任せだよ。


玄関ホールから左右正面の3箇所へ廊下がな。

っかさぁ、このホールだけで、十分生活できる広さなんだが?


右側の廊下へはトイレが4つ。

その先に洗面所や洗濯場がさ。


さらに進むと風呂場がな。

脱衣所にはマッサージチェアと、マッサージ台がな。

ホームサーバーが告げるには、ドロイドがマッサージしてくれるらしい。


脱衣所を抜けて風呂へ。

複数の風呂が有るんですが?


いやさぁ、ビル内へ露天風呂風の風呂って…

高い天井と空調にて、擬似的に外を演出している。

サウナにジグジーに打たせ湯まで。


「これ、個人宅?

 規模、デカくね?」


流石にビビるわっ!

廊下を戻り、右側通路へと。


広いダイニングに、厨房がな。

え?

キッチンじゃないのか?


いやなぁ、普通にレストランの厨房なんですが?

これを主婦に使いこなせと?


まぁ、ウチはドロイドが調理するし、現に複数の人型ドロイドが作業してるしな。

つか、ドロイドだよな?

人と区別できんのだが?


既に夕飯作りに取り掛かっているようだ。

っうか、昼飯が出来てるそうな。


えーとぉ、テイクリム社の、関連企業が養殖した食材?

いや、合成食材で無い代物?

マジかぁ!


これって、食材だけで幾らするんだ?

なんだか食べるのが怖いのだがな。


昼は天ぷら蕎麦ってか?

いや、ウマ!

え?

蕎麦も農家が育てたヤツ?

合成食材でない蕎麦って、こんなに美味いんだなぁ。


十割りの挽きぐるみ?

んだぁ、そりゃ?


ここの厨房で殻ごと挽いた蕎麦粉100%の蕎麦らしい。

香りが凄いんだが?


ツユは、関連会社が作ったツユらしい。

昔の蕎麦屋が作っていたツユに拘った逸品だってさ。

作るのに時間が掛かるから、仕入れた方が良いらしい。


そして天ぷら。

全て合成食材を使用してないだとぉ!

まるで、セレブの食事である。


これが毎日食べられるなら、最高なんだが…

どうなんだろね?

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